2018/10/20に、松井証券の預株が終了し、他社と同様の「貸株サービス」に変わりました。そのため、現在、松井証券の貸株料の計算は、この記事のものと異なります。
松井証券で貸株料が発生した場合、最低どのくらいの貸株料がもらえるのか知りたい―と思われる方もおられるかもしれません。貸株料の最低額を知りたい理由としては、貸株をする証券会社は複数(SBI証券・楽天証券など)あるため、貸株サービスを比較するため―などが考えられます。
ただ、「最低限発生する貸株料」は、貸株する銘柄によって異なります。では、自分が貸株したい銘柄で貸株が成立した場合、最低どのくらいの貸株料がもらえるかは、どうやって確認すればいいのでしょうか?
松井証券では、単位株数によって「最低限発生する貸株料」が計算され、その貸株料から「貸株代わり金の利率」を引いた額が、最終的に受け取れる貸株料になります。
単位株数で、最低いくらの貸株料が発生するか決定
松井証券では、単位株数(=最低取引株数)で、最低応札価格(=一株当たりの最低限の貸株料)が決まります。"最低応札価格"には、下表のように、5円・50銭・10銭・5銭があります。最低応札価格の表を使うことで、貸株を考えている株式の「単位株数」がわかれば、貸株が成立した際に最低限もらえる―貸株料がわります。例えば、TOPIX-ETF(銘柄コード:1306)は、単位株数が10株なので、最低応札価格が50銭(=0.5円)です。最低応札価格が50銭なので、この銘柄を1,000株貸した場合、貸株が成立すると最低500円(=1,000株×0.5円)の貸株料が得られることになります。
図:松井証券の最低応札価格
上記の表は、預株の仕組み[松井証券](リンク切れ)より引用
ただし、貸株を申し込んだ株数の一部しか貸株されないこともあり、その場合は、貸し出された株数に応じた―貸株料しか発生しません。実際に、私も、一部しか割り当てがなかったことが一度だけありました。私の場合は一度だけですが、貸株を申し込んだ株数がもっと多くなれば、一部しか貸株されないことが頻発するのかもしれません。「一部だけの貸株が頻発する」と予想する理由は、松井証券の貸株できる量には限りがありますから、ひとりに多く割り当ててしまうと、他の人に割り当てる分がなくなってしまうからです。
貸株代わり金の利息を引いて、貸株料が確定
次に、貸株代わり金の利息(年率0.60%:2018年6月現在)を引いて、貸株料が確定します。貸株代わり金とは、松井証券が株式を貸す際に、株式の貸し出し先(=証券金融会社)からその株式に相当する額を"担保"として預かったお金のことです。担保を預かっているため、万が一貸し出し先が倒産しても、投資家には、貸した株式に相当する額(=貸株代わり金)が株式の代わりに返還されることになります。ただし、貸株代わり金には、金利がかかります。この金利を貸株料から引いた額が、最終的に受け取れる貸株料となります。例えば、TOPIX-ETF(銘柄コード:1306、預株基準日終値:1,000円と仮定)を1,000株―貸株した場合、16円(=1,000円×1,000株×0.60%÷365日(小数点未満切り捨て))の利息がかかります。ちなみに、0.60%を365日で割っているのは、年率:0.60%を1日あたりの利率にするためです。
図:貸株代わり金には金利がかかる
なお、貸株代わり金の利息で貸株料がマイナスになる場合は、マイナスにならない額まで応札価格を上げます。マイナスにならない額まで応札価格を上げるため、貸株をしているにもかかわらず損失がでる―ということはありません。応札価格が上がる場合の計算例は、松井証券のホームページに掲載されています*。
* 預株の仕組み[松井証券](リンク切れ)。リンク先の「(例2)応札価格を引き上げる場合」を参照