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投資をはじめる前には、今考えているプランで目標が達成できるか計算してみましょう。あらかじめ計算しておくことで、今の投資プランで問題ないか確認できます。
ただ、投資の計算を電卓でするのはとても大変です。エクセルを使えば簡単にできますので、エクセルで計算しましょう。
では、エクセルで投資の計算をおこなうには、具体的にどうすればいいのでしょうか?
以下の方法で、「どう投資すれば目標額を達成できるか計算できるエクセルファイル」を作りましょう。一度作っておけば、少しの操作で計算できるようになります。
- 完成図(こんなファイルを作ります)
- エクセルファイルをダウンロード
- 1.自分で入力する欄を作成
- (改訂)2.自動で計算される欄を作成
- 実際の使い方例
- (応用)途中で投資条件が変わる場合でも、1回ですべての期間の計算をする方法
- 実際の使い方例
- 計算結果を保存する方法
- エクセルファイルをダウンロード
完成図(こんなファイルを作ります)
エクセルファイルをダウンロード
エクセルファイルを1から作るのは大変なので、完成したエクセルファイルをダウンロードできるようにしておきます。ダウンロードしたエクセルファイルを見ながら作成方法を確認すると、よりわかりやすいと思います。
>> tsumitate_simulation_02_02.xlsx
1.自分で入力する欄を作成
まず、自分で入力する欄を作成します。
赤枠は、「リターン」・「積立年数」・「積立月額」・「初期投資」を入力する欄です。この欄はあとで入力しますので、空欄にしておきます。なお、赤枠に入っていない「C4」・「D4」は、次の手順で解説します。
緑枠は、「自分の年齢」を入力する欄です。解説では、30と入力しておきます。計算する際は、ご自身の年齢を入力してください。
(改訂)2.自動で計算される欄を作成
次に、自動で計算される欄を作成します。
ア.FV関数
「積立結果」の右の黄色枠には、FV関数を入力します。
FV関数とは、「期待リターン」・「投資年数」・「投資年額」・「初期投資」を入力することで、積立結果が計算できる関数です。なお、「投資年額」・「積立額」は、マイナスに変換してから計算しなければなりません。
B6のセルには、「=FV(B1,B2,-B3*12,-B4)」と入力しています。入力内容は、=FV(期待リターン,投資年数,-投資月額×12,-初期投資)です。3つ目の「投資月額×12」に注意してください。FV関数の3つ目には、「投資年額」を入れる必要がありますが、「投資月額」の方がわかりやすいため、「投資月額」を12倍して「投資年額」に変換しています。また、「投資年額」は「-B3*12」、「積立額」は「-B4」というように、マイナスをつけています。
C6のセルには、「=FV(C1,C2,-C3*12,-C4)」、D6のセルには、「=FV(D1,D2,-D3*12,-D4)」と入力します。
イ.2列目以降の初期投資
2列目以降の「初期投資」は、左の列の「積立結果」を転記されるようにします。
C4には「=B6」、D4には「=C6」と入力します。
ウ.積立年数合計
赤枠は、全ての投資年数を合計する欄です。
E4には、「=SUM(B2:D2)」と入力します。
エ.運用終了後の年齢
緑枠は、運用終了後にご自分が何歳になっているかを計算する欄です。「自分の年齢」と、「積立年数合計」とを合計しています。
E6には、「=E2+E4」と入力します。
実際の使い方例
20年で3,000万貯めるには月々いくら投資する必要があるか
ここからは、実際の使い方の例をあげて解説します。まずは、基本的な使い方として、リターン4%で運用をおこない、20年で3,000万貯めるには月々いくら投資する必要があるか、シミュレーションしてみましょう。なお、初期投資額は、300万円とします。
ア.まず、条件を設定します。
リターン:4%、投資年数:20、投資月額:0、初期投資:300と入力します。
イ.次に、ゴールシークを起動します。
