REITには、現物不動産(=マンション・オフィスなど)への投資と比較して、利点が多いです。ただ、投資を始める前に、REITの利点を具体的に確認したいところです。では、現物不動産への投資と比較した時の―REITの利点は何でしょうか?
REITは、現物不動産投資に比べ、"手軽に有利な投資をおこなえる"点が優れています。
- REITは、売買に優れている
- REITは、運用・管理をおまかせできる
- REITは、非常に高い分散効果がある
なお、当記事では、REITのインデックス投資のみを取り扱います。
さらに、REITのインデックス投資には、「REITインデックスファンドに投資する方法」と、株式市場に上場している―「REIT-ETFに投資する方法」とがありますが、当記事では、"REITインデックスファンドの利点"について書きます。
REITインデックスファンドは、1万円から購入することができます。1万円から購入できるため、毎月の積立投資などにも使いやすいです。毎月の積立投資をおこなうのに便利なのが、口座引き落としでの積み立てです。「口座引き落としでの積み立て」をSBI証券でおこなえば、月500円から積み立てることもできます。
また、REITインデックスファンドは、1万円以上1円単位で、いつでも売却できます。売却注文を出せば、多くのREITインデックスファンドの場合、"売却注文を出した日を含めて―5営業日目"に売却代金が支払われます。売却代金が何営業日目に支払われるかは、目論見書の「換金代金」という項目に書かれていますので、確認してみてください。
図:REITインデックスファンドの―売却代金支払日の記載例
※画像は、SMT J-REITインデックス・オープンの目論見書7ページから引用。
一方、現物不動産は、"簡単に買ったり"、"簡単に売ったり"することができません。簡単に買えないのは、不動産ひとつひとつが高価だからです。現物不動産への投資の中で、初期投資額の比較的少ない―"ワンルームマンション投資"であっても、1,000万円は必要になります。また、売る場合も同様に、高価であるため、簡単に売ることができません。
REITインデックスファンドに投資していれば、投資する現物不動産の収益性を自分で考える必要がありません。収益性を自分で考える必要がないのは、プロが投資家に代わって運用してくれるからです。
一方、現物不動産に自分で投資する場合は、運用(="物件探し"・"収益の計算"など)を自分でおこなわなければなりません。「物件探し」とは、有望な物件を自力で探すことです。有望な物件を探すのは手間もかかりますから、専業でなければ難しい面もあると思います。また、「収益の計算」とは、この不動産買えば、いくら収益が望めるかを自力で計算することです。この計算は、専門的な知識が必要なのでとても難しいでしょう。そして、算出した収益を元に、いくらまで資金を出す価値があるのかなどを考えて購入します。
また、REITインデックスファンドに投資していれば、不動産の管理が不要です。不動産は、株式や債券と違い、買って終わりではありません。買った後も、管理する必要があります。管理の例としては、マンションの貸し出し先からの―苦情への対応などでしょうか。苦情がくれば、苦情の内容を解決するために動かなければなりません。REITはこの"管理"も運用会社がやってくれるため、投資家は株式や債券と同じように、REITを買って持っているだけで収益が得られます。
図:現物不動産の管理
REITインデックスファンドに投資すると、非常に高い分散投資効果が得られます。高い分散効果が得られるのは、多数の不動産に投資する―上場REITに分散投資するからです。元々分散投資されている上場REITに、さらに分散投資をするため、非常に高い分散効果が得られるわけです。
図:元々分散投資されている―上場REITに分散投資
一方、現物不動産への投資で、REITインデックスファンドと同じレベルの分散投資をするのは困難です。同レベルの分散投資が困難なのは、不動産は、ひとつひとつが高価だからです。また、REITに組み込まれている物件の中には、個人で買えないものもあるからです。