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老後でも簡単にできる、投資信託の取り崩し方法

 投資信託は、老後にそなえて積み立てる方がほとんどだと思います。老後になれば、投資信託の取り崩しをはじめなければなりません。

 ただ、投資信託の取り崩しをおこなうには、毎月の取り崩し日を覚えていなければならず、さらに、注文を出すためにパソコンを操作する必要があります。

 老後は、これらの作業(取り崩し日をおぼえておくこと・売り注文をだすこと)が負担になるかもしれません。また、思考能力がおとろえた老後の自分は、作業自体を忘れるかもしれません。

 人はおとろえます。いつまでも今とおなじ判断力は維持できません。そのため、80代になっても、問題なく続けられる方法にしなければならないのです。

 では、どうすれば、老後で弱っても、取り崩しが簡単にできるでしょうか。

 老後に頭や労力を使わなくても良いように、取り崩しのしくみを作っておきましょう。具体的には以下です。


定率売却サービスがある証券会社をつかう

 労力を使わなくても取り崩しがつづけられるように、「定率売却サービス」がある証券会社を使うのがおすすめです。

 定率売却サービスとは、「最初に決めた割合」で、毎月自動で投資信託をうってくれるサービスです。たとえば、最初に「毎月10日に0.3%うる」と設定すると、毎月10日に0.3%うってくれます。定率売却サービスがあれば、毎月うり注文をだす労力がいらなくなるのです。

 定率売却サービスは楽天証券にありますが、楽天証券の場合、0.1%単位で売却率をきめられます。では、売却率はどのくらいにするべきなのでしょうか?

  • 株式に投資する投資信託なら、月0.3%(=年3.6%)がいいです。
  • 債券に投資する投資信託なら、月0.0%(=売らない)がいいです。

 債券に投資する投資信託をうらない理由は、債券が、はげしく値動きをする株式の緩衝材の役割をするものだからです。収益をあげるのが株式の役割、はげしい値動きをおさえるのが債券の役割とかんがえましょう。

 ちなみに、バランスファンドなら、株式と債券の割合に応じて売却率をきめます。たとえば、株式:50%・債券:50%に投資するファンドなら、月0.15%(=0.3%×50%+0.0%×50%)にします。

 なお、上記の売却率は、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が公開している資料をもとに計算しています。GPIFとは、わたしたちの年金を運用している公的機関です。

・GPIFが公開している株式リターン
 GPIFが公開している株式のリターンは、4.9%です。

GPIFが公開している株式リターン

※上の画像は、GPIFの資料(PDFファイル)より引用(赤枠は、管理人が追記)
※リンク先の【期待リターン(実質的なリターン:名目リターン-名目賃金上昇率<2.3%>) 】の項目参照

・株式リターンから売却率を計算
 GPIFが公開している株式のリターンは、信託報酬をひいていませんので、信託報酬を0.5%として計算します。

外国株式のリターン(信託報酬をひいた値):4.4%(=4.9%-0.5%)

これを12ヶ月で割って
4.4%÷12ヶ月=0.366666667

売却率は0.1%単位でしかきめられないので、0.3%としています。ちなみに、日本株式のみに投資する投資信託の場合、売却率は0.2%にしたほうがいいかもしれません。

 いま定率売却サービスがない証券会社で積み立てている場合は、投資信託を楽天証券に移管してもいいかもしれません。なお、投資信託の移管ができるのは、「移管先の証券会社が取りあつかっているものだけ」です。たとえば、楽天証券に移管したい場合、今の証券会社で買った投資信託は、楽天証券でも取りあつかっているものしか移管できません。


証券会社の口座のお金を、ATMで直接おろせる証券会社をつかう

 労力を使わなくても取り崩しがつづけられるように、「取り崩したお金を、ATMでおろせる証券会社」をつかうのがおすすめです。取り崩したお金をATMでおろすには、楽天証券と、楽天銀行との2つの口座を持っていればできます。

 楽天証券・楽天銀行の口座を連携させるサービス:マネーブリッジ(無料)&自動入出金(スイープ)(無料)を使うと、楽天証券の口座のお金が、自動で楽天銀行に移動されます。そのため、楽天証券で取り崩したお金を、パソコンで楽天銀行の口座にうごかす労力がいらなくなります。ちなみに、楽天銀行に移動したお金は、楽天銀行と提携しているATM(コンビニ・イオン銀行・三菱UFJ銀行・みずほ銀行・ゆうちょ銀行のATM)で出金できます。

 なお、楽天銀行には、最低でも現金を10万円は預けておかなければなりません。なぜなら、最低10万円を入れておかないと、ATMの利用(入金・出金)に手数料(=220~275円)がかかるからです。ATMでの「入金」にも手数料がかかるので注意してください。とりあえず10万円だけでも入れておけば、月1回のATMの利用が無料になります。なお、「ATMの利用を無料」にするには、ハッピープログラムというサービス(無料)に申し込むことも必要です。








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