前回、複利運用では、投資収益は累積で計算されるため、少しのコスト差が運用結果に大きく影響すると解説しました。また、長期投資をするなら、追加で投資することもあると思いますので、その計算が必要だと話しました。
今までは、最初に投資した額だけを考えれば良かったのですが、追加投資を考えると、少し複雑になります。
以下で、実際に計算方法を見てみましょう。なお、計算条件は、初期投資額:100万円、リターン:5%、追加投資額:年60万円(=月5万円×12ヶ月)です。
1年運用後の収益は、100万円×1.05+60万円で計算します。最後の60万円は追加投資分です。上記の計算により、1年運用後の収益が165万円であることがわかりました。
2年目以降は、以下のようになります。
165×1.05+60=233.25(2年運用後の収益)
233.25×1.05+60=304.9125(3年運用後の収益)
304.9125×1.05+60=380.158125(4年運用後の収益)
380.158125×1.05+60=459.1660313(5年運用後の収益)
...
いかがでしょうか? これを電卓で計算をする場合、10年くらいまでの計算ならなんとか我慢できますが、30年の運用結果を計算するとなるといやになりますよね。
この"追加投資ありの複利運用の運用結果"計算は、エクセルを使った方がいいと思います。以下で、計算するためのエクセルの作り方を解説します。
運用年数の表示欄を作る
1.運用年数がわかりやすいように、"1年後"、"2年後"、"3年後"...と入力する。
自分で入力する欄を作る
2."初期投資額"の入力欄を作る。
3."追加投資額"の入力欄を作る。
自動で計算される欄を作る
4.B2に、=A2*1.05+$A$4 と入力する。
5.B2を横の欄にコピーする。
※ $A$4のドルマーク($)は、セルをコピーしたときに指定場所が変わらないようにするための記号です。
うまく作れましたか? 上記の表を作っておけば、30年後の運用結果の計算も楽にできるようになります。例では表が横に長くなるようになっていますが、好みに応じて表を作り替えてみてくださいね。
さて、投資信託で複利運用をする具体的なイメージがわいてきましたか? さっそく近所の銀行でインデックスファンドを買おうと思っていませんか?
投資信託の購入は、銀行ではなく、ネット証券でおこなう方がいいと思いますよ。
次回は、"複利運用のための証券会社選び"について書きたいと思います。
楽天証券には、投資信託を毎月自動で取り崩してくれるサービスがあります。
このサービスをつかうと、ほったらかしで、遊んでいるお金の年4.8%(または年3.6%)が、楽天銀行の口座に毎月振り込まれます。
楽天証券は、楽天市場・楽天モバイル・楽天銀行で知られる、楽天グループに属する証券会社です。
楽天証券の総合口座数は864万口座、預り資産は、18.1兆円を超えています(2022年12月末時点)。
また、楽天証券で投資信託を保有、または、積み立ての設定をしている人は、274万人を超えています。
実際に、楽天証券の「投資信託の自動取り崩しサービス」をつかった履歴をごらんください。
下のように、振込日(1~28日の中で好きな日を指定できます)の10日に間に合うように、投資信託を自動で売ってくれます。

また、取り崩したお金は、下のように自動で楽天銀行の口座に振り込んでくれています。
なお、取り崩しの際にかかる譲渡益税(利益の約20%)が源泉徴収されています。
※ちなみに、自動で振り込んでもらうには、楽天証券の口座と、楽天銀行の口座と連携させる「マネーブリッジ連携」というかんたんな設定が必要です。

全世界株式に投資すると、年7%のリターンが期待できます。
>> 全世界株式のリターンが7%といえる詳しい理由は、この記事で解説しています。
>> 過去34年のデータから計算した、全世界株式のリターン7%の理由はこちら
全世界株式に投資する方法はいくつかありますが、投資信託を使うのが簡単です。
全世界株式に投資する投資信託のなかでは、手数料が安い「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(以下オール・カントリー)」がおすすめです。
オール・カントリーの手数料は年0.2%程度で、全世界株式に投資する投資信託のなかで、最安クラスです。
なお、全世界株式のリターンは年7%といいましたが、取り崩しは、年7%ではなく「年4.5%」にするのがベストです。
なぜなら、全世界株式のリターン:7%のうち、2.3%はインフレで増えた分だからです。
インフレで増えた2.3%分は、取り崩さずにそのまま運用をつづけて、その運用益で将来のインフレにそなえます。
また、先ほど解説したように、オール・カントリーには、年0.2%程度の手数料がかかるため、その分も取り崩さないでおきます。
したがって、全世界株式のリターン:7%から、インフレ分:2.3%と、オール・カントリーの手数料:0.2%を引いた年4.5%を取り崩すのがベストです。
実は、投資信託を毎月手動で取りくずす場合、かなり手間がかかります。
取りくずしの手間を、全世界株式の投資信託を取りくずす場合を例に解説すると、
1.まず、今月の取りくずし額を計算します。
全世界株式の場合、年4.5%が期待リターンですので、毎月「4.5%の12分の1」まで取りくずしても大丈夫です。
つまり、4.5%÷12ヶ月で、0.375%ですね。
たとえば、現在の資産額が120万円の場合、4,500円(=120万円×0.375%)と計算できます。
2.つぎに、1.で計算した額を売る、売却注文をだします。
証券会社のホームページにログインして、先ほど計算した額だけ、全世界株式の投資信託の売却注文をだします。
3.そして、売却注文が成立した翌日か、翌々日までまって、出金指示をだします。
実は、投資信託は、売却注文が成立しても、その日に出金指示をだせません。
出金指示ができるようになるのは翌日か、翌々日になってからです。
このように1日で注文・出金指示の、両方をすませることができません。
そのため、売却注文をだす日と、出金指示をだす日と、2日にわたってホームページで操作する必要があるのです。
自動取りくずしサービスがないと、毎月、この取りくずし作業をやらなければなりません。
楽天証券の自動取りくずしサービスなら、毎月の取りくずし率を、0.1%以上0.1%単位で設定できます。
ここで設定した取りくずし率の分だけ、毎月自動で投資信託を売却してくれます。
全世界株式(年4.5%のリターン)の投資信託を取りくずす場合、月0.4%(年4.8%)、または月0.3%(年3.6%)に設定すると良いでしょう。
また、取りくずしたお金は、毎月指定した日(1~28日から好きな日を指定できます)に、楽天銀行の口座に振り込んでもらえます。
なお、設定した日に間に合うように、投資信託を売却してくれため、お金が必要な日よりまえに振込日を指定する必要はありません。
そのため、楽天証券を使えば、手間をかけずに、遊んでいるお金の年4.5%が、楽天銀行の口座に毎月振り込まれます。
1.楽天証券の口座を開設したら、全世界株式に投資する投資信託(オール・カントリーがおすすめ)を買って、その投資信託を、月0.4%(または0.3%)取り崩す設定をします。
2.楽天証券の口座と、楽天銀行の口座とを連携させる「マネーブリッジ連携」という設定をします。
この2つを最初にいちど設定するだけでおわりです。
・公式ページ
楽天証券の投資信託自動取り崩しサービスを使うことで、遊んでいるお金から収益が上がります。
また、はじめるのもかんたんで、全世界株式の投資信託を買って、月に取りくずすパーセント(0.4%か0.3%)を決めるだけです。
楽天証券の投資信託自動取り崩しサービスがなければ、毎月手間のかかる取り崩しを自分でしなければなりません。
また、銀行預金ではお金はほとんど増えませんので、楽天証券での投資信託自動取り崩しサービスをおすすめします。
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