上の「データ」タブをクリック、「What-If 分析」をクリック、「ゴールシーク(G)」をクリックで、ゴールシークが起動します。
ウ.そして、ゴールシークの入力欄に、計算条件を入力します。
「数式入力セル(E)」に、資産額のセル:B6を選択、「目標値(V)」に、3000を入力、「変化させるセル(C)」に、投資月額のセル:B3を選択します。
エ.すると、計算結果は6.55589と表示されます。
この条件の場合、だいたい月6万5千円投資すれば、20年で3,000万円貯められることがわかりました。
「1,000万まで月10万円投資し、貯まったら投資月額を0円にする」と、3,000万円貯めるまで何年かかるか
次に、「1,000万まで頑張って月10万円投資し、貯まったら投資月額を0円にする」と、3,000万円貯めるまで何年かかるか、シミュレーションしてみましょう。
ア.まず、条件を設定します。
(1)B列に、リターン:4%、投資年数:0、投資月額:10、初期投資:300と入力します。(2)C列に、リターン:4%、投資年数:0、投資月額:0と入力します。
※C列の「初期投資」は、B6が転記されるようになっているので、何も入力しません。
イ.次に、列ごとに、何年かかるかゴールシークで計算します。
a.最初に、B列の「1,000万円まで頑張って月10万円投資する」場合に、1,000万円到達まで何年かかるかを計算します。
i.まず、ゴールシークを起動します。
上の「データ」タブをクリック、「What-If 分析」をクリック、「ゴールシーク(G)」をクリックで、ゴールシークが起動します。
ii.次に、ゴールシークの入力欄に、計算条件を入力します。
「数式入力セル(E)」に、積立結果のセル:B6を選択、「目標値(V)」に、1000を入力、「変化させるセル(C)」に、投資年数のセル:B2を選択します。
iii.すると、計算結果は4.904855と表示されます。
この条件の場合、約5年で、1,000万円貯められることがわかりました。
b.次に、C列の「1,000万円貯まったら投資月額を0円にする」と、3,000万円到達まで何年かかるかを計算します。
i.まず、ゴールシークを起動します。
上の「データ」タブをクリック、「What-If 分析」をクリック、「ゴールシーク(G)」をクリックで、ゴールシークが起動します。
ii.次に、ゴールシークの入力欄に、計算条件を入力します。
「数式入力セル(E)」に、積立結果のセル:C6を選択、「目標値(V)」に、3000を入力、「変化させるセル(C)」に、投資年数のセル:C2を選択します。
iii.すると、計算結果は28.01102と表示されます。
1,000万円到達後、約28年で、3,000万円貯められることがわかりました。
ウ.目標達成までの年数は、右の「積立年数合計のセル:E4」に表示されます。
計算の結果、約33年かかることがわかりました。
このように、エクセルのFV関数と、ゴールシークを使うことで、さまざまな投信積立シミュレーションが簡単にできます。
(応用)途中で投資条件が変わる場合でも、1回ですべての期間の計算をする方法
ゴールシークを使う方法(=先ほどの使い方例で使った方法)では、投資期間ごとに計算をおこなう必要がありました。たとえば、年齢にあわせて投資額を複数段階でへらしたい場合や、途中でリスクをさげたい場合は投資条件をかえるごとに計算しなければなりません。
ゴールシークではなくソルバーを使えば、とちゅうで投資条件をかえる場合でも、1回ですべての期間の計算ができます。
以下で、ソルバーを使う手順を解説します。
ア.ソルバーを有効化
ソルバーはデフォルトで有効になっていないため、まず有効にします。
※ソルバーが有効になっている場合は、この手順をスキップ。
a.上の「ファイル」タブをクリック
b.左のメニューから「オプション」をクリック
c.左のメニューの「アドイン」をクリック
d.右下の「管理(A):」で「Excelアドイン」を選択し、「設定(G)」をクリック
e.左のメニューの「ソルバー アドイン」にチェックを入れ、「OK」をクリック
