前回、複利運用は利息が利息を生む状態になるため、長期投資に向いていると解説しました。また、複利投資をするためには、再投資型であればどんなファンドに投資してもいいわけではないと書きました。
それは、複利投資は、累積で計算されるため、少しの違いが大きく増幅されるからです。そのため、リターンが少し低かったり、コストが少し高かったりするだけで運用結果に大きく影響します。
以下で、少しの違いによる―複利運用への運用益への影響について計算してみます。前回は、運用にかかるコストは考慮しませんでしたが、今回は、それぞれ異なる率のコストがかかる―としてみましょう。
まず、Aファンドは、運用に0.5%のコストがかかるとしましょう。そのため、リターンは、4.5%(=5%-0.5%)に下がります。そして、Bファンドは、運用に1%のコストがかがるとしましょう。そのため、リターンは、4%(=5%-1%)に下がります。
両ファンドの"リターンの違い"はたったの0.5%です。たった0.5%ぐらいたいしたことがないんじゃないか? と思われるかもしれませんね。
では、運用にどう影響するか計算してみましょう。なお、リターン以外の条件は、前回と同じ―初期投資額:100万円、投資年数:10年とします。
Aファンドの運用結果は、約155万円。Bファンドの運用結果は、約148万円になりました。リターンが0.5%減るだけで、7万円の差が出ました。具体的な計算方法は、前回の記事をご覧くださいね。
さらに、先ほど解説したように、複利投資の運用益は累積で計算されるため、期間が長くなるほど差はさらに開いていきます。そこで、10年というのは長期投資というには少し短いので、運用期間を30年にのばして計算してみましょう。
結果は、376万円(リターン4.5%)、324万円(リターン4%)となり、52万円の差が出ました。
このように、複利運用では少しのコスト差が運用益に大きく影響するので、できるだけコストが安いファンドを選ぶことが重要になります。
また、上記のコストは信託報酬と呼ばれ、実際に投資信託にかかるコストです。インデックスファンドという信託報酬が安いファンドがありますので、投資を始めるときには、インデックスファンドを選ぶといいと思います。
さて、ここまでは、最初に投資したらそのまま運用する―という前提で話してきました。しかし、長期投資をする場合には、追加で投資することもありますよね。
次回は、"初期投資額と積立投資額とを含めて、複利運用の運用結果を計算"してみたいと思います。
楽天証券には、投資信託を毎月自動で取り崩してくれるサービスがあります。
このサービスをつかうと、ほったらかしで、遊んでいるお金の年4.8%(または年3.6%)が、楽天銀行の口座に毎月振り込まれます。
楽天証券は、楽天市場・楽天モバイル・楽天銀行で知られる、楽天グループに属する証券会社です。
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実際に、楽天証券の「投資信託の自動取り崩しサービス」をつかった履歴をごらんください。
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また、取り崩したお金は、下のように自動で楽天銀行の口座に振り込んでくれています。
なお、取り崩しの際にかかる譲渡益税(利益の約20%)が源泉徴収されています。
※ちなみに、自動で振り込んでもらうには、楽天証券の口座と、楽天銀行の口座と連携させる「マネーブリッジ連携」というかんたんな設定が必要です。

全世界株式に投資すると、年7%のリターンが期待できます。
>> 全世界株式のリターンが7%といえる詳しい理由は、この記事で解説しています。
>> 過去34年のデータから計算した、全世界株式のリターン7%の理由はこちら
全世界株式に投資する方法はいくつかありますが、投資信託を使うのが簡単です。
全世界株式に投資する投資信託のなかでは、手数料が安い「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(以下オール・カントリー)」がおすすめです。
オール・カントリーの手数料は年0.2%程度で、全世界株式に投資する投資信託のなかで、最安クラスです。
なお、全世界株式のリターンは年7%といいましたが、取り崩しは、年7%ではなく「年4.5%」にするのがベストです。
なぜなら、全世界株式のリターン:7%のうち、2.3%はインフレで増えた分だからです。
インフレで増えた2.3%分は、取り崩さずにそのまま運用をつづけて、その運用益で将来のインフレにそなえます。
また、先ほど解説したように、オール・カントリーには、年0.2%程度の手数料がかかるため、その分も取り崩さないでおきます。
したがって、全世界株式のリターン:7%から、インフレ分:2.3%と、オール・カントリーの手数料:0.2%を引いた年4.5%を取り崩すのがベストです。
実は、投資信託を毎月手動で取りくずす場合、かなり手間がかかります。
取りくずしの手間を、全世界株式の投資信託を取りくずす場合を例に解説すると、
1.まず、今月の取りくずし額を計算します。
全世界株式の場合、年4.5%が期待リターンですので、毎月「4.5%の12分の1」まで取りくずしても大丈夫です。
つまり、4.5%÷12ヶ月で、0.375%ですね。
たとえば、現在の資産額が120万円の場合、4,500円(=120万円×0.375%)と計算できます。
2.つぎに、1.で計算した額を売る、売却注文をだします。
証券会社のホームページにログインして、先ほど計算した額だけ、全世界株式の投資信託の売却注文をだします。
3.そして、売却注文が成立した翌日か、翌々日までまって、出金指示をだします。
実は、投資信託は、売却注文が成立しても、その日に出金指示をだせません。
出金指示ができるようになるのは翌日か、翌々日になってからです。
このように1日で注文・出金指示の、両方をすませることができません。
そのため、売却注文をだす日と、出金指示をだす日と、2日にわたってホームページで操作する必要があるのです。
自動取りくずしサービスがないと、毎月、この取りくずし作業をやらなければなりません。
楽天証券の自動取りくずしサービスなら、毎月の取りくずし率を、0.1%以上0.1%単位で設定できます。
ここで設定した取りくずし率の分だけ、毎月自動で投資信託を売却してくれます。
全世界株式(年4.5%のリターン)の投資信託を取りくずす場合、月0.4%(年4.8%)、または月0.3%(年3.6%)に設定すると良いでしょう。
また、取りくずしたお金は、毎月指定した日(1~28日から好きな日を指定できます)に、楽天銀行の口座に振り込んでもらえます。
なお、設定した日に間に合うように、投資信託を売却してくれため、お金が必要な日よりまえに振込日を指定する必要はありません。
そのため、楽天証券を使えば、手間をかけずに、遊んでいるお金の年4.5%が、楽天銀行の口座に毎月振り込まれます。
1.楽天証券の口座を開設したら、全世界株式に投資する投資信託(オール・カントリーがおすすめ)を買って、その投資信託を、月0.4%(または0.3%)取り崩す設定をします。
2.楽天証券の口座と、楽天銀行の口座とを連携させる「マネーブリッジ連携」という設定をします。
この2つを最初にいちど設定するだけでおわりです。
・公式ページ
楽天証券の投資信託自動取り崩しサービスを使うことで、遊んでいるお金から収益が上がります。
また、はじめるのもかんたんで、全世界株式の投資信託を買って、月に取りくずすパーセント(0.4%か0.3%)を決めるだけです。
楽天証券の投資信託自動取り崩しサービスがなければ、毎月手間のかかる取り崩しを自分でしなければなりません。
また、銀行預金ではお金はほとんど増えませんので、楽天証券での投資信託自動取り崩しサービスをおすすめします。
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