「代表的なポートフォリオのリターン・リスク」で、代表的なポートフォリオの期待リターンと、想定リスクを紹介しました。
記事で紹介したポートフォリオの中で、広くおすすめできるのは、安定運用型のポートフォリオ(内訳:国内株式25%・国内債券25%・外国株式25%・外国債券25%)です。おすすめできる理由は、比較的リスクが低く、リターンが高いからです。安定運用ポートフォリオのリスク・リターンは、以下です。想定リスクは、9.61%です。期待リターンは、4.08%です。
ただ、安定運用型のポートフォリオは、"管理が面倒"という欠点があります。管理が面倒な理由は、(1)安定運用型のポートフォリオは、伝統的4資産(国内株式・外国株式・国内債券・外国債券)に25%ずつ投資するポートフォリオですが、(2)各資産の比率を25%に維持するには、リバランス(または、積立額の調節)をおこなう必要がある―からです。では、楽に、安定運用型のポートフォリオの管理をおこなう方法はないのでしょうか?
グローバル・インデックス・バランスファンド(投資生活)に投資するといいです。投信生活がいい理由は、リバランス不要の―安定運用ポートフォリオ(国内債券を除く)が作れるからです。グローバル・インデックス・バランスファンド(投資生活)は、国内株式・外国株式・外国債券の―各インデックスファンドに3分の1ずつ投資します。また、これら3つの資産のリバランスを、投資家がする必要はありません(ファンド内でおこなってくれるため)。
- わき道にそれますが、"投資生活"は、非常に低コストです。
投資生活のコストは、以下です。
信託報酬は、年率0.648%で、純資産総額100億円を超える部分については、年率0.54%になります。
また、販売手数料は、無料です。
(備考)欠点はないのか? 投資生活は、安定運用ポートフォリオの残り一つの投資分類:"国内債券"に投資しない。
安定運用型のポートフォリオを組む場合、グローバル・インデックス・バランスファンド(投資生活)に投資するといいと解説しました。
ただ、投資生活は、安定運用型ポートフォリオの残り一つの投資分類:"国内債券"に投資しません。では、どうすればいいのでしょうか?
他の国内債券インデックスファンドと組み合わせる必要があります。*組み合わせる方法は、投資生活の3分の1の額を、国内債券インデックスファンドに投資します。なぜなら、(1)投資生活でカバーできるのは、安定運用型ポートフォリオの75%(=国内債券以外の部分)ですが、(2)投資生活でカバーできないのは、安定運用型ポートフォリオの残り25%(=国内債券部分)だからです。
* 国内債券のおすすめファンドと、その販売会社を解説したページはこちら→国内債券ファンドは、日本債券インデックスeがおすすめ
図:国内債券インデックスファンドを組み合わせて、安定運用型ポートフォリオを作成
楽天証券には、投資信託を毎月自動で取り崩してくれるサービスがあります。
このサービスをつかうと、ほったらかしで、遊んでいるお金の年4.8%(または年3.6%)が、楽天銀行の口座に毎月振り込まれます。
楽天証券は、楽天市場・楽天モバイル・楽天銀行で知られる、楽天グループに属する証券会社です。
楽天証券の総合口座数は864万口座、預り資産は、18.1兆円を超えています(2022年12月末時点)。
また、楽天証券で投資信託を保有、または、積み立ての設定をしている人は、274万人を超えています。
実際に、楽天証券の「投資信託の自動取り崩しサービス」をつかった履歴をごらんください。
下のように、振込日(1~28日の中で好きな日を指定できます)の10日に間に合うように、投資信託を自動で売ってくれます。

また、取り崩したお金は、下のように自動で楽天銀行の口座に振り込んでくれています。
なお、取り崩しの際にかかる譲渡益税(利益の約20%)が源泉徴収されています。
※ちなみに、自動で振り込んでもらうには、楽天証券の口座と、楽天銀行の口座と連携させる「マネーブリッジ連携」というかんたんな設定が必要です。

全世界株式に投資すると、年7%のリターンが期待できます。
>> 全世界株式のリターンが7%といえる詳しい理由は、この記事で解説しています。
>> 過去34年のデータから計算した、全世界株式のリターン7%の理由はこちら
