株式投資ガイドー初心者向けに徹底解説! > 信用取引とは
通常、株式取引は、預けた額の範囲内で取引を行います。この取引を現物取引と言います。ただ、投資家の中には、預けたお金よりも多くの額の取引を、行いたいという人もいると思います。
そこで誕生したのが、信用取引です。これから、信用取引の概要、利点と欠点、株主権利について解説したいと思います。
概要
まず、信用取引とは何か?から解説していきます。
信用取引とは、証券会社から、預けたお金を担保に資金(又は株式)を借り、預けたお金より大きな取引を行えるしくみのことです。
ここでは、信用取引が出来る人、信用取引の特異性、売買手数料について解説します。
信用取引には審査があり、合格した人だけ始めることが出来ます。これは、投資家保護の観点から、信用取引口座の開設に当たって証券会社が実施しています。
また、信用取引は変わった特徴をもっており、買いと売りどちらからでも始められます。信用取引では、”株式を買ってから売る”という取引に加え、”借りた株式を先に売っておいて、後で買い戻す”といった取引が出来ます。これは信用取引が、6ヵ月で決済することを約束しているので可能になります。どちらが先でも同じだからです。
売買手数料は、0.05%~0.1%程度で、通常とあまり変わりません。
図:信用取引は、買いと売りのどちらからでも始められる
利点と欠点
信用取引の概要について解説しました。次に、利点と欠点を解説します。
1.信用取引の利点には、多額の取引が可能、売りから入ることが出来ることがあります。
信用取引では、預けた資金より大きな額(最大3倍程度)の取引が出来るため、うまくいけば大きな利益が得られます。
また、先に説明したように売りから入れるため、下げ相場でも取引に参加できます。先に売っておいて、下がった所で買い戻すわけです。
2.信用取引の欠点には、預けた資金を超えた損失の危険、利子の発生、投資対象銘柄の制限、決算時期の制約があります。
信用取引は、取引額が大きいため、損失が出た場合、預けた資金を超えた損をする可能性があります。
また、お金や株式を証券会社から借りるので、利子がかかります。(利率は2%程度)
しかも、購入できる銘柄も、信用指定銘柄だけに限られています。
さらに、6ヵ月で決済(=取引の終了)しなければならないので、有望な株式を買っていても、上がるまで持ち続けることが出来ません。ただし、信用買いの場合は、決済時期が無制限の、無期限信用取引もあります。ただ、無期限信用取引の方が、利子は高くなります。
上記の解説でおわかりのように、利点よりも、欠点の方が多い取引方法です。
初心者の方は、行わないほうが良いでしょう。
株主権利
信用取引の利点、欠点について理解していただけたと思います。次に、株主権利はどうなるのか?について解説します。
株式に投資することで得られる株主権利には、配当請求権、株主優待、株主の議決権があります。しかし、信用取引の場合には、制限があります。
信用取引を行っている場合の配当は、、買いの場合は、配当相当額をもらえます。逆に売りの場合は、配当相当額を支払わなくてはなりません。
また、株主優待、株主の議決権は、得られません。
<<分別管理とは? | 株式投資ガイド ー初心者向けに徹底解説! | インサイダー取引とは>>