投資資産が1つであるインデックスファンドにくらべて、投資資産が複数あるバランスファンドは、リターン計算が複雑になります。ただ、複雑になるといっても、リターンを計算しないわけにはいきません。なぜなら、リターンの数値は、どの程度の収益が得られるか計算する場合や、ファンドの最大損失率を計算する場合に必要だからです。では、バランスファンドのリターンは、どうやって計算したら良いのでしょうか?
バランスファンドのリターンの計算は、以下の方法で行います。
各資産のリターンを決める
まず、公的年金の運用機関(=年金積立金管理運用独立行政法人)のデータ*を参考に、各資産のリターンを決めます。私が設定した―各資産のリターンは、以下です。
- "国内株式"・"外国株式"・"国内債券"・"外国債券"の数値は、公的年金の運用機関が使っている数値をそのまま使用します。
- "国内REIT"、および"外国REIT"のリターンは、国内債券・外国債券の数値に1%を加算します。
- "新興国株式"のリターンは、外国株式の数値に3%を加算します。
- "新興国債券"のリターンは、外国債券と同じ数値を使用します。
なお、国内REIT以下のリターンの数値は、適当に決めていますので、ご自身の考えで変更しても構いません。
* 基本ポートフォリオの変更について(PDFファイル)
資産名 | リターン |
国内株式 | 5.6% |
外国株式 | 7.2% |
国内債券 | 0.7% |
外国債券 | 2.6% |
国内REIT | 1.7% |
外国REIT | 3.6% |
新興国株式 | 10.2% |
新興国債券 | 2.6% |
バランスファンドのリターンを計算する
つぎに、各資産のリターンのデータを使って、バランスファンドのリターンを計算します。バランスファンドのリターンは、以下の手順で計算します。
(1)まず、バランスファンドの投資割合に、各資産のリターンをかけます。ここでは低コストのバランスファンド―"4資産インデックスバランスオープン"を例に挙げてリターンを計算してみます。このファンドの投資割合は、国内株式・外国株式・国内債券・外国債券に各25%ずつです。各資産のリターンの計算結果は、以下です。
- 国内株式のリターンは、5.6%×25%=1.400%
- 外国株式のリターンは、7.2%×25%=1.800%
- 国内債券のリターンは、0.7%×25%=0.175%
- 外国債券のリターンは、2.6%×25%=0.650%
(2)つぎに、1.で求めた"バランスファンドの各資産のリターン"を合計します。バランスファンドの各資産のリターンは、1.400%(国内株式)+1.800%(外国株式)+0.175%(国内債券)+0.650%(外国債券)でした。これらを全て合計します。合計は、4.03%(小数点第3位を四捨五入)です。上記より、4資産インデックスバランスオープンのリターンは、4.03%だとわかりました。