国内の資産に投資する場合、ドルコスト平均法によって買値が安定することは想像しやすいと思います。
例えば、「ドルコスト平均法とは?」で解説したように、基準価額が10,000円・12,000円・12,500円・9,000円・8,000円と動いた場合、ドルコスト平均法で積み立てることで、平均価格:10,300円(=(10,000円+12,000円+12,500円+9,000円+8,000円)÷5)よりも安い―9,960円で積み立てることができます。
ただ、海外の資産に投資する場合、意識されにくいですが、上記のような"価格の変動"に加え"為替の変動"も起こります。海外資産の"為替の変動"が意識されにくい理由は、価格の変動と、為替の変動とが"価格の変動"としてまとめて表示されるからです。
具体的には、(1)海外の資産も、国内の資産と同じように価格が変動しますが、(2)価格は、そのときのドル/円相場で円に換算して表示されるからです。
ドルコスト平均法は、この"為替の変動"も安定させる効果があります。では、なぜ為替の影響も軽減できるのでしょうか?
為替も、価格の変動と同様に、購入時期ごとに分散されるからです。為替の変動の軽減効果例は、以下です。なお、以下の例ではわかりやすさのため、"資産の価格は変動しない"ものとします。
1.毎月、50,000円投資。
2.投資する資産の価格は100ドル(価格の変動はしないものとする)。
3.為替(ドル/円相場)が100円・110円・120円・90・円・80円と変動。
図:ドルコスト平均法の為替安定効果
(1月目)50,000円÷100円÷100ドル*=5個の資産を購入。
(2月目)50,000円÷110円÷100ドル*=4.5個の資産を購入。
(3月目)50,000円÷120円÷100ドル*=4.2個の資産を購入。
(4月目)50,000円÷ 90円÷100ドル*=5.6個の資産を購入。
(5月目)50,000円÷ 80円÷100ドル*=6.3個の資産を購入。
* 資産の価格
為替の平均は、100米ドル/円(=(100円+110円+120円+90円+80円)÷5)ですが、ドルコスト平均法によって平均為替が98米ドル/円(=250,000円÷25.5個÷100*)に下がったことがわかります。