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積み立てる投資信託は、コストを重視して決めること

 投資信託では、投資する商品ごとにコストが異なります。しかし、インデックスファンドの場合、コストの差がコンマ数%しかありません。

 ただ、長期投資だと、そのコンマ数%が運用結果に大きく影響します。運用結果に、数百万円の差がでることもありますので、コストを重視してください。


投資信託ごとにコストは異なる

 投資信託には3つのコストがかかりますが、これらのコストの大小は投資信託ごとに異なります。投資信託にかかるコストは、以下です。

  • 購入するときにかかる―購入手数料。
  • 保有している間ずっとかかる―信託報酬。
  • 売却するときにかかる―信託財産留保額。

 投資信託のコストの中でもっとも重要なのは、信託報酬です。他の2つは購入時、または売却時に1回支払えばそれで終了ですが、信託報酬は保有している間ずっと支払わなければならないからです。そのため、信託報酬は、運用期間が長くなればなるほど、影響が大きくなります。

 なお、信託報酬の差は、インデックスファンド*1なら、0.5%程度しかありません。インデックスファンドの―信託報酬の比較は、以下です。まず、インデックスファンドの中で、もっとも高い信託報酬は、1%程度です。一方、もっとも安い信託報酬は、0.5%程度です。

*1 市場の平均値と連動することを目指す投資信託


コンマいくつかのわずかな違いは、たいしたことない?

 年間わずか0.5%程度のコスト差なら、たいしたことはない―と思うかもしれません。100万円を運用する場合、0.5%違いは年5,000円です。年5,000円ならたいしたことはない―と考える方もおられるかもしれません。

 しかし、運用額全体に対して―0.5%なので、運用額が大きくなればかなりの差になります。運用額は、毎月の積み立てで、だんだん大きくなることを忘れてはいけません。

 例えば、積み立て終了時に3,000万円になったとすると、0.5%の違いは、年15万円(=3,000万円×0.5%)にもなります。つまり、0.5%コストが高いものを選んでしまうだけで、年間15万円も余分にコストを支払うことになってしまうのです。


長期投資では、コンマいくつかのコスト差が、非常に大きな差になる

 積み立てが終了したときの0.5%の大きさについてはおわかりいただけたと思いますが、コストの違いによって、積み立て結果自体にも差がつきます。

 「コストの積み立て結果への影響」を確認するために、コストが1%の場合と、0.5%の場合との―積み立て結果を計算してみましょう。計算の条件は、"初期投資額は0円"・"年60万円(月5万円)積み立て"・"リターンは5%"・"30年間積み立て"とします。

 収益の差は、実に295万円にもなります。具体的には、まず、コストが1.0%の場合、運用結果は、3365万円になりました。一方、コストが0.5%の場合、運用結果は、3660万円になりました。

 295万円も差がついた理由は、投資信託は複利運用だからです。複利運用とは、最初の年に出た利益が次の年の運用に回され、次の年に出た利益もまた次の年の運用に回され・・・といった運用を行います。したがって、毎年0.5%余分にコストがかかれば、その分、次の年の運用に回される額が少なくなるため、運用年数が長くなるほど運用結果が悪くなるわけです。


投資信託選びでは、コストがもっとも重要

 投資信託は高い収益を期待できますが、日々上下に大きく値動きし、収益は約束されているわけではありません。

 ただ、収益をコントロールすることはできませんが、コストはコントロールすることができます。コストのコントロールはとても簡単で、投資信託を買う前に、年間いくらの信託報酬がかかるか?をしっかり確認するだけです。そして、信託報酬が安いものを買います。

 コンマ数%のコスト差をあまく見ないで下さい。ここをきちんと確認しておかないと、運用終了時に数百万円の差がつきます。








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