a.ソルバーの起動
「データ」タブをクリックし、「ソルバー」をクリックします。
b.目標額の設定
i.目的セルの設定:(T)
「目的セルの設定:(T)」の右の入力欄をクリックし、「D6」をクリックします。
ii.目標値:の指定
「目標値:」は、「指定値:(V)」を選んで、目標額を入力します。ここでは、目標額を「4000」と設定しています。
c.変数セルの変更:(B)
ソルバーを使う方法では、投資期間を2つもしくは、3つに分けることができます。2つにわけたい場合は、下のⅰ.の方法を参考にしてください。また、3つにわけたい場合は、ⅱ.の方法を参考にしてください。
ここでは、3つにわけるように設定します。
まず、「変数セルの変更:(B)」の下の入力欄をクリックしてから・・・
i.投資期間を2つにわける場合はB2をクリックし、シフトを押しながらC3をクリックします。
ii.投資期間を3つにわける場合はB2をクリックし、シフトを押しながらD3をクリックします。
d.制約条件の対象:(U)
この設定をすることで、各セルの「計算結果の数値」に条件をつけることができます(このセルは0以上に限定する、このセルは、0以下に限定するなど)。
i.「制約条件の対象:(U)」の右の「追加(A)」をクリック
ii.投資年数の設定
B2・C2・D2を、0以上に限定します。0以上に限定するのは、「投資年数」が0未満であることはありえないからです。
設定の方法
・B2をクリックし、シフトを押しながらD2をクリックします。
・真ん中の記号は「>=」(以上という意味の記号です)にし、制約条件(N)は、「0」にします。
・ひきつづき設定をするため、下の真ん中の「追加(A)」をクリック。
iii.投資月額を設定
まず、B3・C3・D3を、0以上に限定します。
設定の方法
・B3にカーソルをあわせ、シフトを押しながらD3をクリックします。
・真ん中の記号は、「>=」(以上という意味の記号です)にし、制約条件(N)は、「0」にします。
・ひきつづき設定をするため、下の真ん中の「追加(A)」をクリックします。
次に、B3・C3・D3を、自分が支払える限界の月額に限定します。
ここでは、月10万円を積立てるのが限界として、「10」と設定しています。
設定の方法
・B3にカーソルをあわせ、シフトを押しながらD3をクリックします。
・真ん中の記号は「<=」(以下という意味の記号です)にし、制約条件(N)は、「10」にします。
これで、「10万円以下」に積立額を限定できます。
・ひきつづき設定をするため、下の真ん中の「追加(A)」をクリックします。
iv.運用終了後の年齢を設定
E6を、このときまでに資産形成を終えたい、と考えるゴールの年齢に設定します。
ここでは、50歳までに資産形成を終えたいとして、「50」と設定しています。
設定の方法
・E6をクリックします。
・真ん中の記号は、「=」にし、制約条件(N)は、「50」にします。
・すべての設定がおわったため、下の左の「OK」をクリックします。
実際の使い方例
30歳から50歳で、初期投資:300万円から4000万円を作るには毎月いくらずつつみたてればいいか
ここでは、実際にソルバーを使ったシミュレーションを紹介します。
まず、30歳から50歳まで積み立て、初期投資:300万円から4000万円を作るには毎月いくらずつつみたてればいいのか計算します。ただし、積立額は1/3の期間ごと(=6年8ヶ月ごと)にすくなくすることを条件とします。
条件:リターン7%、初期投資:300万円、運用終了後の年齢:50歳(=運用期間は20年)
ア.条件を入力します。
(リターンの入力)B1・C1・D1のセルに、「7%」と入力、(初期投資額の入力)B4に「300」と入力します。
イ.ソルバーを起動します。
「データ」クリックし、リボンの一番右にある「ソルバー」をクリックする。
ウ.先ほどの「ソルバーの設定方法」の項目で、必要な設定はすでにしてあるので、下にある「解決(S)」をクリックします。
エ.計算の結果、20年で4,000万円積み立てられることが分かりました。
