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新NISAで先進国株式のみに投資した場合のリターン(月10万円、20年・30年積立した場合)

 新NISAで先進国株式のみで運用した場合、どのくらいのリターンがえられるのか?

 2024年1月から、新NISAがはじまりました。新NISAへの投資では、米国株式への集中投資が人気です。

 ただ、米国株式だけでは不安なので、もう少し分散して、先進国全体の株式に投資したいという方もおられるかもしれません。

 そこで、新NISAを使って、先進国株式のみで20年・30年運用するとどのくらいのリターンが期待できるのか、ネット上の過去データを使って計算しました。

 新NISAで、先進国株式のみに投資したときのリターンの計算結果は、以下です。

計算の条件:
・毎月10万円(=年120万円)を積み立てる。
・積立額が上限の1,800万円になったら、積み立てを停止する。


新NISAで、先進国株式のみに毎月10万円投資した場合のリターン

新NISAで先進国株式のみに投資したリターンのグラフ

 先進国株式のみに毎月10万円投資(※上限1,800万円で積み立て停止)して、20年運用したリターンは以下です(1988~2023年のデータで計算)。

  • 平均的なリターンは、4,762万円(+2,962万円の利益:4,762万円-1,800万円)
  • 最もリターンが多かった運用結果は、8,380万円(+6,580万円の利益)
  • 最もリターンが少なかった運用結果は、2,477万円(+677万円の利益)

 次に、先進国株式のみに毎月10万円投資(※上限1,800万円で積み立て停止)して、30年運用したリターンは以下です(1988~2023年のデータで計算)。

  • 平均的なリターンは、1億1,549万円(+9,749万円の利益)
  • 最もリターンが多かった運用結果は、1億4,450万円(+1億2,650万円の利益)
  • 最もリターンが少なかった運用結果は、8,859万円(+7,059万円の利益)

 先進国株式のみに投資した場合のリターンは、20年投資した場合は「+6,580万円~+677万円」、30年投資した場合は「+1億2,650万円~+7,059万円」でした。
※この実績は過去のデータなので、こんごも同じ結果になるとは限りません。


計算に使った利回りデータの出所

 先進国株式のリターンの計算には、さまざまなインデックスのデータを公開してくれている、「myINDEX」というサイトのデータを使わせていただきました。

 なお、ここでは、「MSCIコクサイ・インデックス(先進国株式)」のデータを例にします。

 使用したデータがある場所は、以下です。

1.まず、「myINDEX」の「MSCI コクサイ・インデックス (KOKUSAI) (円) 」のページにアクセスします。

myINDEXのサイト画像

 ちなみに、「MSCI コクサイ・インデックス (KOKUSAI) (円)」は、先進国(日本を除く)の株式指標を、円換算したものです。

MSCIコクサイ(MSCI Kokusai)は、MSCI指数の一つで、米国のMSCI Inc.が算出・公表する、日本を除く世界の先進国の株式を対象とした株価指数をいいます。これは、グローバルな株価指数で、日本を除く22の先進国の上場企業(大型株・中型株)で構成され、また浮動株ベースの時価総額加重平均方式で算出されています。

iFinanceより引用

2.アクセスしたページの下の方にある、「グラフ」という項目の「年次リターン」タブをクリックします。

年次リターンをクリックの画像

3.グラフになっていますが、マウスカーソルをあわせると数値がでます。

マウスカーソルをあわせると数値が表示される画像

 これが各年のMSCIコクサイ・インデックスの利回りです。画像では1970年の利回りが-1.6%だとわかります。この利回りのデータを使って、MSCIコクサイに20年・30年投資した場合の、リターンを計算します。

 なお、MSCI コクサイ・インデックスの利回りデータは1970年のものからありますが、あまりに古いデータだと現在の数値とかけ離れて過ぎています。そのため、今回は、1988年以降の過去35年分だけつかって計算しました。


先進国株式のみで積立投資した場合の計算例

 先進国株式のみで20年運用した場合のリターンは、先ほどの利回りのデータを20年分つかって計算します。

 たとえば、1988~2007年の20年リターンを計算する場合、各年の利回りを順番にかけてから、最後に積立額を足します。

  • まず、1988年の利回りは20.3%でしたので、「0×(1+20.3%)+120」で120。
  • つぎに、1989年の利回りは49.1%でしたので、「120×(1+49.1%)+120」で298.92。
  • そして、1990年の利回りは-8.9%でしたので、「298.92×(1-8.9%)+120」で392.31612というように計算します。

 なお、15年で積立額が上限の1,800万円(=120万円×15年)になります。そのため、16年目以降は、最後に積立額を足しません。

 このように2007年までの20年分を計算すると、6248.942799という計算結果になります。つまり、1988年から毎月10万円を先進国株式のみに投資したら、2007年には約6,249万円になったということです。

 この「20年運用したときのリターン」を、1988~2007年から、2004~2023年までの17回分計算します。

  • 1988~2007年の先進国株式のみのリターンは、6248.942799。
  • 1989~2008年の先進国株式のみのリターンは、2647.503792。
  • ~省略~
  • 2004~2023年の先進国株式のみのリターンは、8380.434940。

 これで、1988年から2003年までに投資をはじめて、20年運用した場合のリターンのデータ(17回分)が手に入りました。

 なお、先進国株式のみで30年運用した場合のリターンは、同じように30年分計算します。こちらも、15年で積立額が上限の1,800万円(=120万円×15年)になるので、16年目以降は最後に積立額を足しません。


集めたリターンのデータから、平均的な運用結果・最もリターンが多かった運用結果・最もリターンが少なかった運用結果を計算

 集めたリターンのデータから、「平均的な運用結果」・「最もリターンが多かった運用結果」・「最もリターンが少なかった運用結果」を計算します。

 20年運用した場合の、平均リターン・最大リターン・最小リターンは以下です。

  • 平均リターンは、約4,762万円。
  • 最大リターンは、約8,380万円。
  • 最小リターンは、約2,477万円。

 1988~2023年の間に先進国株式のみに毎月10万円投資して20年運用した場合、平均的には約4,762万円になり、最高で約8,380万円・最低でも約2,477万円になりました。

 30年運用した場合の、平均リターン・最大リターン・最小リターンは以下です。

  • 平均リターンは、約1億1,549万円。
  • 最大リターンは、約1億4,450万円。
  • 最小リターンは、約8,859万円。

 1988~2023年の間に先進国株式のみに毎月10万円投資して30年運用した場合、平均的には約1億1,549万円になり、最高で約1億4,450万円・最低でも約8,859万円になりました。

 このように計算して、先進国株式のみのリターンをグラフにしたのが、下の図解です。

・新NISAで、先進国株式のみに毎月10万円投資した場合のリターン

新NISAで先進国株式のみに投資したリターンのグラフ


計算に使ったエクセルのダウンロード

 計算に使ったエクセルをダウンロードできるようにしておきますので、くわしい計算内容がみたいかたはダウンロードしてみてください。
>>shin_nisa_senshinkoku_kabushiki_01_02.xlsx








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