一括投資して、ほったらかした場合のシミュレーション結果が知りたいのですが？
手元にあるお金の一括投資を考えているが、一括投資したあとは面倒なので、ほったらかしにしたい―という方もおられるでしょう。
ただ、大金なので、実行前にあらかじめシミュレーションしたいかもしれません。
そこで、ネット上のデータを使って、一括投資して、20年・30年ほったらかした場合のシミュレーションをしてみました。
なお、シミュレーションの条件は以下です。
・投資対象は、「S&P500」、「オールカントリー」
・一括投資する金額は、「300万円」
※一括投資する金額がご自身の額と合わない場合は、シミュレーション結果を300で割って、希望額を掛けてください（100万円なら100）。
- S&P500に300万円一括投資して、ほったらかした場合のシミュレーション
- オールカントリーに300万円一括投資して、ほったらかした場合のシミュレーション
- 計算に使ったリターンのデータの出所
- S&P500のリターンの計算例
- 集めたリターンのデータから、平均的な運用結果・最も収益が多かった運用結果・最も収益が少なかった運用結果をシミュレーション
- 計算に使ったエクセルのダウンロード
S&P500に300万円一括投資して、ほったらかした場合のシミュレーション
S&P500に300万円一括投資して、20年ほったらかした場合のシミュレーション結果は以下です（1988～2023年のデータで計算）。
- 平均的な運用結果は、1,468万円（＋1,168万円の利益）
- 最も収益が多かった運用結果は、2,584万円（＋2,284万円）
- 最も収益が少なかった運用結果は、832万円（＋532万円）
S&P500に300万円一括投資して、30年ほったらかした場合のシミュレーション結果は以下です（1988～2023年のデータで計算）。
- 平均的な運用結果は、5,283万円（＋4,983万円）
- 最も収益が多かった運用結果は、6,934万円（＋6,634万円）
- 最も収益が少なかった運用結果は、3,956万円（＋3,656万円）
S&P500のシミュレーション結果は、20年ほったらかした場合は「＋2,284万円～＋532万円」、30年ほったらかした場合は「＋6,634万円～＋3,656万円」でした。
※この実績は過去のデータなので、こんごも同じ結果になるとは限りません。
オールカントリーに300万円一括投資して、ほったらかした場合のシミュレーション
オールカントリーに300万円一括投資して、20年ほったらかした場合のシミュレーション結果は以下です（1988～2023年のデータで計算）。
- 平均的な運用結果は、1,071万円（＋771万円の利益）
- 最も収益が多かった運用結果は、1,919万円（＋1,619万円）
- 最も収益が少なかった運用結果は、600万円（＋300万円）
オールカントリーに300万円一括投資して、30年ほったらかした場合のシミュレーション結果は以下です（1988～2023年のデータで計算）。
- 平均的な運用結果は、2,635万円（＋2,335万円）
- 最も収益が多かった運用結果は、3,550万円（＋3,250万円）
- 最も収益が少なかった運用結果は、1,786万円（＋1,486万円）
オールカントリーのシミュレーション結果は、20年ほったらかした場合は「＋1,619万円～＋300万円」、30年ほったらかした場合は「＋3,250万円～＋1,486万円」でした。
※この実績は過去のデータなので、こんごも同じ結果になるとは限りません。
計算に使ったリターンのデータの出所
S&P500と、オールカントリーの運用結果の計算には、さまざまなインデックスのデータを公開してくれている、「myINDEX」というサイトのデータを使わせていただきました。
なお、ここでは、「S&P500」のデータを例にします。
使用したデータがある場所は、以下です。
１．まず、「myINDEX」の「S&P 500 (配当込み) (円)」のページにアクセスします。
他の投資先のデータは→「オールカントリー（全世界株式）」
ちなみに、「S&P 500 (配当込み) (円)」は、米国の株式指標を、円換算したものです。
S&P500は、「S&P500種株価指数」とも呼ばれ、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが算出・公表する、アメリカ合衆国の証券取引所に上場している代表的な500銘柄で構成される株価指数をいいます。
iFinanceより引用
２．アクセスしたページの下の方にある、「グラフ」という項目の「年次リターン」タブをクリックします。
