特定口座で取引している人がほとんどだと思いますので、多くの方は、投資信託を売却したときの税金を自分で計算する必要はありません。なぜなら、特定口座でおこなった取引の―売却時の税金の計算は、証券会社がやってくれるからです。
ただ、自分で売却したときにかかる税金を計算する必要がある人もいます。自分で投資信託を売却したときにかかる税金を計算する必要がある人の例としては、"一般口座で投資信託を売却した人"・"自分で売却時にかかる税金を計算してみたい人"―といったところでしょうか。
そういった方は、自分で投資信託の売却時にかかる税金を計算しなければなりません。では、投資信託を売却したときにかかる税金は、どうやって計算すればいいのでしょうか?
投資信託を売却したときにかかる税金の計算は、以下の手順でおこないます。なお、併記している計算例は、外国株式インデックス・オープンを金額指定(30,000円)で売却した場合のものです。
1. | 証券会社が発行する―取引報告書から、必要な数値を取得する。 | |
・外国株式インデックス・オープンの取引報告書![]() ※ 解説に必要ない枠は省略しています。 |
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1-1. | 取引報告書から、売却価格を取得する。 | |
1-2. | 取引報告書から、個別元本単価を取得する。 | |
1-3. | 取引報告書から、売却口数を取得する。 | |
1-4. | 取引報告書から、売却手数料を取得する(今回、売却手数料は無料なので、表では空欄になっています)。 | |
2. | 1.の数値を使って、譲渡所得を計算する。 | |
![]() ※ 個別元本単価を1万口で割っているのは、個別元本単価が1万口あたりの価格で表示されているからです。 例: 30,000円 - ( 8,000円 ÷ 10,000口 × 24,560口 ) - 0円 = 10,352円 |
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3. | 2.に20.315%をかけて、売却時にかかる税金を計算する(年に複数回取引した方は、取引ごとに2.を計算して、全てを合計した数値に20.315%をかけます)。 | |
![]() 例:10,352円 × 20.315% = 2,000円 ※1,000円未満切り捨て |
(注)この記事は税務署に確認して作成しましたが、参考程度にとどめてください。ご自身の税金を計算する際は、必ず税務署にご相談下さい。
・取引条件
約定した基準価額:12,227円
外国株式インデックス・オープンの信託財産留保額:0.1%
1.信託財産留保額の計算
12,227円 × 0.1% = 12円(小数点以下切り捨て*)
2."信託財産留保額を引いた売却価格"の計算
12,227円 - 12円 = 12,215円(取引報告書の"単価"の数値)
* 小数点以下が四捨五入されるか、切り捨てられるかは、運用会社ごとに異なるそうです。
(参考)投資信託を解約した際、実際の受取金額が基準価額より計算した金額と違うのはなぜですか? [SBI証券]
楽天証券には、投資信託を毎月自動で取り崩してくれるサービスがあります。
このサービスをつかうと、ほったらかしで、遊んでいるお金の年4.8%(または年3.6%)が、楽天銀行の口座に毎月振り込まれます。
楽天証券は、楽天市場・楽天モバイル・楽天銀行で知られる、楽天グループに属する証券会社です。
楽天証券の総合口座数は864万口座、預り資産は、18.1兆円を超えています(2022年12月末時点)。
また、楽天証券で投資信託を保有、または、積み立ての設定をしている人は、274万人を超えています。
実際に、楽天証券の「投資信託の自動取り崩しサービス」をつかった履歴をごらんください。
下のように、振込日(1~28日の中で好きな日を指定できます)の10日に間に合うように、投資信託を自動で売ってくれます。

また、取り崩したお金は、下のように自動で楽天銀行の口座に振り込んでくれています。
なお、取り崩しの際にかかる譲渡益税(利益の約20%)が源泉徴収されています。
※ちなみに、自動で振り込んでもらうには、楽天証券の口座と、楽天銀行の口座と連携させる「マネーブリッジ連携」というかんたんな設定が必要です。

全世界株式に投資すると、年7%のリターンが期待できます。
