投資信託には、インデックスファンドとアクティブファンドとがあります。インデックスファンドは市場平均に連動することを目指し、アクティブファンドは市場平均を上回ることを目指します。
ただ、市場平均への連動を目指すだけのインデックスファンドに、アクティブファンドの多くは運用成果で勝てません。もちろん、勝つアクティブファンドも少しありますが、そのファンドを事前に見分けることは不可能です。事前に見分けられないなら、インデックスファンド選ぶのが合理的です。
- 投資信託には、インデックスファンドとアクティブファンドとがある
- アクティブファンドの方が大きく儲かりそう
- しかし、実際は、アクティブファンドの方が儲からない
- 10年運用した場合、アクティブファンドの66%以上はインデックスファンドより劣る運用成果しか上げられない
- インデックスを上回るアクティブファンドを事前に見分けることができないので、アクティブファンドに投資すべきではない
投資信託には、インデックスファンドとアクティブファンドとがある
インデックスファンドとは、インデックスと連動することを目指す投資信託です。インデックスとは「市場の平均を表す指標」で、日本株式のインデックスでは、"日経平均株価"や、"TOPIX"などが有名です。インデックスファンドは、この市場の平均をコピーするように投資します。
アクティブファンドとは、インデックスを上回ることを目指す投資信託です。インデックスを上回るため、有望な会社にはより多く投資し、そうではない会社への投資額を少なくします。
一般的に、アクティブファンドの方が、インデックスファンドよりもコストが高くなります。インデックスファンドは市場をコピーするように投資するだけですが、アクティブファンドは市場を上回るために、調査や積極的な売買をおこなうためのコストがかかるからです。
アクティブファンドの方が大きく儲かりそう
インデックスを"上回ることを目指す"というと、アクティブファンドの方が儲かりそうだと思われるかも知れません。
アクティブファンドは、インデックスを上回るために、多くの人を使って有望な会社を探そうとしています。
有望な会社を見つけたら、その会社の有望性に気づいていない人よりも早く、その会社に投資をおこなえばいいのです。
やがてその会社は市場に評価され(=株価が上がり)、アクティブファンドは、大きな利益を得ることができるでしょう。
しかし、実際は、アクティブファンドの方が儲からない
市場を上回るためには、有望な会社を他の人より早く発見する必要がありますが、その調査には人件費がかかります。調査をおこなう人たちの人件費は、決して安くはありません。
その「優れた運用を支える人件費」のため、アクティブファンドがいかに優れた運用をおこなっても、結局平凡な収益しか上げられません。
また、市場の取引総額の多くを占めるのは機関投資家(保険会社、金融機関などのプロの運用機関)で、プロ同士でより良い会社を探して競争しているため、うまみはほとんどありません。競争相手もプロですから、今回はうまくいったとしても、毎回出し抜いて自分だけ利益を出すことは困難です。
10年運用した場合、アクティブファンドの66%以上はインデックスファンドより劣る運用成果しか上げられない
10年間運用した場合、アクティブファンドの66%は、インデックスファンドよりも収益が低い―というアメリカのデータがあります。このデータは、インデックス投資の名著「ウォール街のランダム・ウォーカー 第9版」の359ページに掲載されています。
なお、このデータはアメリカのものですが、日本のアクティブファンドにもあてはまります。日本のアクティブファンドが、アメリカのアクティブファンドと比べて大きく優れているとは考えられないため、同じような結果になると考えられます。
選んで買ったアクティブファンドの―66%以上がインデックスファンドに負けるのに、アクティブファンドに投資する理由はありません。
インデックスを上回るアクティブファンドを事前に見分けることができないので、アクティブファンドに投資すべきではない
10年以上の長期投資の場合、がんばって儲かりそうなアクティブファンドを選んでも、66%以上がインデックスファンドに負けてしまうことがおわかりいただけたでしょうか。
残りの33%未満のアクティブファンドは、インデックスファンドに勝てるかもしれませんが、事前にそのアクティブファンドを知ることはできません。儲かるアクティブファンドを探すことは、まるで勝つ確率の低いギャンブルに挑戦するようなものです。
事前に儲かるアクティブファンドが分からないなら、66%で勝てるインデックスファンドを選ぶ方が合理的だと思いませんか?