少し古いデータですが、『ウォール街のランダム・ウォーカー』によると、2000年代初めの先進国のインフレ率は2%程度だったそうです*。
* バートン・マルキール 『ウォール街のランダム・ウォーカー』 日本経済新聞社、2007年、23頁を参考
ただ、日本も先進国ですが、『平成22年基準消費者物価指数**』のデータから計算すると、2000年~2013年の消費者物価指数の平均は-0.23%でした。つまり、2000年から2013年まで、物価が下がっていた(=デフレだった)ことになります。
ちなみに、消費者物価指数の具体的な数値は、2000年から順番に、-0.7%、-0.7%、-0.9%、-0.3%、0%、-0.3%、0.3%、0%、1.4%、-1.4%、-0.7%、-0.3%、0%、0.4%でした。
** 平成22年基準消費者物価指数 [中分類 前年比(1971年~最新年)]
そのため、日本に住んでいる限り、インフレに備える必要はない―と考える方もおられるかもしれません。では、日本に住んでいる限り、インフレを心配する必要はないのでしょうか?
インフレには備えるべきです。日本に住んでいてもインフレに備えるべき理由は、日本も長期で見ると、インフレが起こっていたからです。
日本の過去のインフレ率は、以下です。まず、先ほど解説したように、2000年から2013年までの日本の平均インフレ率は、-0.23%でした。次に、オイルショックや、バブル景気を含めた期間である―1971年から2013年までの日本の平均インフレ率は、2.73%でした。
図:日本の過去の消費者物価指数
2000年~2013年だけを見ればインフレの心配はないように見えますが、1971年~2013年を見ればインフレに備える必要があると分かります。