ファンドは、原則、決算期ごとに分配金を支払います。分配金は、期間中の運用益から、投資家への還元として支払われます。
ファンドの中には、"高い分配金を支払うこと"を、うたい文句にしているものもあります。高い分配金を支払うことで、高い利率で資金を運用できるというわけです。例えば、10,000円の基準価格に対し、年間1,000円の分配を行う―などのような具合です。この場合、10%(=1,000÷10,000×100)の利率で運用できているように"見えます"。
ただ、この"高い分配金を支払うこと"は、投資家にとって、何のメリットもありません。高い分配金にメリットが無いことは、分配金の出所を認識することでよく分かります。では、分配金は、どこから支払われるのでしょうか?
ファンドの資産から支払われます。なぜ、分配金がファンドの資産から支払われると、高い分配金にメリットが無いと言えるのでしょうか?それは、分配後、ファンドの価値が下がる(分配金の額分)からです。具体的には、以下です。
ファンドの価値は、ファンドの資産を合計したものです。分配金のためのお金は、ファンドの資産を売却して用意されます。したがって、分配後、ファンドの価値が下がります(分配金の額分)。
図:分配金支払いの正しい理解