「投資信託」は、銀行で取り扱われていることもあり、名前だけは聞いたことがある方もおられるかもしれません。ただ、どんな商品か分からなければ、投資を検討することはできないと思います。では、投資信託とは、具体的にどんな商品なのでしょうか?
投資信託とは、多くの投資家から広く集めた資金を、運用のプロがまとめて運用する投資商品です。投資信託の運用内容は、以下です。
投資資金を大きなお金にすることのメリット
投資資金を大きなお金にすることのメリットは、まず、投資することが困難な投資対象にも投資できるようになることです。投資することが困難な投資対象とは、例えば、価格が1億円を超えるようなマンションなどです。また、マンションほど高額ではありませんが、1単位を購入するのに100万円以上必要になる―株式銘柄に投資することもできるようになります。
また、投資資金を大きなお金にすることで、高額な投資対象にも簡単に分散投資できるようになるため、ひとりひとりの投資額が少額でも、広く分散投資できます。広く分散投資できれば、"不調の資産"が損失を出したとしても、他の"好調な資産"から利益が上がるため、ひとつの銘柄の調子に資産全体が左右されることなく、安定して利益が得られます。
なお、「投資信託による―少額での分散投資」の分かりやすい説明がありましたので、以下に引用します。
この投資信託はたくさんの企業の株が組み入れられていて、そのうちシャープに約4%、トヨタ自動車や東芝などにそれぞれ約3%、任天堂が約2%含まれています。1万円分購入するということは、間接的にではあるけれど、シャープに40円、トヨタ自動車に30円投資し、そのほかこの投資信託に組み入れられている約90社の株式に、合わせて1万円分投資しているということになるのです。上地明徳 『あなたにも5000万円貯まる信じられない「仕組み」』 株式会社小学館、2008年、54頁より引用
図:広く分散投資することで、安定して利益が得られる
運用をプロに任せることのメリット
運用をプロに任せることのメリットは、まず、投資を支援するサービスが受けられることです。投資を支援するサービスには、例えば、指定した銘柄を、毎月、銀行口座引き落としで積み立てられるサービスがあります。また、投資信託から支払われた分配金で、同じ投資信託を自動的に購入(再投資といいます)してくれるサービスもあります。
また、運用をプロに任せることで、運用に時間を割く必要がなくなります。運用に時間を割く必要がないため、自分がするべき事・したいことに集中できます。
そして、運用をプロに任せることで、投資資金が安全に保護されます。資金が安全に保護されるのは、投資信託の資金が、信託銀行に信託される仕組みになっているからです。信託銀行に信託されるため、運用のプロである―3つの会社(後で解説)のどれが倒産しても、投資資金が借金の返済に使われることはありません。
ちなみに、投資信託の運用をしてくれる―運用のプロとは、販売会社・運用会社・信託銀行の3つです。3つの会社の仕事を簡単にまとめると、「販売会社は、投資信託の売買の窓口になる仕事」、「運用会社は、資産の運用の指示をだす仕事」、「信託銀行は、資産を管理する仕事」です。各会社が担当している仕事を詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
→参考:投資信託の仕組みはどうなってるの?投資信託の運用を支える3つの金融機関について解説
図:投資信託にかかわる運用のプロ