「SBI証券の―投信保有ポイントの還元率を1.2倍にする方法」で、SBI証券の投信保有ポイントサービスを使うと、投資信託資産残高の―最大0.24%(年率)もの還元が受けられると解説しました。記事で解説した、0.24%(年率)の還元を受ける条件は、"SBIカードを保有すること"・"SBI証券で1,000万円以上の投資信託を保有すること" ・"10,000P貯めてから交換すること" ―でした*。
* 現金の振り込みを受けるために、住信SBIネット銀行の口座も必要です。
2018/1/31に、SBIカードがサービスを終了したため、現在の投信保有ポイントの還元率は、最大で0.2%になっています。
投信保有ポイントサービスをSBI証券が提供できるのは、投資信託を販売した会社(=SBI証券)も、信託報酬を受け取れるからです(その利益から還元をおこなうことができます)。代表的なインデックスファンドを販売したときの―SBI証券の信託報酬取り分を見てみましょう。まず、日本株式インデックスe・日本債券インデックスeを販売した場合、信託報酬0.37%(税抜)の内、0.19%がSBI証券の取り分です。次に、外国株式インデックスe・外国債券インデックスeを販売した場合、信託報酬0.50%(税抜)の内、0.27%がSBI証券の取り分です。
ただ、SBI証券の投信保有ポイントサービスは、長くサービスが継続されない可能性がある点に注意が必要です。では、なぜ、SBI証券の投信保有ポイントサービスの継続性に、疑問があると言えるのでしょうか?
なぜなら、SBI証券の投信保有ポイントサービスは、SBI証券の利益を大幅に削るサービスだからです。具体的には、(1)お客に信託報酬の安い投資信託を保有された場合、SBI証券の投信保有ポイントサービスは、SBI証券の利益を大幅に削ります(赤字になる場合もあります)が、(2)今後、さらに信託報酬の安いインデックスファンドが、登場する可能性は高い―からです。
現在、インデックスファンドの低コスト競争により、非常に低コスト(年率:0.15%~0.225%)のインデックスファンドが販売されています。それらの低コストインデックスファンドシリーズ(=たわらノーロードシリーズ・ニッセイシリーズなど)は、SBI証券の投信保有ポイントの還元率が、0.05%になっています。
図:お客に信託報酬が安い投資信託を保有された場合の―SBI証券の利益減少
代表的なインデックスファンド | 信託報酬(税抜) | (内:SBI証券取り分) | SBIポイント還元率** | SBI証券の利益 | (利益の変化) |
日本株式インデックスe | 0.37% | 0.19% | 0.24% | -0.05%(=0.19%-0.24%) | 赤字 |
日本債券インデックスe | 0.37% | 0.19% | -0.05%(=0.19%-0.24%) | 赤字 | |
外国株式インデックスe | 0.50% | 0.27% | 0.03%(=0.27%-0.24%) | 89%減少 | |
外国債券インデックスe | 0.50% | 0.27% | 0.03%(=0.27%-0.24%) | 89%減少 |