投資信託の基準価額は1万口あたりで表示されているため、取引の際に端数が出ることがほとんどです。例えば、30,000円の金額指定で基準価額:12,345円の投資信託を購入した場合、24,301.33...口買える計算になり、0.33...口分端数が出ます。売却した場合も同様に、24,301.33...口売れる計算になり、0.33口分端数が出ます。
この"端数分"は、単純に四捨五入で計算されているだろう―と思われる方もおられるかもしれません。
ただ、私の過去の取引(SBI証券での取引)の端数処理を確認してみたところ、そうではないようです。SBI証券での過去の購入履歴(17回)から算出した―端数処理例は、以下です。まず、切り上げられていた―端数を小さい順に2つ挙げると、"0.38219"・"0.46089"でした。一方、切り捨てられていた―端数を大きい順に2つ挙げると、"0.33134"・"0.25335"でした。
上記の通り、SBI証券では単純に端数を四捨五入するわけではないようなので、端数処理についてメールで聞いてみました。では、SBI証券では、具体的にどの程度の数値を基準に、切り上げ・切り捨てがされているのでしょうか?
SBI証券では、端数分について、厳密に口数計算されるようです。SBI証券での―具体的な端数処理の計算方法は、以下です。なお、以下では"購入時"の口数を計算していますが、"売却時"も同じです。ちなみに、併記している計算例は、30,000円で基準価額:12,345円の投資信託を購入した場合のものです。
- 金額指定で購入できる口数を計算する
- (ア)1.の端数を切り捨てた口数と、(イ)ア.に1を加えた口数との―購入に必要な金額(端数四捨五入)を計算する
- 2.のうち、購入金額と等しい口数を採用する
1. | 金額指定で購入できる口数を計算する。 |
2. | (ア)1.の端数を切り捨てた口数と、(イ)ア.に1を加えた口数との―購入に必要な金額(端数四捨五入)を計算する。 |
(ア)1.の端数を切り捨てた―口数を購入するのに必要な金額計算 | |
(イ)ア.に1を加えた―口数を、購入するのに必要な金額計算 | |
3. | 2.のうち、購入金額と等しい口数を採用する。 |
24,301口(30,000円)、24,302口(30,001円)なので、24,301口が採用されます。 |
※ 上記の計算方法は、SBI証券に問い合わせて教えていただきました。
投資家にとって有利な口数が採用されるようです(購入時は切り上げ・売却時は切り捨て)。手順2.の計算結果でどちらを採用するか決められない場合の―実際の端数処理実績(SBI証券の場合)は、以下です。
まず、10,000円の金額指定で"購入"した場合に、計算結果が15,865口 (10,000円)と15,866口(10,000円)とになりましたが、15,866口を採用していました(購入口数が多い方を採用しているため、投資家にとって有利)。
また、10,000円の金額指定で"売却"した場合に、計算結果が7,842口(9,999円)と7,843口(10,001円)とになりましたが、7,842口を採用していました(売却口数が少ない方を採用しているため、投資家にとって有利)。
(注)この補足説明の枠内の記述は、SBI証券に問い合わせたものではなく、私の取引履歴から算出したものです。したがって、場合によっては異なる可能性もありますのでご了承下さい。
<楽天証券・カブドットコム証券の場合>
投資信託を金額指定(買付時のみ)で取引した場合の端数分は、常に投資家が有利になるように計算されるそうです。
- 買付時の端数は、常に切り上げられます(買付口数が多くなるため、投資家にとって有利)。
- 売却時は金額指定での売却ができない(=口数指定での売却のみ可能)ため、端数は発生しません。