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譲渡所得をエクセルで計算

 松井証券で貸株サービスを行う場合、譲渡所得を、自分で計算しなければなりません。

    ※追記(2010/1/2)
    2009/11/14に、松井証券の貸株サービスが改善され、特定口座で預かってもらっている株式でも、貸株できるようになりました。したがって、特定口座で預かってもらっている場合、譲渡所得の計算は不要です。

 ただ、譲渡所得の計算は、非常に面倒です。どうにか楽に計算する方法はないでしょうか?

 エクセルを使って計算しましょう。エクセルへの、譲渡損益計算のための―データ入力手順は、以下です。なお、解説の中にある計算例は、以下の条件で計算したものです。A株を(1)10月1日に、1株:700円で1,000株購入し、(2)10月6日に、1株:800円で2,000株購入し、(3)10月14日に、1株:900円で2,000株売却した場合。売買手数料は、松井証券のものを使用。

  • 購入時のデータ入力
  • 売却時のデータ入力


購入株式のデータ入力

 エクセルで譲渡損益の計算をする際の、データ入力は、(1)購入時のデータ入力(2)売却時のデータ入力 の手順で行うと解説しました。

 まず、(1)購入時のデータ入力から解説していきます。購入時のデータ入力は、どうすればいいのでしょうか?

 購入時のデータ入力手順は、以下です。

1.まず、購入時の取引報告書から、"取引日*""購入単価""購入株数""購入手数料"を転記します。
2.次に、1のデータを元に、取得費を計算します。計算式は、「購入単価×購入株数+購入手数料」です。計算例では、=C3*D3+E3 と入力しています。

図:購入時のデータ入力
購入時のデータ入力

3.最後に、取得単価を計算します。計算式は、「取得費の合計÷購入株数の合計」です。計算結果は、1円未満切り上げます。エクセルで、計算結果を1円未満切り上げするには、「=ROUNDUP(数値,0)」と入力します。計算例では、=ROUNDUP(SUM(F2:F3)/SUM(D2:D3),0) と入力しています。
なお、以上の計算は、同一銘柄を複数回購入している場合のものです。

図:同一銘柄を複数回購入している場合の、取得単価計算
同一銘柄を複数回購入している場合の、取得単価計算

    同一銘柄を複数回購入して"いない"場合も、取得単価の計算は同じです。計算式は、「取得費÷購入株数」です。計算例では、=ROUNDUP(F2/D2),0) と入力しています。

図:同一銘柄を複数回購入して"いない"場合の、取得単価計算
同一銘柄を複数回購入して

* 一般口座で取引する場合、取引日の日付は、"受渡日""約定日"のどちらでもいい。(=どちらの日付を使うかは、納税者が決めていい。)


売却株式のデータ入力

 エクセルで譲渡損益の計算をする際の、データ入力の手順:(1)購入時のデータ入力について、解説してきました。これで、購入した株式の取得費・取得単価が計算できました。

 次は、(2)売却時のデータ入力を解説しましょう。売却時のデータ入力は、どうすればいいのでしょうか?

 売却時のデータ入力手順は、以下です。

1.まず、売却時の取引報告書から、"取引日""売却単価""売却株数""売却手数料"を転記します。

図:売却時の取引報告書から数値を転記
売却時の取引報告書から数値を転記

2.次に、購入時のデータ入力手順で計算した数値と、売却時の取引報告書から転記した数値とを使って、譲渡損益を求めます。具体的な譲渡損益の計算内容は、売却単価から取得単価を引き、それに売却株数をかけて、最後に売却手数料を引きます。計算式は、「(売却単価-取得単価)×売却株数-売却手数料」です。計算例では、=(C5-G3)*D5-E5 と入力しています。

図:入力したデータを使い、譲渡所得を計算
入力したデータを使い、譲渡所得を計算

(備考)売り残りの株式のデータ入力

 エクセルで譲渡損益の計算をする際の、データ入力の手順:(1)購入時のデータ入力(2)売却時のデータ入力について、解説しました。これで、譲渡損益の計算の解説は、完了です。

 ただ、売却時に、全ての株式を売却するとは限りません。したがって、売却後も、株式が残ることがあります。この残りの株式のデータ入力は、どうすればいいのでしょうか?

 残りの株式のデータ入力手順は、以下です。

1."単価"は、さきほど計算した取得単価を転記します。
2."株数"は、購入株数の合計から、売却株数を引いて求めます。計算例では、=SUM(D2:D3)-D5 と入力しています。

図:売り残りの株式のデータ入力
売り残りの株式のデータ入力

3.1・2のデータを元に取得費を計算します。計算式は、「取得単価×株数」です。計算例では、=C7*D7 と入力しています。なお、取得単価に含まれているため、購入手数料はありません。

図:売り残りの株式の取得費計算
売り残りの株式の取得費計算

    再度、株を追加購入した場合は、どうなる?1-3と同じ要領で、取得単価を求めます。計算例では、=ROUNDUP(SUM(F7:F8)/SUM(D7:D8),0) と入力しています。

図:追加して、1株800円で3,000株買った場合の入力
追加して、1株800円で3,000株買った場合の入力



遊んでいるお金から、ほったらかしで定期収入

楽天証券には、投資信託を毎月自動で取り崩してくれるサービスがあります。

このサービスをつかうと、ほったらかしで、遊んでいるお金の年4.8%(または年3.6%)が、楽天銀行の口座に毎月振り込まれます。


楽天証券ってどんな会社?

