新NISAを使うと、どのくらいの収益がえられるのかシミュレーション結果が知りたいのですが?
2024年1月から、新NISAがはじまりました。新NISAは節税効果がたかいため、積極的につかいたいところです。
ただ、新NISAをつかうと、どのくらいの運用益が得られるのか、あらかじめシミュレーションしたいという方もおられるかもしれません。
そこで、新NISAを使って、人気の「オルカン」と「S&P500」とを20年・30年運用するとどのような結果になるのか、ネット上のデータを使ってシミュレーションしました。
新NISAで、オルカン・S&P500に投資したときのシミュレーション結果は、以下です。
シミュレーションの条件:
・毎月10万円(=年120万円)を積み立てる。
・積立額が上限の1,800万円になったら、積み立てを停止する。
- 新NISAで、オルカンに毎月10万円投資した場合のシミュレーション結果
- 新NISAで、S&P500に毎月10万円投資した場合のシミュレーション結果
- 計算に使った利回りデータの出所
- S&P500のシミュレーションの計算例
- 集めた利回りデータから、平均的な運用結果・最も収益が多かった運用結果・最も収益が少なかった運用結果を計算
- 計算に使ったエクセルのダウンロード
新NISAで、オルカンに毎月10万円投資した場合のシミュレーション結果
オルカンに毎月10万円投資(※上限1,800万円で積み立て停止)して、20年運用した結果は以下です(1988~2023年のデータで計算)。
- 平均的な運用結果は、4,278万円(+2,478万円の利益:4,278万円-1,800万円)
- 最も収益が多かった運用結果は、7,406万円(+5,606万円の利益)
- 最も収益が少なかった運用結果は、2,187万円(+387万円の利益)
次に、オルカンに毎月10万円投資(※上限1,800万円で積み立て停止)して、30年運用した結果は以下です(1988~2023年のデータで計算)。
- 平均的な運用結果は、9,125万円(+7,325万円の利益)
- 最も収益が多かった運用結果は、1億1,747万円(+9,947万円の利益)
- 最も収益が少なかった運用結果は、6,842万円(+5,042万円の利益)
オルカンの運用結果は、20年投資した場合は「+5,606万円~+387万円」、30年投資した場合は「+9,947万円~+5,042万円」でした。
※この実績は過去のデータなので、こんごも同じ結果になるとは限りません。
新NISAで、S&P500に毎月10万円投資した場合のシミュレーション結果
S&P500に毎月10万円投資(※上限1,800万円で積み立て停止)して、20年運用した結果は以下です(1988~2023年のデータで計算)。
- 平均的な運用結果は、5,330万円(+3,530万円の利益:5,000万円-1,800万円))
- 最も収益が多かった運用結果は、1億603万円(+8,803万円の利益)
- 最も収益が少なかった運用結果は、2,422万円(+622万円の利益)
次に、S&P500に毎月10万円投資(※上限1,800万円で積み立て停止)して、30年運用した結果は以下です(1988~2023年のデータで計算)。
- 平均的な運用結果は、1億4,079万円(+1億2,279万円の利益)
- 最も収益が多かった運用結果は、1億7,878万円(+1億6,078万円の利益)
- 最も収益が少なかった運用結果は、1億578万円(+8,778万円の利益)
S&P500の運用結果は、20年投資した場合は「+8,803万円~+622万円」、30年投資した場合は「+1億6,078万円~+8,778万円」でした。
※この実績は過去のデータなので、こんごも同じ結果になるとは限りません。
計算に使った利回りデータの出所
各投資先の運用結果の計算には、さまざまなインデックスのデータを公開してくれている、「myINDEX」というサイトのデータを使わせていただきました。
なお、ここでは、「S&P500(米国株式)」のデータを例にします。
使用したデータがある場所は、以下です。
1.まず、「myINDEX」の「S&P 500 (配当込み) (円)」のページにアクセスします。
他の投資先のデータは→「オルカン(全世界株式)」
ちなみに、「S&P 500 (配当込み) (円)」は、米国の株式指標を、円換算したものです。
