投資する前に、そのファンドの―「実質コスト」を確認するのは大切です。なぜなら、信託報酬が安くても、隠れたコスト(=信託報酬以外のコスト)が高く、"両方を合計すると割高なコストがかかるファンド"がたまにあるからです。
しかし、今まで「実質コスト」は運用報告書に掲載されていなかったため、運用報告書の数値を元に、自分で計算するしかありませんでした。
ただ、現在は"実質コストが運用報告書に掲載されるようになった"ため、計算しなくても、実質コストの正確な数値が確認できるようになりました。では、実質コストを確認するには、どうすればいいのでしょうか?
以下の手順で確認しましょう。なお、例では、日本株式インデックスeの実質コストを確認しています。
ファンドの交付運用報告書を開く
まず、実質コストを知りたいファンドの―運用会社のホームページにアクセスし、そのファンドの詳細ページを開きます。日本株式インデックスeの場合、運用会社は三井住友トラスト・アセットマネジメントなので、三井住友トラスト・アセットマネジメントの「日本株式インデックスeの詳細ページ」にアクセスします。
図:日本株式インデックスeの詳細ページ
次に、「交付運用報告書」をクリックします。ちなみに、「運用報告書(全体版)」は運用報告書の詳細版なので、こちらをクリックしてもかまいません。
図:交付運用報告書をクリック
実質コストを確認する
交付運用報告書の―「1万口当たりの費用明細」から、実質コストを取得します。なお、決算期間が1年未満の銘柄の場合、掲載されている"実質コスト"を、1年間の数値に修正しなければならないので注意してください*。1年間の数値に修正しなければならない理由は、掲載されている数値が、"1年でかかったコストではなく、決算期間でかかったコスト"だからです。例えば、決算期間が半年ごとの場合、掲載されているコストは半年分です。"半年分のコスト"を"1年間のコスト"に修正するには、掲載されている数値に2(=12ヶ月÷6ヶ月)を掛けます。日本株式インデックスeの決算期間は1年ごとなので、掲載されている―実質コストを修正する必要はありません。日本株式インデックスeの―実質コストは、0.406%です。
* 主要インデックスファンドシリーズの中では、SMTインデックスシリーズが該当します(半年ごとに決算)。
図:交付運用報告書から実質コストを取得
※ この記事の画像は、三井住友トラスト・アセットマネジメントのホームページ、および日本株式インデックスeの交付運用報告書より引用しました。