こんなに多くの中で、どの投資信託を選べばいいのでしょうか?最も投資家に選ばれているものを選ぶのも、ひとつの方法かもしれません。現在、最も投資家に選ばれている(=総資産額が全投資信託で最も多い)ファンドは、グロソブというファンドです。
グロソブとは、先進国のソブリン債を投資対象とした投資信託です。ソブリン債とは、公的機関が発行する債券(国債など)のことです。グロソブの正式名称は、グローバル・ソブリン・オープンといいます。グロソブには、決算周期別に、毎月決算型・3カ月決算型・1年決算型があり、1番人気は毎月決算型です。
これから、グロソブの人気の程度・リターンとリスク・欠点・各種手数料・購入場所について解説したいと思います。
まず、どの位人気があるのか?を解説したいと思います。
始めに、同種の投資信託と比べてみたいと思います。
同種の投資信託の2番人気は、ダイワ・グローバル債券ファンド(毎月分配型)です。
この投資信託の総資産額は、2378億円です。
グロソブは、8555億円ですので、3倍以上の額になっています。
また、投資信託全体でも総資産額は、1番です。
全ての投資信託の中で2番人気は、ピクテ・グローバル・インカム株式(毎月分配)です。
この投資信託の総資産額は、8633億円です。
※上記データは、2015年12月現在のもの
- なぜ、ここまで人気があるのでしょうか?それには、2つの理由が考えられます。
1.利子の支払いがきちんと行われる可能性の高い、先進国のソブリン債に投資するため、安定的な利子の収入が見込める。
2.2001年1月以来、安定した分配金(40円)支払いの実績がある。
上記、2点が多くの人に認められ、高い総資産額を実現していると考えられます。
※追記(2017/03/13)
2017年3月現在、円高・各国の利下げにより、分配金は10円になっています。(40円→30円→35円→20円→10円)
人気の程度について解説しました。次に、グロソブのリターンとリスクを解説していきます。
1.グロソブのリターンには、債券からの利子収入・債券の価格変動による差益があります。
参考データ(2015年12月現在) 5年リターン
ファンド名 | リターン | 購入手数料が、最も安い販売会社 |
グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型) | 7.66%(年率=1年あたり) | SBI証券 |
2.グロソブのリスクには、デフォルトリスク・金利変動リスク・為替リスクがあります。
デフォルトリスクとは、約束した利息が払われないリスクのことです。ただ、債券に投資するのでデフォルトリスクはあるのですが、先進国が利子を支払えなくなることは考えにくいため、デフォルトリスクは非常に低いと考えられます。
金利変動リスクとは、金利変動により、債券価格が影響を受けるリスクのことです。 為替リスクとは、日々変化する"通貨の交換レート"の、影響を受けるリスクのことです。解約(または、買取請求)した際に、債券自体の価値が上がっていても、円の価値が上がっていた場合、儲けが目減り(または、損を)する可能性があります。
グロソブの欠点
グロソブのリターンとリスクについては、ご理解いただけたと思います。次に、グロソブの欠点は何か?について解説していきましょう。
グロソブの欠点には、円高に弱い・配当控除の対象外があります。
グロソブは、外貨で運用するため、円換算した際に円の価値が上がっていると、グロソブの評価額は下がってしまいます。そのため、日本経済が好調になった場合に評価額が上がる、国内株式投資信託を組み合わせると良いです。
また、グロソブは、投資対象が債券が主で株式に投資しないため、配当控除の対象外です。
各種手数料
グロソブの欠点について解説しました。次に、グロソブの手数料はどれくらいか?について解説していきます。
グロソブの手数料には、購入手数料・信託手数料・信託財産留保額があります。
購入手数料 | 1.575%以下 (最も安いのは、SBI証券 | 信託手数料(監査費用含む) | 1.31% |
信託財産留保額 | 0.5% |
購入場所
グロソブの各種手数料について解説しました。次に、どこで購入できるのか?を解説します。
グロソブは、多くの販売会社で購入可能です。ただ、販売手数料が無料の販売会社は、あまりありません。その中のひとつに、SBI証券があります。
楽天証券には、投資信託を毎月自動で取り崩してくれるサービスがあります。
このサービスをつかうと、ほったらかしで、遊んでいるお金の年4.8%(または年3.6%)が、楽天銀行の口座に毎月振り込まれます。
楽天証券は、楽天市場・楽天モバイル・楽天銀行で知られる、楽天グループに属する証券会社です。
楽天証券の総合口座数は864万口座、預り資産は、18.1兆円を超えています(2022年12月末時点)。
また、楽天証券で投資信託を保有、または、積み立ての設定をしている人は、274万人を超えています。