S&P500は、「S&P500種株価指数」とも呼ばれ、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが算出・公表する、アメリカ合衆国の証券取引所に上場している代表的な500銘柄で構成される株価指数をいいます。
iFinanceより引用
2.アクセスしたページの下の方にある、「グラフ」という項目の「年次リターン」タブをクリックします。
3.グラフになっていますが、マウスカーソルをあわせると数値がでます。
これが各年のS&P500の利回りです。画像では1961年の利回りが28.1%だとわかります。この利回りのデータを使って、S&P500に20年・30年投資した場合の、利回りを計算します。
なお、S&P500の利回りデータは1961年のものからありますが、あまりに古いデータだと現在の数値とかけ離れて過ぎています。そのため、今回は、1988年以降の過去36年分だけつかって計算しました。
S&P500のシミュレーションの計算例
S&P500で20年運用した場合のシミュレーションは、先ほどの利回りのデータを20年分つかって計算します。
たとえば、1988~2007年の20年利回りを計算する場合、各年の利回りを順番にかけてから、最後に積立額を足します。
- まず、1988年の利回りは20.7%でしたので、「0×(1+20.7%)+120」で120。
- つぎに、1989年の利回りは51.2%でしたので、「120×(1+51.2%)+120」で301.44。
- そして、1990年の利回りは-8.5%でしたので、「301.44×(1-8.5%)+120」で395.8176というように計算します。
なお、15年で、積立額が上限の1,800万円(=120万円×15年)になります。そのため、16年目以降は、最後に積立額を足しません。
このように2007年までの20年分を計算すると、5706.168835という計算結果になります。つまり、1988年から毎月10万円を米国株式に投資したら、2007年には約5,706万円になったということです。
この「20年運用したときの運用結果」を、1988~2007年から、2003~2023年までの17回分計算します。
- 1988~2007年のS&P500の運用結果は、5706.168835。
- 1989~2008年のS&P500の運用結果は、2563.746662。
- ~省略~
- 2004~2023年のS&P500の運用結果は、10602.8014027657。
これで、1988年から2004年までに投資をはじめて、20年運用した場合の運用結果のデータ(17回分)が手に入りました。
なお、S&P500を30年運用した場合の運用結果は、同じように30年分計算します。こちらも、15年で積立額が上限の1,800万円(=120万円×15年)になるので、16年目以降は最後に積立額を足しません。
集めた利回りデータから、平均的な運用結果・最も収益が多かった運用結果・最も収益が少なかった運用結果を計算
集めた運用結果のデータから、「平均的な運用結果」・「最も収益が多かった運用結果」・「最も収益が少なかった運用結果」を計算します。
20年運用した場合の、平均資産額・最大資産額・最小資産額は以下です。
- 平均資産額は、約5,330万円。
- 最大資産額は、約1億603万円。
- 最小資産額は、約2,422万円。
1988~2023年の間にS&P500に毎月10万円投資して20年運用した場合、平均的には約5,330万円になり、最高で約1億603万円・最低でも約2,422万円になりました。
30年運用した場合の、平均資産額・最大資産額・最小資産額は以下です。
- 平均資産額は、約1億4,079万円。
- 最大資産額は、約1億7,878万円。
- 最小資産額は、約1億578万円。
1988~2023年の間にS&P500に毎月10万円投資して30年運用した場合、平均的には約1億4,079万円になり、最高で約1億7,878万円・最低でも約1億578万円になりました。
このように計算して、各投資先の運用結果をグラフにしたのが、下の図解です。
・新NISAで、オルカンに毎月10万円投資した場合のシミュレーション結果
・新NISAで、S&P500に毎月10万円投資した場合のシミュレーション結果
計算に使ったエクセルのダウンロード
計算に使ったエクセルをダウンロードできるようにしておきますので、くわしい計算内容がみたいかたはダウンロードしてみてください。