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NISAの金融機関の選び方

 NISAで取引を始めるなら、まず、NISA口座を開く―金融機関を選ぶ必要があります。

 ただ、NISA口座は多くの金融機関(銀行・ゆうちょ銀行・証券会社など)で開けるため、どこで開くか悩む方もおられるかもしれません。では、どこでNISA口座を開けばいいのでしょうか?

 ネット証券を選ぶべきです。なお、全てのネット証券が同じ商品・サービスを取り扱っているわけではありませんから、特に断りがない限り、この記事で"ネット証券"と呼んでいるのは、SBI証券のことだと考えてください。

NISAでネット証券を選ぶべき理由は、店舗型証券や、銀行より有利に運用できるからです。


投資家に必要な投資商品

 NISAを始めるなら、ネット証券を選ぶべきです。なぜなら、先ほど解説したように、ネット証券には、投資家に必要な投資商品がそろっているからです。投資家に必要な投資商品とは、"投資信託"・"ETF"です。これらの商品が投資家に必要だと言える理由は、以下です。

 まず、投資信託が投資家にとって必要なのは、投資信託が1つで多くの企業に分散投資できるからです。投資信託の中には、1つで1,000を超える企業に投資できる銘柄も多数あります。多くの企業に分散投資すると、"1つの企業の好況不況が資産全体に与える影響"が少なくなります。例えば、1つの企業だけに投資した場合、その企業が倒産すると資産が0になってしまいます。長期で資産を築くことを考えるなら、絶対に0にならない投資(1,000個の上場企業が同時につぶれることはあり得ません)をすべきです。

 また、ETFが投資家にとって必要なのは、ETFが投資信託と同様に―"ひとつの銘柄で幅広く分散投資"できて、信託報酬が投資信託より安いからです。ETFの信託報酬が投資信託より安い理由は、投資信託では必要な―"販売会社への信託報酬支払い"がないからです。

 しかし、ETFには、(1)決まった株数ごと(単元株数といいます)に買わなければならない、(2)配当を必ず支払うため、配当金支払い時に必ず税金が引かれてしまう*―という欠点があります。上記の欠点を踏まえた上で、投資信託・ETFのどちらを使うか決めましょう(もちろん両方使っても構いません)。
* 投資信託の中には、利益が出ても分配金(配当金に相当)を投資家に支払わないものもあります(分配金が支払われないことで、分配金のへ課税が回避され、本来支払うはずだった―"分配金への税金分"も運用し続けられます)。

図:投資信託と、ETFとの利点・欠点
投資信託と、ETFとの利点・欠点


ネット証券の手数料

 ネット証券は、投資信託・ETFという―重要な投資商品を両方とも取り扱っています。銀行は株式を取り扱うことができないため、銀行でNISA口座を開くと、上場株式である―"ETF"が購入できません。ただ、店舗型証券であれば、ネット証券と同じように、投資信託・ETFの購入が可能です。それでも、ネット証券の方がおすすめなのは、店舗型証券よりも手数料が安いからです。ネット証券の手数料が安いと言える理由は、以下です。

 まず、ネット証券が、信託報酬が安い―インデックスファンドを積極的に取り扱っているからです。さらに、新しく信託報酬が安い―インデックスファンドが設定(発売)された場合にも、早い段階で取り扱いを始めることが多いからです。「金融機関の変更が難しいNISA」で解説したように、NISA口座を一度開くと、最大4年間、金融機関の変更が出来ないので、選んだ金融機関で新しい投資信託が取り扱われないとNISA口座で購入できず、歯がゆい思いをする可能性があります。そういった思いをしないためにも、コストに敏感な方は特に、ネット証券を選んだ方が良いでしょう。

 また、ネット証券が、販売手数料がかからない投資信託を多数取り扱っており、販売手数料がかかる投資信託でも店舗型証券・銀行より手数料率が安いからです。ご存じの方もおられるかもしれませんが、投資信託の販売手数料は、運用会社が決めた範囲内(3%以下など)で、金融機関が自由に決めて良いことになっています。そのため、同じ投資信託でも、ネット証券と、銀行などとでは、販売手数料が異なることが多くあります。ネット証券の場合、この"販売手数料"を低めに設定することがほとんどなので、NISA口座を開くなら、ネット証券がおすすめです。

 そして、ネット証券は、株式手数料が安いからです。証券会社(ネット証券・店舗型証券)では、株式を購入することができます。株式を売買する際には、株式取引手数料がかかるのですが、この手数料は、店舗型証券だと非常に高いことが多いです。よって、ETFの購入を考えておられる方は、ネット証券を選んだ方が良いでしょう。


積立投資をサポートするサービス

 ネット証券は、投資信託・ETFが購入可能で、店舗型証券・銀行よりも手数料が安いです。さらに、NISA口座を開く金融機関には、"長期の積み立て"をサポートするサービスが欲しいところです。なぜなら、NISAは最大10年間非課税になるなど、長期投資に向いた設計になっているため、NISA口座では、長期間、積立投資をすることが予想されるからです。ネット証券には、積み立てをサポートするサービスが3つ("単元未満株"・"自動積立サービス"・"分配金再投資サービス")用意されています。これらのサービスが積み立てをサポートすると言える理由は、以下です。

 まず、単元未満株が積み立てをサポートすると言えるのは、少ない額でもETFの積み立てが可能になるからです。通常、ETFを含む株式は、10株や100株など―決まった株数(単元株数といいます)刻みでしか買えません。単元未満株とは、この単元株数に満たない株数、例えば"1株"でも購入できるサービスです。そのため、資産を築く途中にある―若い世代の方など、毎月の積立額が少ない場合でもETFの積み立てができます。

 次に、自動積立サービスが積み立てをサポートすると言えるのは、積み立てにかかる手間を軽減してくれるからです。なお、自動積立サービスとは、毎月指定した日に、指定した額分の―投資信託を自動購入してくれるサービスです。また、カブドットコム証券の場合、先ほど解説した単元未満株を、金額を指定して毎月自動購入してくれるサービスも用意されています*。この"自動積み立てサービス"を使うことで、毎月購入注文を出す必要がなくなるため、積み立てにかかる手間が軽くなります。
* 参考→ETFを自動積立する方法

 そして、分配金再投資サービスが積み立てをサポートすると言えるのは、分配金再投資の手間が無くなるからです。分配金再投資サービスとは、分配金が支払われた場合に、自動的に同じ投資信託を買い付けてくれるサービスのことです。分配金を自動で再投資してくれるサービスがあることで、本来は自分で行わなければならない―分配金再投資をする必要がなくなります。








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