「なぜ、証券会社は現金を自動的にMRFに換えるのか?」で、証券会社が預り金をMRFに換えるのは、銀行預金と同レベルの条件で資金を預かるため―だと解説しました。記事では、MRFが銀行預金と同レベルの預かり条件だと言える理由を、(1)預け先倒産時の資金保証があり、(2)普通預金より少し高い利息(正確には分配金)がもらえる―からだと解説しました。
ただ、上記記事でも書きましたが、MRFは投資信託であるため、元本保証がない―という弱点があります。
しかし、元本割れの可能性が高いかどうかは、何に投資するかによって大きく変わります。投資対象による元本割れの可能性の高低は、以下です。まず、株式に投資する投資信託は、元本割れの可能性が高いです(代わりに、大きく利益が出る可能性も高いです)。また、債券に投資する投資信託は、元本割れの可能性が低いです(代わりに、大きく利益が出る可能性も低いです)。では、MRFが元本割れする可能性は、高いのでしょうか?
MRFが元本割れする可能性は、限りなく低いです。その理由は、MRFは、元本割れの可能性が極めて低い運用をしているからです。具体的には、(1)MRFは、"安全性が高い"・"満期まで残っている期間が短い*"―という条件を満たした債券のみに投資していて、(2)1.を複数組み合わせて分散投資している―からです。
図:MRFが元本割れしにくい仕組み
・ダイワMRF(フィデリティ証券で取り扱い)
・日興MRF(マネックス証券で取り扱い)