「リスク許容度に合わせた―投資方法」で、リスク許容度に合わせて組んだポートフォリオの―最大損失率を挙げました。例に挙げたポートフォリオの―最大損失率は、以下でした。まず、"国内株式:50%、外国株式:50%、国内債券:0%のポートフォリオ"の最大損失率は、-28.9%でした。次に、"国内株式:35%、外国株式:35%、国内債券:30%のポートフォリオ"の最大損失率は、-19.95%でした。そして、"国内株式:15%、外国株式:15%、国内債券:70%のポートフォリオ"の最大損失率は、-9.91%でした。
ただ、自分でポートフォリオを組んで、最大損失率を計算したい方もおられると思います。自分でポートフォリオを組みたい方の例としては、リスク許容度が紹介したもの(=30%・20%・10%)以外の方や、自分で計算しないと納得できない方など―が考えられます。では、どうやってポートフォリオを作成したらいいのでしょうか?
今回は、国内債券を組み入れる比率でリスクを調整する―という方法を紹介したいと思います。具体的なポートフォリオ作成手順は、以下です。
※ この方法は、外国債券を組み入れませんので、ポートフォリオに外国債券も組み入れたい方は採用しないでください。
1. | 資産割合を入力することでリターン・リスクが計算できる便利なツール―長期投資予想/アセットアロケーション分析(外部サイト)にアクセスします。 | |
2. | ツールの―日本債券の行の―"期待リターン"を1.0%→3.0%に変更します*。 | |
3. | 配分比率を入力し、最大損失率を計算します。 | |
3-1. | 日本債券の行の―"配分比率"に、希望の割合を入力します。 | |
3-2. | 「100%から日本債券の割合を引いた残り」を、日本株式・先進国株式の行の―"配分比率"に、二等分して入力します(例:日本債券に60%と入力した場合、日本株式:20%、先進国株式:20%と入力します)。 | |
3-3. | "( 信託報酬など"と書かれた行の―入力欄に、信託報酬を入力します(分からない場合は0.5%と入力します)**。 | |
3-4. | 入力欄の下の―"2. あなたの運用資産の期待リターンとリスク"にリターン・リスクが表示されます。 | |
3-5. | 計算結果のリターンから、リスクの2倍を引いた%が最大損失率です。 | |
4. | 3.を繰り返し、自分のリスク許容度より少ない最大損失率の中で、ポートフォリオを決定します。 |
** ポートフォリオ全体の信託報酬を厳密に計算したい方は、"各資産に投資する投資信託銘柄の信託報酬×資産組み入れ率"の計算を組み入れ資産全てでおこない、最後に合計してください。
*** 年金積立金管理運用独立行政法人は、年金を運用する公的機関で、国内株式・国内債券・外国株式・外国債券のリターン・リスク・相関係数などのデータを公開しています。
※ 当サイトでもリターン・リスクを自動で計算できるエクセルファイルの作り方を解説しておりますので、エクセルファイルをご自分で作成して計算することもできます。
図:ポートフォリオ全体の信託報酬の計算例(国内株式:15%、外国株式:15%、国内債券:70%の場合)
資産分類 | 銘柄名 | 信託報酬(税抜) |
国内株式 | ニッセイTOPIXインデックスファンド | 0.18% |
外国株式 | ニッセイ外国株式インデックスファンド | 0.20% |
国内債券 | ニッセイ国内債券インデックスファンド | 0.145% |
参考:保有資産の値動きの9割を決める 資産配分の「肝」は意外にも日本債券だった
楽天証券には、投資信託を毎月自動で取り崩してくれるサービスがあります。
このサービスをつかうと、ほったらかしで、遊んでいるお金の年4.8%(または年3.6%)が、楽天銀行の口座に毎月振り込まれます。
楽天証券は、楽天市場・楽天モバイル・楽天銀行で知られる、楽天グループに属する証券会社です。
楽天証券の総合口座数は864万口座、預り資産は、18.1兆円を超えています(2022年12月末時点)。
また、楽天証券で投資信託を保有、または、積み立ての設定をしている人は、274万人を超えています。
実際に、楽天証券の「投資信託の自動取り崩しサービス」をつかった履歴をごらんください。
下のように、振込日(1~28日の中で好きな日を指定できます)の10日に間に合うように、投資信託を自動で売ってくれます。

また、取り崩したお金は、下のように自動で楽天銀行の口座に振り込んでくれています。
なお、取り崩しの際にかかる譲渡益税(利益の約20%)が源泉徴収されています。