必要な積立額は、赤枠:最初の1/3の期間(=6.66年=6年8ヶ月)は75,100円、青枠:次の1/3の期間は47,800円、緑枠:最後の1/3の期間は30,500円でした。
なお、計算の結果がのこったままだと次に使うときに正確に計算できないため、「キャンセル」を押してもとに戻しておきましょう。
30歳から40歳で、初期投資:300万円から4000万円を作るには毎月いくらずつつみたてればいいか(達成不可能)
次は、30歳から40歳まで積み立て、初期投資:300万円から4000万円を作るには毎月いくらずつつみたてればいいのか計算します。ただし、積立額は1/3の期間ごと(=3年4ヶ月ごと)にすくなくすることを条件とします。
条件:リターン7%、初期投資:300万円、運用終了後の年齢:40歳(=運用期間は10年)
ア.条件を入力します。
(リターンの入力)B1・C1・D1のセルに、「7%」と入力、(初期投資額の入力)B4に「300」と入力します。
イ.ソルバーを起動します。
ウ.「運用終了後の年齢」の設定を変更します。
a.「制約条件の対象:(U)」の中の「$E$6=50」をクリックして、右の「変更(C)」をクリックします。
b.「制約条件:(N)」を50→40に変更し、下の「OK」をクリックします。
エ.下にある「解決(S)」をクリックします。
オ.計算の結果、全ての期間で上限の10万円を積み立てても、目標を達成できないことが分かりました。
なお、計算の結果がのこったままだと次に使うときに正確に計算できないため、「キャンセル」を押してもとに戻しておきましょう。
30歳から50歳で、初期投資:300万円から4000万円にするには毎月いくらずつつみたてればいいか。ただし、運用途中でリスクを半分にさげる
最後は、30歳から50歳まで積み立て、初期投資:300万円から4000万円を作る場合に、途中でリスクを半分にさげる(リターンも半分になるとします)と、毎月いくらずつつみたてる必要があるかをシミュレーションしてみましょう。
条件:リターン:最初の1/3の期間は7%、のこりの期間は3.5%、初期投資:300万円、運用終了後の年齢:50歳(=運用期間は20年)
ア.条件を入力します。
(リターンの入力)B1のセルに「7%」、C1・D1のセルに、「3.5%」と入力、(初期投資額の入力)B4に「300」と入力します。
イ.ソルバーを起動します。
ウ.下にある「解決(S)」をクリックします。
エ.計算の結果、20年で4,000万円積み立てられることが分かりました。
必要な積立額は、赤枠:最初の11.2年の間は99,900円、青枠:次の4.4年の間は45,700円、緑枠:最後の4.4年の間は37,500円でした。ちなみに、計算結果からわかるように、この条件では、ちょうど1/3ずつの期間で投資額を減らすことはできないようです(最初の期間が11.2年もあります)。
なお、計算の結果がのこったままだと次に使うときに正確に計算できないため、「キャンセル」を押してもとに戻しておきましょう。
計算結果を保存する方法
「実際の使い方例」でいろいろな使い方例を紹介しましたが、そのたびに計算終了後は、「キャンセル」をクリックして計算前の状態までもどしていました。
ただ、計算結果をのこしておきたい場合もあるでしょう。計算結果をのこしたい場合は、計算終了後に「OK」をクリックして数値を確定させたあと、コピーして下の空いたスペースに貼り付けましょう。
具体的な手順は以下です。
ア.計算終了後に、「OK」をクリックして数値を確定します。
イ.「1行」をクリックし、シフトを押しながら「6行」をクリックします。
ウ.右クリックして「コピー」を選びます。
エ.そして、はりつけたいセルを右クリックし、「貼り付けのオプション:」の下にある、一番左のアイコンをクリックします。
ここでは「A8」を右クリックしています。
すると、こんな感じで計算結果をのこしておくことができます。
エクセルファイルをダウンロード
最初に設置しているファイルと同じものです。
>> tsumitate_simulation_02_02.xlsx