楽天証券は、楽天市場・楽天モバイル・楽天銀行で知られる、楽天グループに属する証券会社です。

楽天証券の総合口座数は864万口座、預り資産は、18.1兆円を超えています(2022年12月末時点)。

また、楽天証券で投資信託を保有、または、積み立ての設定をしている人は、274万人を超えています。


楽天証券の自動取り崩しサービスの実践履歴

実際に、楽天証券の「投資信託の自動取り崩しサービス」をつかった履歴をごらんください。

下のように、振込日(1~28日の中で好きな日を指定できます)の10日に間に合うように、投資信託を自動で売ってくれます。

楽天証券の投資信託自動取り崩しの履歴

また、取り崩したお金は、下のように自動で楽天銀行の口座に振り込んでくれています。

なお、取り崩しの際にかかる譲渡益税(利益の約20%)が源泉徴収されています。

※ちなみに、自動で振り込んでもらうには、楽天証券の口座と、楽天銀行の口座と連携させる「マネーブリッジ連携」というかんたんな設定が必要です。

楽天証券の振り込みの履歴


なぜ、年4.8%(または年3.6%)の収益がえられるの?

全世界株式の投資信託に投資すると、年4.5%(インフレ調整後)のリターンが期待できる

全世界株式に投資すると、年7%のリターンが期待できます。

>> 全世界株式のリターンが7%といえる詳しい理由は、この記事で解説しています。

>> 過去34年のデータから計算した、全世界株式のリターン7%の理由はこちら

全世界株式に投資する方法はいくつかありますが、投資信託を使うのが簡単です。

全世界株式に投資する投資信託のなかでは、手数料が安い「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(以下オール・カントリー)」がおすすめです。

オール・カントリーの手数料は年0.2%程度で、全世界株式に投資する投資信託のなかで、最安クラスです。

なお、全世界株式のリターンは年7%といいましたが、取り崩しは、年7%ではなく「年4.5%」にするのがベストです。

なぜなら、全世界株式のリターン:7%のうち、2.3%はインフレで増えた分だからです。

インフレで増えた2.3%分は、取り崩さずにそのまま運用をつづけて、その運用益で将来のインフレにそなえます。

また、先ほど解説したように、オール・カントリーには、年0.2%程度の手数料がかかるため、その分も取り崩さないでおきます。

したがって、全世界株式のリターン:7%から、インフレ分:2.3%と、オール・カントリーの手数料:0.2%を引いた年4.5%を取り崩すのがベストです。


しかし、年4.5%のリターンの取り崩しは、手間がかかる

実は、投資信託を毎月手動で取りくずす場合、かなり手間がかかります。

取りくずしの手間を、全世界株式の投資信託を取りくずす場合を例に解説すると、

1.まず、今月の取りくずし額を計算します。

全世界株式の場合、年4.5%が期待リターンですので、毎月「4.5%の12分の1」まで取りくずしても大丈夫です。

つまり、4.5%÷12ヶ月で、0.375%ですね。

たとえば、現在の資産額が120万円の場合、4,500円(=120万円×0.375%)と計算できます。

2.つぎに、1.で計算した額を売る、売却注文をだします。

証券会社のホームページにログインして、先ほど計算した額だけ、全世界株式の投資信託の売却注文をだします。

3.そして、売却注文が成立した翌日か、翌々日までまって、出金指示をだします。

実は、投資信託は、売却注文が成立しても、その日に出金指示をだせません。

出金指示ができるようになるのは翌日か、翌々日になってからです。

このように1日で注文・出金指示の、両方をすませることができません。

そのため、売却注文をだす日と、出金指示をだす日と、2日にわたってホームページで操作する必要があるのです。

自動取りくずしサービスがないと、毎月、この取りくずし作業をやらなければなりません。


楽天証券の自動取り崩しサービスなら、メンドクサイを解消

楽天証券の自動取りくずしサービスなら、毎月の取りくずし率を、0.1%以上0.1%単位で設定できます。

ここで設定した取りくずし率の分だけ、毎月自動で投資信託を売却してくれます。

全世界株式(年4.5%のリターン)の投資信託を取りくずす場合、月0.4%(年4.8%)、または月0.3%(年3.6%)に設定すると良いでしょう。

また、取りくずしたお金は、毎月指定した日(1~28日から好きな日を指定できます)に、楽天銀行の口座に振り込んでもらえます。

なお、設定した日に間に合うように、投資信託を売却してくれため、お金が必要な日よりまえに振込日を指定する必要はありません。

そのため、楽天証券を使えば、手間をかけずに、遊んでいるお金の年4.5%が、楽天銀行の口座に毎月振り込まれます。


ほったらかしで定期収入をもらうには、2つのステップだけ

1.楽天証券の口座を開設したら、全世界株式に投資する投資信託(オール・カントリーがおすすめ)を買って、その投資信託を、月0.4%(または0.3%)取り崩す設定をします。

2.楽天証券の口座と、楽天銀行の口座とを連携させる「マネーブリッジ連携」という設定をします。

この2つを最初にいちど設定するだけでおわりです。

・公式ページ




まとめ

楽天証券の投資信託自動取り崩しサービスを使うことで、遊んでいるお金から収益が上がります。

また、はじめるのもかんたんで、全世界株式の投資信託を買って、月に取りくずすパーセント(0.4%か0.3%)を決めるだけです。

楽天証券の投資信託自動取り崩しサービスがなければ、毎月手間のかかる取り崩しを自分でしなければなりません。

また、銀行預金ではお金はほとんど増えませんので、楽天証券での投資信託自動取り崩しサービスをおすすめします。

・公式ページ








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