※ちなみに、自動で振り込んでもらうには、楽天証券の口座と、楽天銀行の口座と連携させる「マネーブリッジ連携」というかんたんな設定が必要です。

全世界株式に投資すると、年7%のリターンが期待できます。
>> 全世界株式のリターンが7%といえる詳しい理由は、この記事で解説しています。
>> 過去34年のデータから計算した、全世界株式のリターン7%の理由はこちら
全世界株式に投資する方法はいくつかありますが、投資信託を使うのが簡単です。
全世界株式に投資する投資信託のなかでは、手数料が安い「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(以下オール・カントリー)」がおすすめです。
オール・カントリーの手数料は年0.2%程度で、全世界株式に投資する投資信託のなかで、最安クラスです。
なお、全世界株式のリターンは年7%といいましたが、取り崩しは、年7%ではなく「年4.5%」にするのがベストです。
なぜなら、全世界株式のリターン:7%のうち、2.3%はインフレで増えた分だからです。
インフレで増えた2.3%分は、取り崩さずにそのまま運用をつづけて、その運用益で将来のインフレにそなえます。
また、先ほど解説したように、オール・カントリーには、年0.2%程度の手数料がかかるため、その分も取り崩さないでおきます。
したがって、全世界株式のリターン:7%から、インフレ分:2.3%と、オール・カントリーの手数料:0.2%を引いた年4.5%を取り崩すのがベストです。
実は、投資信託を毎月手動で取りくずす場合、かなり手間がかかります。
取りくずしの手間を、全世界株式の投資信託を取りくずす場合を例に解説すると、
1.まず、今月の取りくずし額を計算します。
全世界株式の場合、年4.5%が期待リターンですので、毎月「4.5%の12分の1」まで取りくずしても大丈夫です。
つまり、4.5%÷12ヶ月で、0.375%ですね。
たとえば、現在の資産額が120万円の場合、4,500円(=120万円×0.375%)と計算できます。
2.つぎに、1.で計算した額を売る、売却注文をだします。
証券会社のホームページにログインして、先ほど計算した額だけ、全世界株式の投資信託の売却注文をだします。
3.そして、売却注文が成立した翌日か、翌々日までまって、出金指示をだします。
実は、投資信託は、売却注文が成立しても、その日に出金指示をだせません。
出金指示ができるようになるのは翌日か、翌々日になってからです。
このように1日で注文・出金指示の、両方をすませることができません。
そのため、売却注文をだす日と、出金指示をだす日と、2日にわたってホームページで操作する必要があるのです。
自動取りくずしサービスがないと、毎月、この取りくずし作業をやらなければなりません。
楽天証券の自動取りくずしサービスなら、毎月の取りくずし率を、0.1%以上0.1%単位で設定できます。
ここで設定した取りくずし率の分だけ、毎月自動で投資信託を売却してくれます。
全世界株式(年4.5%のリターン)の投資信託を取りくずす場合、月0.4%(年4.8%)、または月0.3%(年3.6%)に設定すると良いでしょう。
また、取りくずしたお金は、毎月指定した日(1~28日から好きな日を指定できます)に、楽天銀行の口座に振り込んでもらえます。
なお、設定した日に間に合うように、投資信託を売却してくれため、お金が必要な日よりまえに振込日を指定する必要はありません。
そのため、楽天証券を使えば、手間をかけずに、遊んでいるお金の年4.5%が、楽天銀行の口座に毎月振り込まれます。
1.楽天証券の口座を開設したら、全世界株式に投資する投資信託(オール・カントリーがおすすめ)を買って、その投資信託を、月0.4%(または0.3%)取り崩す設定をします。
2.楽天証券の口座と、楽天銀行の口座とを連携させる「マネーブリッジ連携」という設定をします。
この2つを最初にいちど設定するだけでおわりです。
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楽天証券の投資信託自動取り崩しサービスを使うことで、遊んでいるお金から収益が上がります。
また、はじめるのもかんたんで、全世界株式の投資信託を買って、月に取りくずすパーセント(0.4%か0.3%)を決めるだけです。
楽天証券の投資信託自動取り崩しサービスがなければ、毎月手間のかかる取り崩しを自分でしなければなりません。
また、銀行預金ではお金はほとんど増えませんので、楽天証券での投資信託自動取り崩しサービスをおすすめします。
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