「外貨MMFの投資対象」で、外貨MMFは、(1)"先進国が発行する国債"・"格付けの高い公社債"など―安全性が高いものに投資し、(2)さらに、投資する資産の―残存期間も短い(平均残存期間90日)*―と解説しました。そのため、外貨に投資する商品の中では、比較的安全な商品です(ただし、外貨に投資するため、円高になった場合、円に換えたときに元本割れする可能性はあります)。
* 残存期間が短いと、金利変動の影響を受けにくくなります。
ただ、外貨MMFには、代替できる投資商品がいくつかあります。外貨MMFと代替できる投資商品は、以下です。(1)まず、外貨に投資する―外貨預金があり、(2)また、外貨MMFと類似の投資対象に投資する―国内MMFがあります。**
** 国内MMFには、為替リスクはありません。
では、代替できる投資商品と比べて、外貨MMFの利回りはどうでしょうか?
外貨MMFは、代替できる投資商品(外貨預金・国内MMF)よりも、利回りが高いです。外貨MMFが、外貨預金・国内MMFよりも利回りが高い理由は、以下です。
(1)外貨MMFの利回りが外貨預金より高い理由は、"外貨預金の提示金利"と"外貨MMFの利回り"との―利率に差があるからです。外貨預金の提示金利と、外貨MMFの利回りとの利率は、以下です。***住信SBIネット銀行の―米ドル定期預金(1ヶ月)の金利は、1.10%です。SBI証券で購入できる―ニッコウ・マネー・マーケット・ファンド(米ドルMMF)の利回りは、1.741%です。
(2)外貨MMFの利回りが国内MMFより高い理由は、日本と外国との―金利に差があるからです。****日本と、外国との金利は、以下です。円の金利は、-0.10%です。米ドルの金利は、2.50%です。ユーロの金利は、0.50%です。豪ドルの金利は、1.35%です。
*** 2022年9月現在の数値です。
**** 外貨MMFは、債券に投資するため、投資先の通貨の金利状況で利回りが変わります。
- わき道にそれますが、米ドルMMFには複数の商品があり、商品によって利回りに大きな違いがありますので、注意が必要です。各証券会社の―米ドルMMFの取扱商品と、各商品の利回りを表にしてみました。
図:各証券会社の米ドルMMFの取扱商品と利回り
(上段)銘柄名、(下段)利回り***** | |||
証券会社名(証券会社のHPへ) | ニッコウ・マネー・マーケット・ファンド | ノムラ・グローバル・セレクト・トラスト | ゴールドマン・サックス |
1.741% | 1.738% | 1.686% | |
SBI証券 |
○ | ○ | ○ |
楽天証券 |
○ | -(取り扱いなし) | ○ |
auカブコム証券 | ○ | -(取り扱いなし) | -(取り扱いなし) |
マネックス証券 |
○ | -(取り扱いなし) | -(取り扱いなし) |
松井証券 |
-(取り扱いなし) | -(取り扱いなし) | ○ |
***** 2022年9月現在。直近7日間平均利回り
楽天証券には、投資信託を毎月自動で取り崩してくれるサービスがあります。
このサービスをつかうと、ほったらかしで、遊んでいるお金の年4.8%(または年3.6%)が、楽天銀行の口座に毎月振り込まれます。
楽天証券は、楽天市場・楽天モバイル・楽天銀行で知られる、楽天グループに属する証券会社です。
楽天証券の総合口座数は864万口座、預り資産は、18.1兆円を超えています(2022年12月末時点)。
また、楽天証券で投資信託を保有、または、積み立ての設定をしている人は、274万人を超えています。
実際に、楽天証券の「投資信託の自動取り崩しサービス」をつかった履歴をごらんください。
下のように、振込日(1~28日の中で好きな日を指定できます)の10日に間に合うように、投資信託を自動で売ってくれます。

また、取り崩したお金は、下のように自動で楽天銀行の口座に振り込んでくれています。
なお、取り崩しの際にかかる譲渡益税(利益の約20%)が源泉徴収されています。
※ちなみに、自動で振り込んでもらうには、楽天証券の口座と、楽天銀行の口座と連携させる「マネーブリッジ連携」というかんたんな設定が必要です。

全世界株式に投資すると、年7%のリターンが期待できます。
>> 全世界株式のリターンが7%といえる詳しい理由は、この記事で解説しています。
