「貸株時の配当金」で、貸株サービスを利用した場合、配当金が、配当相当額に変わる*―と解説しました。記事では、貸株すると配当金がもらえなくなるため、貸株サービスを実行している証券会社から、配当金の代わりに―"配当相当額"が支払われると解説しました。
* 株主権利自動取得サービスを利用することで、配当金相当額ではなく、配当金として受け取れる場合もあります。
ただ、株式を保有している場合に受け取れるものは、配当金だけとは限りません。
配当金の他に、株主優待も発行している株式があります。株主優待の例としては、全日本空輸(=ANA)の株主優待券・マクドナルドの食事優待券・オリエンタルランドの1デーパスポート―などがあります。では、貸株している場合、株主優待を受け取れるのでしょうか?
貸株している場合、株主優待が受け取れません**。貸株サービスを利用すると株主優待が受け取れない理由は、(1)株式を保有していれば、株主優待を受け取れますが、(2)株式を貸株した場合、株式を保有していない状態になるからです。ただし、株主優待自動取得サービスを利用すれば、株主優待を受け取ることができます。
なお、株主優待自動取得サービスを利用していても、株主優待を受け取れない状況もある***ので、証券会社ホームページで事前に確認しておいてください(受け取れない状況に当てはまる場合、株主優待を受け取るには、株主優待の権利確定日までに、自分で貸株の解除をする必要があります)。
** 松井証券の貸株は、貸株サービスの形態が異なるため、株主優待を受け取れます。
*** 権利確定日の情報源(=東洋経済新報社)が権利確定日を更新した後に、株式を発行している会社が権利確定日を変更した場合など。
図:貸株時の株主優待の受け取り