「1年を超える期間の―リスクの計算式」で、複数年運用した場合の―リスクの計算方法を解説しました。
複数年運用時のリターン(連続複利)を計算し、上記のリスクの計算式を組み合わせることで、複数年運用後の値動き幅を計算することができます。では、どうやって、計算するのでしょうか?
(1)複数年運用時の期待リターン(連続複利)を求め、複数年運用時のリスク分を加えます。(2)そして、計算結果の期待リターン(連続複利)を、期待リターン(年複利)に変換します。上記2つの計算式を、具体的に解説していきましょう。(1)の計算式は、ln(1+期待リターン)×想定運用年数±リスク×想定運用年数 です。*(2)の計算式は、exp(連続複利のリターン)-1 です。
図:複数年運用後の値動き幅の計算式
※ 複数年運用時の期待リターン(連続複利)の計算内― ln(1+期待リターン) は、"期待リターン(年複利)"を"期待リターン(連続複利)"に変換する計算式です。
※ 複数年運用時の期待リスクの計算については、こちらを参照→1年を超える期間の―リスクの計算式
以下の計算例は、"リターン10%・リスク20%の投資商品に、5年間投資した場合"―という前提で計算したものです。
ln(1+0.1)×5±0.2×√5=0.48±0.45
最も良かった場合:期待リターン(連続複利)+リスク=0.93(連続複利)
→年複利に変換:exp(0.93)-1=1.53(年複利) +153%
最も悪かった場合:期待リターン(連続複利)-リスク=0.03(連続複利)
→年複利に変換:exp(0.03)-1=0.03(年複利) +3%
- なお、この記事内の"複数年運用時のリスク"は、"1標準偏差"で計算しています。1標準偏差の特徴は、以下です。約68%の確率で、上記の結果になります。残りの約32%の確率で、記事内の想定よりも、"上回る"か"下回ります"。(確率は、半分の約16%ずつ)
わき道にそれますが、googleの検索窓に、計算式を入力しても計算できます。(ln・expも計算できます。)
投資信託自動取り崩しサービスがある証券会社のおすすめランキング
取り崩しの年率を設定すると、毎月取り崩し年率の12分の1の額を取り崩してくれます。
たとえば、全世界株式のリターン:4.5%(インフレ調整後)を設定すると、毎月0.375%(=4.5%÷12ヶ月)ずつ取り崩してくれます。
そのため、取り崩したい年率の、ぴったり1ヶ月分を毎月取り崩すことができます。
取り崩したお金は、毎月設定した額を、設定した銀行口座に振り込んでもらうように設定できます。
ですので、証券会社の都合で、振込先の銀行がしばられません。
現時点でもっともすぐれた取り崩しサービスを提供しており、いちばんおすすめです。
・公式ページ
資産額の0.1%以上0.1%刻みで、毎月の取り崩し率の設定ができます。
全世界株式のリターン:年4.5%(インフレ調整後)を毎月取り崩すなら、月0.3%(年3.6%)もしくは月0.4%(年4.8%)のいずれかで取り崩すと良いでしょう。
取り崩したお金は、毎月、全額を楽天銀行に自動で振り込んでもらうように設定することもできます。
・公式ページ
「毎月○%取り崩す」というようなパーセントでの取り崩しはできず、額を指定する(例:月5万円など)取り崩ししかできません。
銀行口座への自動振り込みはおこなっておらず、定期的に証券口座から、銀行口座に手動でお金を動かさなくてはなりません。
・公式ページ