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新興国投資の分散投資効果

 「新興国株式のリターン」・「新興国株式のリスク」で、新興国株式は、ハイリターンハイリスクだと解説しました。各記事で、新興国株式インデックスの直近10年の各データを解説しました。まず、新興国株式インデックスのリターンは、10.0%でした。また、新興国株式インデックスのリスクは、23.5%でした。

 ただ、新興国株式を、同じ投資カテゴリー(=外国株式)の"先進国株式(日本を除く)"と組み合わせることで、リターンを上昇させつつリスクを下げられるかもしれません。新興国株式と先進国株式とを組み合わせると、リターン上昇と、リスク軽減が狙えるかもしれない理由は、2つの投資対象を組み合わせた場合、(1)リターンは、2つの平均になります*が、(2)リスクは、2つの平均より低くなる**―からです。
* 詳しくはこちら→資産を組み合わせた場合のリターン計算
** 詳しくはこちら→資産を組み合わせた場合のリスク計算
では、新興国株式を"ポートフォリオの外国株式"に入れた場合、分散投資効果はどのくらい見込めるのでしょうか?

 新興国株式をポートフォリオの外国株式に入れた場合、分散投資効果はありますが、効果は低いです。なぜなら、新興国株式と先進国株式(日本を除く)との―相関が高い(相関係数:0.8***)からです。以下、上記の相関係数を使って、分散効果を計算してみました。なお、以下は、(1)先進国株式(日本を除く)のみに投資した場合と、(2)先進国株式(日本を除く):60%・新興国株式:40%を組み合わせて投資した場合との―リスク数値を比較しています。

*** 北村慶 『ほぼ確実に世界の経済成長があなたの財産に変わる最も賢いETF海外投資法』 朝日新聞出版、2008年、203頁を参考。

投資資産名 投資割合
先進国株式(日本を除く) 100% 60%
新興国株式 0% 40%
 
リスク 16.5% 18.31%

※ リスク数値は、直近10年のリスク数値を使用しました。

参考:上記の"組み合わせた場合"のリスク計算式
0.6^2*0.165^2+0.4^2*0.235^2
+2*0.6*0.165*0.4*0.235*0.8= 0.0335266(分散)
 →標準偏差に変換 √0.0335266=18.31% 18.31%(標準偏差=リスク)







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