全世界株式に投資する方法はいくつかありますが、投資信託を使うのが簡単です。
全世界株式に投資する投資信託のなかでは、手数料が安い「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(以下オール・カントリー)」がおすすめです。
オール・カントリーの手数料は年0.2%程度で、全世界株式に投資する投資信託のなかで、最安クラスです。
なお、全世界株式のリターンは年7%といいましたが、取り崩しは、年7%ではなく「年4.5%」にするのがベストです。
なぜなら、全世界株式のリターン:7%のうち、2.3%はインフレで増えた分だからです。
インフレで増えた2.3%分は、取り崩さずにそのまま運用をつづけて、その運用益で将来のインフレにそなえます。
また、先ほど解説したように、オール・カントリーには、年0.2%程度の手数料がかかるため、その分も取り崩さないでおきます。
したがって、全世界株式のリターン:7%から、インフレ分:2.3%と、オール・カントリーの手数料:0.2%を引いた年4.5%を取り崩すのがベストです。
実は、投資信託を毎月手動で取りくずす場合、かなり手間がかかります。
取りくずしの手間を、全世界株式の投資信託を取りくずす場合を例に解説すると、
1.まず、今月の取りくずし額を計算します。
全世界株式の場合、年4.5%が期待リターンですので、毎月「4.5%の12分の1」まで取りくずしても大丈夫です。
つまり、4.5%÷12ヶ月で、0.375%ですね。
たとえば、現在の資産額が120万円の場合、4,500円(=120万円×0.375%)と計算できます。
2.つぎに、1.で計算した額を売る、売却注文をだします。
証券会社のホームページにログインして、先ほど計算した額だけ、全世界株式の投資信託の売却注文をだします。
3.そして、売却注文が成立した翌日か、翌々日までまって、出金指示をだします。
実は、投資信託は、売却注文が成立しても、その日に出金指示をだせません。
出金指示ができるようになるのは翌日か、翌々日になってからです。
このように1日で注文・出金指示の、両方をすませることができません。
そのため、売却注文をだす日と、出金指示をだす日と、2日にわたってホームページで操作する必要があるのです。
自動取りくずしサービスがないと、毎月、この取りくずし作業をやらなければなりません。
楽天証券の自動取りくずしサービスなら、毎月の取りくずし率を、0.1%以上0.1%単位で設定できます。
ここで設定した取りくずし率の分だけ、毎月自動で投資信託を売却してくれます。
全世界株式(年4.5%のリターン)の投資信託を取りくずす場合、月0.4%(年4.8%)、または月0.3%(年3.6%)に設定すると良いでしょう。
また、取りくずしたお金は、毎月指定した日(1~28日から好きな日を指定できます)に、楽天銀行の口座に振り込んでもらえます。
なお、設定した日に間に合うように、投資信託を売却してくれため、お金が必要な日よりまえに振込日を指定する必要はありません。
そのため、楽天証券を使えば、手間をかけずに、遊んでいるお金の年4.5%が、楽天銀行の口座に毎月振り込まれます。
1.楽天証券の口座を開設したら、全世界株式に投資する投資信託(オール・カントリーがおすすめ)を買って、その投資信託を、月0.4%(または0.3%)取り崩す設定をします。
2.楽天証券の口座と、楽天銀行の口座とを連携させる「マネーブリッジ連携」という設定をします。
この2つを最初にいちど設定するだけでおわりです。
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楽天証券の投資信託自動取り崩しサービスを使うことで、遊んでいるお金から収益が上がります。
また、はじめるのもかんたんで、全世界株式の投資信託を買って、月に取りくずすパーセント(0.4%か0.3%)を決めるだけです。
楽天証券の投資信託自動取り崩しサービスがなければ、毎月手間のかかる取り崩しを自分でしなければなりません。
また、銀行預金ではお金はほとんど増えませんので、楽天証券での投資信託自動取り崩しサービスをおすすめします。
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