実際に、楽天証券の「投資信託の自動取り崩しサービス」をつかった履歴をごらんください。
下のように、振込日(1~28日の中で好きな日を指定できます)の10日に間に合うように、投資信託を自動で売ってくれます。

また、取り崩したお金は、下のように自動で楽天銀行の口座に振り込んでくれています。
なお、取り崩しの際にかかる譲渡益税(利益の約20%)が源泉徴収されています。
※ちなみに、自動で振り込んでもらうには、楽天証券の口座と、楽天銀行の口座と連携させる「マネーブリッジ連携」というかんたんな設定が必要です。

全世界株式に投資すると、年7%のリターンが期待できます。
>> 全世界株式のリターンが7%といえる詳しい理由は、この記事で解説しています。
>> 過去34年のデータから計算した、全世界株式のリターン7%の理由はこちら
全世界株式に投資する方法はいくつかありますが、投資信託を使うのが簡単です。
全世界株式に投資する投資信託のなかでは、手数料が安い「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(以下オール・カントリー)」がおすすめです。
オール・カントリーの手数料は年0.2%程度で、全世界株式に投資する投資信託のなかで、最安クラスです。
なお、全世界株式のリターンは年7%といいましたが、取り崩しは、年7%ではなく「年4.5%」にするのがベストです。
なぜなら、全世界株式のリターン:7%のうち、2.3%はインフレで増えた分だからです。
インフレで増えた2.3%分は、取り崩さずにそのまま運用をつづけて、その運用益で将来のインフレにそなえます。
また、先ほど解説したように、オール・カントリーには、年0.2%程度の手数料がかかるため、その分も取り崩さないでおきます。
したがって、全世界株式のリターン:7%から、インフレ分:2.3%と、オール・カントリーの手数料:0.2%を引いた年4.5%を取り崩すのがベストです。
実は、投資信託を毎月手動で取りくずす場合、かなり手間がかかります。
取りくずしの手間を、全世界株式の投資信託を取りくずす場合を例に解説すると、
1.まず、今月の取りくずし額を計算します。
全世界株式の場合、年4.5%が期待リターンですので、毎月「4.5%の12分の1」まで取りくずしても大丈夫です。
つまり、4.5%÷12ヶ月で、0.375%ですね。
たとえば、現在の資産額が120万円の場合、4,500円(=120万円×0.375%)と計算できます。
2.つぎに、1.で計算した額を売る、売却注文をだします。
証券会社のホームページにログインして、先ほど計算した額だけ、全世界株式の投資信託の売却注文をだします。
3.そして、売却注文が成立した翌日か、翌々日までまって、出金指示をだします。
実は、投資信託は、売却注文が成立しても、その日に出金指示をだせません。
出金指示ができるようになるのは翌日か、翌々日になってからです。
このように1日で注文・出金指示の、両方をすませることができません。
そのため、売却注文をだす日と、出金指示をだす日と、2日にわたってホームページで操作する必要があるのです。
自動取りくずしサービスがないと、毎月、この取りくずし作業をやらなければなりません。
楽天証券の自動取りくずしサービスなら、毎月の取りくずし率を、0.1%以上0.1%単位で設定できます。
ここで設定した取りくずし率の分だけ、毎月自動で投資信託を売却してくれます。
全世界株式(年4.5%のリターン)の投資信託を取りくずす場合、月0.4%(年4.8%)、または月0.3%(年3.6%)に設定すると良いでしょう。
また、取りくずしたお金は、毎月指定した日(1~28日から好きな日を指定できます)に、楽天銀行の口座に振り込んでもらえます。
なお、設定した日に間に合うように、投資信託を売却してくれため、お金が必要な日よりまえに振込日を指定する必要はありません。
そのため、楽天証券を使えば、手間をかけずに、遊んでいるお金の年4.5%が、楽天銀行の口座に毎月振り込まれます。
1.楽天証券の口座を開設したら、全世界株式に投資する投資信託(オール・カントリーがおすすめ)を買って、その投資信託を、月0.4%(または0.3%)取り崩す設定をします。
2.楽天証券の口座と、楽天銀行の口座とを連携させる「マネーブリッジ連携」という設定をします。
この2つを最初にいちど設定するだけでおわりです。
・公式ページ
楽天証券の投資信託自動取り崩しサービスを使うことで、遊んでいるお金から収益が上がります。
また、はじめるのもかんたんで、全世界株式の投資信託を買って、月に取りくずすパーセント(0.4%か0.3%)を決めるだけです。
楽天証券の投資信託自動取り崩しサービスがなければ、毎月手間のかかる取り崩しを自分でしなければなりません。
また、銀行預金ではお金はほとんど増えませんので、楽天証券での投資信託自動取り崩しサービスをおすすめします。
・公式ページ