>> 全世界株式のリターンが7%といえる詳しい理由は、この記事で解説しています。
>> 過去34年のデータから計算した、全世界株式のリターン7%の理由はこちら
全世界株式に投資する方法はいくつかありますが、投資信託を使うのが簡単です。
全世界株式に投資する投資信託のなかでは、手数料が安い「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(以下オール・カントリー)」がおすすめです。
オール・カントリーの手数料は年0.2%程度で、全世界株式に投資する投資信託のなかで、最安クラスです。
なお、全世界株式のリターンは年7%といいましたが、取り崩しは、年7%ではなく「年4.5%」にするのがベストです。
なぜなら、全世界株式のリターン:7%のうち、2.3%はインフレで増えた分だからです。
インフレで増えた2.3%分は、取り崩さずにそのまま運用をつづけて、その運用益で将来のインフレにそなえます。
また、先ほど解説したように、オール・カントリーには、年0.2%程度の手数料がかかるため、その分も取り崩さないでおきます。
したがって、全世界株式のリターン:7%から、インフレ分:2.3%と、オール・カントリーの手数料:0.2%を引いた年4.5%を取り崩すのがベストです。
実は、投資信託を毎月手動で取りくずす場合、かなり手間がかかります。
取りくずしの手間を、全世界株式の投資信託を取りくずす場合を例に解説すると、
1.まず、今月の取りくずし額を計算します。
全世界株式の場合、年4.5%が期待リターンですので、毎月「4.5%の12分の1」まで取りくずしても大丈夫です。
つまり、4.5%÷12ヶ月で、0.375%ですね。
たとえば、現在の資産額が120万円の場合、4,500円(=120万円×0.375%)と計算できます。
2.つぎに、1.で計算した額を売る、売却注文をだします。
証券会社のホームページにログインして、先ほど計算した額だけ、全世界株式の投資信託の売却注文をだします。
3.そして、売却注文が成立した翌日か、翌々日までまって、出金指示をだします。
実は、投資信託は、売却注文が成立しても、その日に出金指示をだせません。
出金指示ができるようになるのは翌日か、翌々日になってからです。
このように1日で注文・出金指示の、両方をすませることができません。
そのため、売却注文をだす日と、出金指示をだす日と、2日にわたってホームページで操作する必要があるのです。
自動取りくずしサービスがないと、毎月、この取りくずし作業をやらなければなりません。
楽天証券の自動取りくずしサービスなら、毎月の取りくずし率を、0.1%以上0.1%単位で設定できます。
ここで設定した取りくずし率の分だけ、毎月自動で投資信託を売却してくれます。
全世界株式(年4.5%のリターン)の投資信託を取りくずす場合、月0.4%(年4.8%)、または月0.3%(年3.6%)に設定すると良いでしょう。
また、取りくずしたお金は、毎月指定した日(1~28日から好きな日を指定できます)に、楽天銀行の口座に振り込んでもらえます。
なお、設定した日に間に合うように、投資信託を売却してくれため、お金が必要な日よりまえに振込日を指定する必要はありません。
そのため、楽天証券を使えば、手間をかけずに、遊んでいるお金の年4.5%が、楽天銀行の口座に毎月振り込まれます。
1.楽天証券の口座を開設したら、全世界株式に投資する投資信託(オール・カントリーがおすすめ)を買って、その投資信託を、月0.4%(または0.3%)取り崩す設定をします。
2.楽天証券の口座と、楽天銀行の口座とを連携させる「マネーブリッジ連携」という設定をします。
この2つを最初にいちど設定するだけでおわりです。
・公式ページ
楽天証券の投資信託自動取り崩しサービスを使うことで、遊んでいるお金から収益が上がります。
また、はじめるのもかんたんで、全世界株式の投資信託を買って、月に取りくずすパーセント(0.4%か0.3%)を決めるだけです。
楽天証券の投資信託自動取り崩しサービスがなければ、毎月手間のかかる取り崩しを自分でしなければなりません。
また、銀行預金ではお金はほとんど増えませんので、楽天証券での投資信託自動取り崩しサービスをおすすめします。
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