３．グラフになっていますが、マウスカーソルをあわせると数値がでます。
これが各年のS&P500のリターンです。画像では1961年のリターンが28.1％だとわかります。このリターンのデータを使って、S&P500に20年・30年投資した場合の、運用結果を計算します。
なお、S&P500のリターンデータは1961年のものからありますが、あまりに古いデータだと現在の数値とかけ離れて過ぎています。そのため、今回は、1988年以降の過去36年分だけつかって計算しました。
S&P500のリターンの計算例
S&P500を20年運用した場合の運用結果は、先ほどのリターンのデータを20年分掛けあわせて計算します。
たとえば、1988～2007年の20年の運用結果を計算する場合、各年のリターンを順番にかけていきます。
- まず、1988年のリターンは20.7％でしたので、「1×（1＋20.7％）」で1.207。
- つぎに、1989年のリターンは51.2％でしたので、「1.207×（1＋51.2％）」で1.824984。
- そして、1990年のリターンは-8.5％でしたので、「1.824984×（1－8.5％）」で1.66986036というように計算します。
このように2007年までの20年分を計算すると、8.61192936という計算結果になります。つまり、1988年に1円をS&P500に投資したら、2007年には約8.6円になったということです。
この「20年運用したときのリターン」を、1988～2007年から、2004～2023年までの17回分計算します。
- 1988～2007年のS&P500のリターンは、8.61192936。
- 1989～2008年のS&P500のリターンは、3.638843392。
- ～省略～
- 2004～2023年のS&P500のリターンは、8.398004916。
これで、1988年から2004年までに投資をはじめて、20年運用した場合のリターンデータ（17回分）が手に入りました。
なお、S&P500を30年運用した場合のリターンは、同じように30年分のリターンを掛けあわせて計算します。
集めたリターンのデータから、平均的な運用結果・最も収益が多かった運用結果・最も収益が少なかった運用結果をシミュレーション
集めたリターンのデータから、「平均的な運用結果」・「最も収益が多かった運用結果」・「最も収益が少なかった運用結果」を計算します。
20年運用した場合の、平均リターン・最大リターンは、・最小リターンは以下です。
- 平均リターンは、4.89395889。
- 最大リターンは、8.61192936。
- 最小リターンは、2.774897923。
20年運用した場合のリターンがわかりましたので、300万円投資した場合にいくらになるかを計算します。
- 平均的な運用結果は、約1,468万円（＝300万円×4.89395889）。
- 最も収益が多かった運用結果は、約2,584万円（＝300万円×8.61192936）。
- 最も収益が少なかった運用結果は、約832万円（＝300万円×2.774897923）。
1988～2023年の間にS&P500に300万円一括投資して20年ほったらかした場合、平均的には約1,468万円になり、最高で約2,584万円・最低でも約832万円になりました。
30年運用した場合の、平均リターン・最大リターン・最小リターンは以下です。
- 平均リターンは、17.61034567。
- 最大リターンは、23.11498264。
- 最小リターンは、13.1862283。
先ほどのように、30年運用した場合のリターンから、300万円投資した場合にいくらになるかを計算します。
- 平均的な運用結果は、約5,283万円（＝300万円×17.61034567）。
- 最も収益が多かった運用結果は、約6,934万円（＝300万円×23.11498264）。
- 最も収益が少なかった運用結果は、約3,956万円（＝300万円×13.1862283）。
1988～2023年の間にS&P500に300万円投資して30年ほったらかした場合、平均的には約5,283万円になり、最高で約6,934万円・最低でも3,956万円になりました。
このように計算して、「S&P500」・「オールカントリー」のシミュレーション結果をグラフにしたのが、下の図解です。
・S&P500に、300万円一括投資してほったらかした場合のシミュレーション結果
・オールカントリーに、300万円一括投資してほったらかした場合のシミュレーション結果
計算に使ったエクセルのダウンロード
計算に使ったエクセルをダウンロードできるようにしておきますので、くわしい計算内容がみたいかたはダウンロードしてみてください。