リレー投資は、信託報酬が相対的に高くなった投信・ETFを売って、信託報酬がより安い投信・ETFを買う投資方法です。リレー投資の例は、以下です。(1)もっとも代表的なリレー投資には、投資信託を売って、国内ETFを購入する方法があります(主に国内株式に投資する際におこなわれます)。はじめから国内ETFを買わない理由は、投資信託の方が購入する際の―利便性が高い*からです。(2)また、積み立ててきた投資信託より低コストの投資信託が発売された場合に乗り換える―などもあります。
上記のように、リレー投資をする場合、積み立ててきたファンドを売却する必要があるため、最初に積み立てるファンド(=売却するファンド)には、信託財産留保額がかからないファンドが向いています。なぜなら、(1)信託財産留保額がかかる―ファンドを売却する際には、信託財産留保額を支払う必要がありますが、(2)リレー投資をする際には、積み立ててきたファンドを売却する必要があるからです。
(参考)信託財産留保額とは
リレー投資に向いた銘柄を具体的に挙げると、インデックスeシリーズがリレー投資に最適だと言えます。インデックスeシリーズがリレー投資に最適だと言える理由は、以下です。まず、インデックスeシリーズは、信託財産留保額がかからないからです。また、インデックスeシリーズは、インデックスファンドの中で、もっとも信託報酬が安い(2013年12月現在)からです。
ただ、信託報酬をより安くするのに有効**な―リレー投資ですが、全員がおこなうわけではありません。リレー投資をおこなわない人がいる理由は、信託報酬を安くするメリットよりも、リレー投資が持つデメリットの方を大きく感じる人もいるからです。リレー投資が持つデメリットとは、以下です。まず、リレー投資は、手持ちのファンドを売って他のファンドを買う―という手間がかかります。次に、リレー投資は、手持ちのファンドを売却する必要があるため、売却時に利益が出ていれば利益に税金がかかります。では、リレー投資をおこなわない人にも、インデックスeシリーズが最適なのでしょうか?
リレー投資をおこなわない人には、むしろ信託財産留保額がかかる―SMTインデックスシリーズの方がおすすめです。なぜかというと、コスト面からみてSMTインデックスシリーズの方が有利だからです。具体的には、以下です。(1)まず、インデックスeシリーズは信託財産留保額がかからないため、売却した投資家の"解約コスト"を、継続して保有する投資家が負担することになるからです。なお、解約コストとは、"売却した投資家に現金を支払うために―ファンド資産を売却するためにかかった手数料"(下図の「売却にかかる手数料」)です。(2)次に、インデックスeシリーズと、SMTインデックスシリーズとは、信託報酬が同じだからです。
図:各インデックスファンドシリーズの"売却にかかる手数料"を負担する人