証券会社には、様々なポイントサービスがあります。投資信託を積み立てる場合は、投資信託の保有でポイントがたまるサービスに注目しましょう。
投資信託の保有でたまるポイントは、信託報酬の値下げとおなじです。長期投資になればなるほど、運用益が変わってきます。低コストインデックスファンド取り扱っていて、ポイント還元率がたかい証券会社を選びましょう。
- 証券会社がおこなう―ポイントサービスの種類
- ポイントサービスがあるネット証券の、投資保有ポイントサービスの還元率
- 投信保有ポイントサービスがある証券会社と、ない証券会社との運用益の差
- 低コストのインデックスファンドを取り扱っていて、ポイント還元率が高い証券会社を選ぶこと
証券会社がおこなう―ポイントサービスの種類
ポイントサービスには、まず、「投資信託の販売手数料に応じて、ポイントを付与するもの」があります。例えば、販売手数料の1%のポイントを付与する―といった具合です。ただし、低コストのインデックスファンドに投資する場合、販売手数料がかかることはほとんどないため、販売手数料に応じたポイント付与は重要ではありません。
また、「投資信託の保有残高に応じて、ポイントを付与するもの」もあります。例えば、投資信託の保有残高の、0.1%のポイントを付与する―といった具合です。
低コストのインデックスファンドに投資する場合、重要なのは、後に書いた"投資信託の保有残高に応じて、ポイントを付与するサービス(以下、投信保有ポイントサービス)"です。
ポイントサービスがあるネット証券の、投資保有ポイントサービスの還元率
大手ネット証券の―投信保有ポイントサービスの還元率を確認してみましょう。
SBI証券のポイント還元率は、年0.1%か、年0.2%のいずれかです。年0.1%か、年0.2%になるかは、「投資信託の保有額が1,000万円を超えているかどうか」で決まります。
まず、投資信託の保有額が1000万円未満の場合、年0.1%の還元率になります。また、投資信託の保有額が1000万円以上の場合、年0.2%の還元率になります。なお、超低コストのインデックスファンドの場合は、投資信託の保有額にかかわらず、年0.03%~0.05%のポイント還元率になります。
マネックス証券のポイント還元率は、年0.08%です。マネックス証券の還元率は、保有額が増えても増えません。
楽天証券のポイント還元率は、年0.03%~0.06%です。還元率に幅があるのは、以下の表のように、投資信託の保有額ごとに付与されるポイントが固定されているからです。
投資信託の保有額 | 付与ポイント(1ヶ月) |
---|---|
50万円以上~200万円未満 | 50ポイント |
200万円以上~400万円未満 | 100ポイント |
400万円以上~600万円未満 | 150ポイント |
600万円以上~800万円未満 | 200ポイント |
800万円以上~1000万円未満 | 300ポイント |
1000万円以上~2000万円未満 | 500ポイント |
2000万円以上 | 1000ポイント |
例えば、投資信託を200万円保有している場合の還元率は、0.06%(=100ポイント×12ヶ月÷200万円)ですが、投資信託を400万円保有している場合の還元率は0.03%(=100ポイント×12ヶ月÷400万円)になります。つまり、200万円~400万円の投資信託を保有している場合、もっとも小さい200万円の場合がもっとも還元率が高くなり、400万円の場合がもっとも還元率が低くなります。
また、付与されるポイントは2000万円で頭打ちになるため、保有額が2000万円を超えると、どんどん還元率が下がっていきます。例えば、5000万円保有している場合だと、0.024%(=1000ポイント×12ヶ月÷5000万円)まで還元率が下がってしまいます。
投信保有ポイントサービスがある証券会社と、ない証券会社との運用益の差
年0.1%のポイント付与がある場合と、付与がない場合との―運用益を計算してみましょう。計算条件は、初期投資額:100万円、年間積立額:60万円(=月5万円)、収益:5%、運用年数:30年―とします。なお、ポイント付与がある場合、ポイントの0.1%分、年間収益が上がるので、収益は5.1%(=5.0%+0.1%)になります。
計算結果は、投信保有ポイントサービスがある証券会社の方が、81万円も運用益が多くなりました。具体的には、まず、"ポイントサービスあり"の証券会社の場合、4,500万円の運用結果でした。また、"ポイントサービスなし"の証券会社の場合、4,419万円の運用結果でした。
ただ、投信保有ポイントサービスは重要ですが、低コストのインデックスファンドを取り扱っていないと意味がありません。たとえ年0.1%のポイントをもらったところで、0.5%もコストが高いインデックスファンドしか取り扱っていなければ、差し引き0.4%のマイナスになってしまうからです。
なお、超低コストのインデックスファンドの場合、ポイント付与の対象外になっていることも多いので注意が必要です。ポイント付与の対象外になっている理由は、超低コストのファンド保有でもポイントを付与してしまうと、、販売会社が赤字になってしまうからです(=販売会社が受け取る信託報酬よりも、ポイント支払いの方が大きくなる)。
低コストのインデックスファンドを取り扱っていて、ポイント還元率が高い証券会社を選ぶこと
証券会社は、"低コストのインデックスファンドを取り扱っており"、かつ"投信保有ポイントサービスの還元率が高い証券会社"を選んでください。
このような証券会社を選ぶことで、低コストインデックスファンドのコスト(=信託報酬)をさらに下げられます。例えば、年0.1%のポイント還元率の場合、年0.4%のコストがかかる―低コストインデックスファンドのコストを、年0.3%(=0.4%-0.1%)に下げられるのです。
なお、投資信託の保有でもらったポイントは、投資信託の追加購入の費用にしてください。追加購入の費用にするには、ポイントを現金化する必要があります。そのため、ポイントを簡単に現金化できる―SBI証券で投資をおこなうと良いでしょう。