前回、個人向け国債の種類について解説しました。また、個人向け国債の最大の売りは、高い安全性だと書きました。
個人向け国債の安全性が高いと言えるのは、国が元本を保証しているからです。ただ、国が元本を保証するのは、通常の日本国債でも同じですよね。
個人向け国債がすごいのは、"1年を過ぎた後であれば満期でなくても国が額面の価格で買い取ってくれること"です。
通常の日本国債の場合、金利の変動によって国債自体の価値が変わってしまいます(金利が上がれば国債の価格が下がり、金利が下がれば国債の価格が上がる)。
金利が上がると国債の価格が下がる理由は、以下です。
新規に発行される国債の金利が上がると、みんなそっちの国債の方を買いますよね? 同じ商品で利率がよいのですから当然です。
すると、今まで発行していた国債(既発債といいます)は、同じ利率が期待できる価格まで下げないと売れなくなるのです。そのため、国債は値下がりします。金利が下がった場合は、逆の動きが起こって、国債は値上がりします。
そのため、通常の日本国債は、満期より前で売却しようとすると、買った価格よりも下がってしまうことがあります。
この"金利の状況によって持っている国債の価格が変動すること"を金利変動リスクと呼ぶのですが、個人向け国債なら、このリスクを負わなくて良くなることになります。国が買った価格で買ってくれますから。
上記のように、個人向け国債には、途中で売りたくなっても国が買った価格で買い取ってくれる―という大きな利点がありますが、その買い取り時には、解約ペナルティを支払わなくてはなりません。
次回は、"個人向け国債の解約ペナルティ"について書きたいと思います。