REITを、投資する資産に加えることで、分散投資効果をより高めようと思う方もおられるかもしれません。分散投資効果を高めることで、リスクをより低くすることができるからです。
ただ、REITが他の資産(=国内債券・外国株式など)と似たような値動きをするなら、分散投資効果はあまり高くなりません。なぜなら、分散投資効果を高くするには、逆の値動きをする("上がったときに下がり、下がったときに上がる"―というように)資産を組み込む必要があるからです。
どれだけ逆の値動きをするのか、というのは相関係数という数値で表されます。相関係数は、1(=全く同じ動き)から、-1(=正反対の動きをする)―の範囲で表します。たとえば、資産Aと、資産Bとの相関係数が-0.3だった場合、資産Aが1上がれば、資産Bが0.3下がることになります。つまり、高い分散効果を期待するなら、REITと他の資産との相関係数が、小さければ(マイナスになっているほど)良いことになります。では、REITと、株式・債券との分散投資効果は高いのでしょうか?
REITと、株式・債券との分散投資効果は以下です。
- 過去38年間は、"国内・外国REIT"と、"株式・債券"との―分散投資効果は高かったようです
- 過去6年間は、"国内・外国REIT"と、"株式・債券"との―分散投資効果は低かったようです
1970年~2007年の38年間は、分散効果が非常に高かったようです。分散効果が高かったと言えるのは、過去38年の―REITと、他の資産との相関係数が小さかったからです。過去38年の―REITと、他の資産との相関係数は、以下です。
- 国内REITの相関係数は、"国内株式:0.30"・"国内債券:0.09"・"外国株式:0.23"・"外国債券:0.01"でした。
- 外国REIT(以下の表では"グローバルREIT")の相関係数は、"国内株式:0.12"・"国内債券:0.06"・"外国株式:0.66"・"外国債券:0.64"でした。
図は、内藤忍 『【新版】内藤忍の資産設計塾』 自由国民社、2008年、110頁より引用。
※赤枠は管理人が追加しました。
インデックスファンドのSMTシリーズの値動きを使って相関係数を計算したところ、2009年~2014年の6年間は、分散効果は非常に低かったようです。分散効果が低いと言えるのは、過去6年の―REITと、他の資産との相関係数が大きかったからです。過去6年の―REITと、他の資産との相関係数は、以下です。
- 国内REITの相関係数は、"国内株式:0.94"・"国内債券:0.90"・"外国株式:0.97"・"外国債券:0.92"でした。
- 外国REITの相関係数は、"国内株式:0.90"・"国内債券:0.93"・"外国株式:0.97"・"外国債券:0.89"でした。
ただし、REITと、株式・債券との―組みあわせに、分散効果がなかったわけではありません。分散効果がない―というのは、相関係数が"1"のときだけだからです。たとえば、相関係数が"0.9"と高かったとしても、「他の資産が1下がったときに0.9しか下がらない」わけですから、若干ではありますが分散効果はあります。
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全世界株式に投資すると、年7%のリターンが期待できます。
>> 全世界株式のリターンが7%といえる詳しい理由は、この記事で解説しています。
>> 過去34年のデータから計算した、全世界株式のリターン7%の理由はこちら
全世界株式に投資する方法はいくつかありますが、投資信託を使うのが簡単です。
全世界株式に投資する投資信託のなかでは、手数料が安い「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(以下オール・カントリー)」がおすすめです。
オール・カントリーの手数料は年0.2%程度で、全世界株式に投資する投資信託のなかで、最安クラスです。
なお、全世界株式のリターンは年7%といいましたが、取り崩しは、年7%ではなく「年4.5%」にするのがベストです。
なぜなら、全世界株式のリターン:7%のうち、2.3%はインフレで増えた分だからです。
インフレで増えた2.3%分は、取り崩さずにそのまま運用をつづけて、その運用益で将来のインフレにそなえます。
また、先ほど解説したように、オール・カントリーには、年0.2%程度の手数料がかかるため、その分も取り崩さないでおきます。
したがって、全世界株式のリターン:7%から、インフレ分:2.3%と、オール・カントリーの手数料:0.2%を引いた年4.5%を取り崩すのがベストです。
実は、投資信託を毎月手動で取りくずす場合、かなり手間がかかります。
取りくずしの手間を、全世界株式の投資信託を取りくずす場合を例に解説すると、
1.まず、今月の取りくずし額を計算します。
全世界株式の場合、年4.5%が期待リターンですので、毎月「4.5%の12分の1」まで取りくずしても大丈夫です。
つまり、4.5%÷12ヶ月で、0.375%ですね。
たとえば、現在の資産額が120万円の場合、4,500円(=120万円×0.375%)と計算できます。
2.つぎに、1.で計算した額を売る、売却注文をだします。
証券会社のホームページにログインして、先ほど計算した額だけ、全世界株式の投資信託の売却注文をだします。
3.そして、売却注文が成立した翌日か、翌々日までまって、出金指示をだします。
実は、投資信託は、売却注文が成立しても、その日に出金指示をだせません。
出金指示ができるようになるのは翌日か、翌々日になってからです。
このように1日で注文・出金指示の、両方をすませることができません。
そのため、売却注文をだす日と、出金指示をだす日と、2日にわたってホームページで操作する必要があるのです。
自動取りくずしサービスがないと、毎月、この取りくずし作業をやらなければなりません。
楽天証券の自動取りくずしサービスなら、毎月の取りくずし率を、0.1%以上0.1%単位で設定できます。
ここで設定した取りくずし率の分だけ、毎月自動で投資信託を売却してくれます。
全世界株式(年4.5%のリターン)の投資信託を取りくずす場合、月0.4%(年4.8%)、または月0.3%(年3.6%)に設定すると良いでしょう。
また、取りくずしたお金は、毎月指定した日(1~28日から好きな日を指定できます)に、楽天銀行の口座に振り込んでもらえます。
なお、設定した日に間に合うように、投資信託を売却してくれため、お金が必要な日よりまえに振込日を指定する必要はありません。
そのため、楽天証券を使えば、手間をかけずに、遊んでいるお金の年4.5%が、楽天銀行の口座に毎月振り込まれます。
1.楽天証券の口座を開設したら、全世界株式に投資する投資信託(オール・カントリーがおすすめ)を買って、その投資信託を、月0.4%(または0.3%)取り崩す設定をします。
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この2つを最初にいちど設定するだけでおわりです。
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