>> 過去34年のデータから計算した、全世界株式のリターン7%の理由はこちら
全世界株式に投資する方法はいくつかありますが、投資信託を使うのが簡単です。
全世界株式に投資する投資信託のなかでは、手数料が安い「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(以下オール・カントリー)」がおすすめです。
オール・カントリーの手数料は年0.2%程度で、全世界株式に投資する投資信託のなかで、最安クラスです。
なお、全世界株式のリターンは年7%といいましたが、取り崩しは、年7%ではなく「年4.5%」にするのがベストです。
なぜなら、全世界株式のリターン:7%のうち、2.3%はインフレで増えた分だからです。
インフレで増えた2.3%分は、取り崩さずにそのまま運用をつづけて、その運用益で将来のインフレにそなえます。
また、先ほど解説したように、オール・カントリーには、年0.2%程度の手数料がかかるため、その分も取り崩さないでおきます。
したがって、全世界株式のリターン:7%から、インフレ分:2.3%と、オール・カントリーの手数料:0.2%を引いた年4.5%を取り崩すのがベストです。
実は、投資信託を毎月手動で取りくずす場合、かなり手間がかかります。
取りくずしの手間を、全世界株式の投資信託を取りくずす場合を例に解説すると、
1.まず、今月の取りくずし額を計算します。
全世界株式の場合、年4.5%が期待リターンですので、毎月「4.5%の12分の1」まで取りくずしても大丈夫です。
つまり、4.5%÷12ヶ月で、0.375%ですね。
たとえば、現在の資産額が120万円の場合、4,500円(=120万円×0.375%)と計算できます。
2.つぎに、1.で計算した額を売る、売却注文をだします。
証券会社のホームページにログインして、先ほど計算した額だけ、全世界株式の投資信託の売却注文をだします。
3.そして、売却注文が成立した翌日か、翌々日までまって、出金指示をだします。
実は、投資信託は、売却注文が成立しても、その日に出金指示をだせません。
出金指示ができるようになるのは翌日か、翌々日になってからです。
このように1日で注文・出金指示の、両方をすませることができません。
そのため、売却注文をだす日と、出金指示をだす日と、2日にわたってホームページで操作する必要があるのです。
自動取りくずしサービスがないと、毎月、この取りくずし作業をやらなければなりません。
楽天証券の自動取りくずしサービスなら、毎月の取りくずし率を、0.1%以上0.1%単位で設定できます。
ここで設定した取りくずし率の分だけ、毎月自動で投資信託を売却してくれます。
全世界株式(年4.5%のリターン)の投資信託を取りくずす場合、月0.4%(年4.8%)、または月0.3%(年3.6%)に設定すると良いでしょう。
また、取りくずしたお金は、毎月指定した日(1~28日から好きな日を指定できます)に、楽天銀行の口座に振り込んでもらえます。
なお、設定した日に間に合うように、投資信託を売却してくれため、お金が必要な日よりまえに振込日を指定する必要はありません。
そのため、楽天証券を使えば、手間をかけずに、遊んでいるお金の年4.5%が、楽天銀行の口座に毎月振り込まれます。
1.楽天証券の口座を開設したら、全世界株式に投資する投資信託(オール・カントリーがおすすめ)を買って、その投資信託を、月0.4%(または0.3%)取り崩す設定をします。
2.楽天証券の口座と、楽天銀行の口座とを連携させる「マネーブリッジ連携」という設定をします。
この2つを最初にいちど設定するだけでおわりです。
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楽天証券の投資信託自動取り崩しサービスを使うことで、遊んでいるお金から収益が上がります。
また、はじめるのもかんたんで、全世界株式の投資信託を買って、月に取りくずすパーセント(0.4%か0.3%)を決めるだけです。
楽天証券の投資信託自動取り崩しサービスがなければ、毎月手間のかかる取り崩しを自分でしなければなりません。
また、銀行預金ではお金はほとんど増えませんので、楽天証券での投資信託自動取り崩しサービスをおすすめします。
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