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REITのリターン

 REITに投資すれば、リターンが得られます。ただ、投資を始める前に、どんなリターンが得られるのか確認しておきたいところです。では、REITのリターンには、どんなものがあるのでしょうか?

 REITのリターンは、値上がり益と、分配金(上場REITの場合は、配当金)があります。


REITのリターン:値上がり益

 REITのリターンには、値上がり益があります。値上がり益は、REITを、"買ったときよりも価格が上がった後で売る"ことで得られます。基本的に、REITが組み込んだ不動産資産が値上がりすれば、REITの価格も上がります。

REITのリターン:値上がり益


REITのリターン:分配金(または配当金)

 REITのリターンには、分配金があります。REITの配当利回りは、株式よりも高くなっています。株式よりも配当利回りが高い理由は、REITが利益の90%以上を配当するからです。

 REITのリターンには、分配金があります。REITの配当金は、年に複数回支払われることが多いです。以下は、代表的な上場REITと、REITインデックスファンドとの"分配回数"・"分配月"です。

1.上場REITの分配月

  • NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投資信託(銘柄コード:1343)は、年4回配当されます(分配月:2月、5月、8月、11月)
  • 上場インデックスファンドJリート隔月分配型(銘柄コード:1345)は、年6回配当されます(1月、3月、5月、7月、9月、11月)

2.REITインデックスファンドの分配月

  • SMT J-REITインデックス・オープンは、年2回分配されます(5月、11月)
  • eMAXIS 国内リートインデックスは、年1回分配されます(1月)

 REITの配当利回りは、株式よりも高いです。"REITのETF"と、"株式のETF"とで配当利回りを比べてみましょう。代表的なREIT-ETF:「NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信(銘柄コード:1343)」の―直近3年(2014年~2016年)の平均配当利回りは、2.87%でした。代表的なTOIPX-ETF:「TOPIX連動型上場投資信託(銘柄コード:1306)」の―直近3年(2014年~2016年)の平均配当利回りは、1.75%でした。

図:直近3年のREIT-ETF(銘柄コード:1343)の配当利回り

分配日 分配金(100口) 終値 月利回り 年利回り
2014/2/10 1,310 1,546 0.85% 3.03%
2014/5/10 1,100 1,586 0.69%
2014/8/10 1,400 1,691 0.83%
2014/11/10 1,200 1,802 0.67%
2015/2/10 1,320 1,928 0.68% 2.74%
2015/5/11 1,250 1,971 0.63%
2015/8/10 1,330 1,857 0.72%
2015/11/10 1,280 1,808 0.71%
2016/2/10 1,500 1,852 0.81% 2.84%
2013/5/10 1,350 2,056 0.66%
2013/8/10 1,310 1,947 0.67%
2013/11/10 1,300 1,865 0.70%
※年利回り平均:2.87%

図:直近3年のTOPIX-ETF(銘柄コード:1306)の配当利回り

分配日 分配金(100口) 終値 年利回り
2014/7/10 2,060 1,278 1.61%
2015/7/10 2,300 1,612 1.43%
2016/7/8 2,730 1,227 2.22%
※年利回り平均:1.75%

 REITの配当利回りが高い理由は、REITが利益の90%以上を配当に回すからです。REITが利益の90%以上も配当に回すのは、"REITが90%以上配当すると法人税が非課税になる"―という仕組みになっているからです。一方、株式には、配当を多くしても「法人税が非課税になる」という仕組みはありませんので、利益の90%も配当することはほぼありません。

REITは利益の90%以上を配当する

 なお、REITインデックスファンドの場合は、分配金が支払われないことのほうが多いです。分配金が支払われないことが多いのは、「分配金にかかる税金の支払いを、先延ばしにする」ためです。分配金にかかる税金の先延ばしは、分配金の資金を、分配金として支払わずにファンド内に留めておいて引き続き運用する―という方法でおこなわれます。分配金が支払われませんから、投資家は、"分配金にかかる税金"を支払う必要はありません。「ファンド内に留めておいた分配金の資金」はファンドの基準価額を押し上げるため、将来REITインデックスファンドを売却する際に、"値上がり益"として受け取れます。値上がり益を受け取った際には、"値上がり益に対しての税金"を支払うことになります。上記により、本来支払うはずだった"分配金の税金"を、将来ファンドを売却するまで先延ばしにできることになります。








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