先進国債券のインデックスの利回りは、何パーセントですか?
リスクが高い株式では不安なので、よりリスクが低い「先進国債券のインデックス」に投資しようと考える方はおられるとおもいます。
ただ、先進国債券のインデックスへの投資をはじめるなら、具体的に「どのくらいの平均利回りが期待できるのか」は知りたいところです。そこで、ネット上で手に入るデータを元に、エクセルで計算しました。
先進国債券のインデックスに20年・30年投資した場合の、1年あたりの利回りは約5%でした。この計算の内容は以下です。
- 先進国債券のインデックスの平均利回り(20年・30年投資した場合)
- 計算に使った、先進国債券のインデックスの利回りデータの出所
- 先進国債券のインデックスの利回りの計算方法
- 集めた利回りデータから平均利回り・最大利回り・最小利回りを計算
- 計算に使ったエクセルのダウンロード
先進国債券のインデックスの平均利回り(20年・30年投資した場合)
先進国債券のインデックスに20年投資した場合の、1年あたりの利回りは以下です(1985~2023年のデータで計算)。
- 平均リターンは、5.43%
- 最大リターンは、7.71%
- 最小リターンは、3.59%
先進国債券のインデックスに30年投資した場合の、1年あたりの利回りは以下です。(1985~2023年のデータで計算)
- 平均リターンは、5.25%
- 最大リターンは、6.07%
- 最小リターンは、4.61%
先進国債券のインデックスの平均利回りは、20年投資した場合は「約5.4%」、30年投資した場合は「約5.3%」です。ただし、この実績は過去のデータなので、こんごも同じ結果になるとは限りません。
計算に使った、先進国債券のインデックスの利回りデータの出所
先進国債券のインデックスの利回りの計算には、さまざまなインデックスのデータを公開してくれている、「myINDEX」というサイトのデータを使わせていただきました。
使用したデータがある場所は、以下です。
1.まず、「myINDEX」の「FTSE/シティグループ 世界国債インデックス 除く日本 (円)」のページにアクセスします。
なお、「FTSE/シティグループ 世界国債インデックス 除く日本 (円) 」は、先進国(日本を除く)のソブリン債(=各国の政府が発行する債券)の指数を、円換算したものです。
FTSE世界国債インデックスは、FTSE Fixed Income LLCが算出・公表する、現地通貨建ての投資適格固定利付ソブリン債のパフォーマンスを測定する指数をいいます。 1984年12月31日を100とする、世界主要国のソブリン債の総合投資収益を各市場の時価総額比率で加重平均して指数化した債券インデックスで、現在、20カ国以上のソブリン債をカバーし、また多様な通貨で構成されています。
2.アクセスしたページの下の方にある、「グラフ」という項目の「年次リターン」タブをクリックします。
3.グラフになっていますが、マウスカーソルをあわせると数値がでます。
これが各年の先進国債券のインデックスの利回りです。画像では1985年の利回りが-1%だとわかります。この利回りのデータを使って、先進国債券のインデックスに20年・30年投資した場合の、利回りを計算します。
先進国債券のインデックスの、利回りの計算方法
先進国債券のインデックスを20年運用した場合の利回りは、先ほどの利回りのデータを20年分掛けあわせて計算します。
たとえば、1985~2004年の20年利回りを計算する場合、各年の利回りを順番にかけていきます。
- まず、1985年の利回りは-1.0%でしたので、「1×(1-1.0%)」で0.99。
- つぎに、1986年の利回りは-6.5%でしたので、「0.99×(1-6.5%)」で0.92565。
- そして、1987年の利回りは-14.1%でしたので、「0.92565×(1-14.1%)」で0.79513335というように計算します。
このように2004年までの20年分を計算すると、2.77609374という計算結果になります。つまり、1985年に1円を先進国債券のインデックスに投資したら、2004年には約2.8円になったということです。
この「20年運用したときの利回り」を、1985~2004年から、2004~2023年までの20回分計算します。
- 1988~2007年の先進国債券の利回りは、2.77609374。
- 1989~2008年の先進国債券の利回りは、3.087352735。
- ~省略~
- 2004~2023年の先進国債券の利回りは、2.169334199。
これで、1985年から2004年までに投資をはじめて、20年運用した場合の利回りデータ(20回分)が手に入りました。
なお、先進国債券のインデックスを30年運用した場合の利回りは、同じように30年分の利回りを掛けあわせて計算します。
集めた利回りデータから平均利回り・最大利回り・最小利回りを計算
集めた利回りのデータから、平均利回り・最大利回り・最小利回りを計算します。
20年運用した場合の、平均利回り・最大利回り・最小利回りは以下です。
- 平均利回りは、2.879582641(年利に変換すると、5.43%)。
- 最大利回りは、4.418658642(年利に変換すると、7.71%)。
- 最小利回りは、2.025606226(年利に変換すると、3.59%)。
1985~2023年の間に先進国債券のインデックスに20年投資した場合、平均で5.43%の利回りが得られ、最高で7.71%・最低でも3.59%の利回りが得られました。
30年運用した場合の、平均利回り・最大利回り・最小利回りは以下です
- 平均利回りは、4.639830339(年利に変換すると、5.25%)。
- 最大利回りは、5.850314657(年利に変換すると、6.07%)。
- 最小利回りは、3.864805168(年利に変換すると、4.61%)。
1985~2023年の間に先進国債券のインデックスに30年投資した場合、平均で5.25%の利回りが得られ、最高で6.07%・最低でも4.61%の利回りが得られました。30年運用すると運用結果のばらつきが少なくなり、最大と最小の年利が平均にかなり近づきます。
これらを元にグラフにしたのが、下の図解です。
ちなみに、20年・30年の利回りのデータを、年利に変換する計算は以下です。
・20年利回りを変換する計算
→20年利回りの数値^(1/20)-1
・30年利回りを変換する計算
→30年利回りの数値^(1/30)-1
たとえば、1985~2004年の20年利回り:2.77609374を年利に変換するには、以下のように計算します。
→2.77609374^(1/20)-1=5.24%
計算に使ったエクセルのダウンロード
計算に使ったエクセルをダウンロードできるようにしておきますので、くわしい計算内容がみたいかたはダウンロードしてみてください。
>>sekai_saiken_20_30_02.xlsx