積み立てをはじめる前に、年間でいくら積み立てれば目標額に届くのか知りたい場合は多いと思います。この"目標積立額を達成するために必要な―年間積立額を計算する方法"は、以前、「エクセルのゴールシークを使って、毎月の必要積立額を計算する」で解説しました。ただ、上記の方法は、はじめに計算のためのエクセルファイルを作らなければならないため、少し面倒かもしれません。では、もっと簡単に計算する方法はないのでしょうか?
減債基金係数表を使うと、簡単に"目標積立額を達成するために必要な―年間積立額"を計算できます。具体的な方法は、以下です。
※ この方法は、初期投資額が0円の場合しか使えません。初期投資額が1円以上の場合の計算をしたいときは、エクセルのゴールシーク機能を使う方法をおこなってください。
1.減債基金係数表を用意
減債基金係数表とは、わかりやすくいえば、様々な条件(=リターン・投資年数)で目標額"1円"を達成するために必要な―年間積立額をまとめた表です。実際に、減債基金係数表がどういうものか確認してみましょう。下にある「図:減債基金係数表」の、リターン:3.0%・投資年数:5年のところを見てみると、0.18835という数値が見つかります。つまり、年間0.18835円を積み立てれば、5年後に1円が貯まるということになります。本当に1円が貯まるか確認してみましょう。
- (1年運用後)0円×1.03%+0.18835円=0.18835円
- (2年運用後)0.18835円×1.03%+0.18835円=0.38235円
- (3年運用後)0.38235円×1.03%+0.18835円=0.58217円
- (4年運用後)0.58217円×1.03%+0.18835円=0.78799円
- (5年運用後)0.78799円×1.03%+0.18835円=0.99998円
上記のように、年間0.18835円を積み立てれば、5年後には1円が貯まることがわかりました。
※ ぴったり1円にならないのは、途中の式で四捨五入をしているからです。
図:減債基金係数表
3.0% | 3.5% | 4.0% | 4.5% | 5.0% | |
---|---|---|---|---|---|
5年 | 0.18835 | 0.18648 | 0.18463 | 0.18279 | 0.18097 |
10年 | 0.08723 | 0.08524 | 0.08329 | 0.08138 | 0.07950 |
15年 | 0.05377 | 0.05183 | 0.04994 | 0.04811 | 0.04634 |
20年 | 0.03722 | 0.03536 | 0.03358 | 0.03188 | 0.03024 |
25年 | 0.02743 | 0.02567 | 0.02401 | 0.02244 | 0.02095 |
30年 | 0.02102 | 0.01937 | 0.01783 | 0.01639 | 0.01505 |
35年 | 0.01654 | 0.01500 | 0.01358 | 0.01227 | 0.01107 |
40年 | 0.01326 | 0.01183 | 0.01052 | 0.00934 | 0.00828 |
45年 | 0.01079 | 0.00945 | 0.00826 | 0.00720 | 0.00626 |
50年 | 0.00887 | 0.00763 | 0.00655 | 0.00560 | 0.00478 |
なお、上の図に欲しい数値がない場合、「リターン ÷(((1 + リターン)^投資年数) - 1)」で、減債基金係数をご自分で計算することもできます。例えば、リターンが4.0%で、入社から定年までの38年(=60歳-22歳)の数値が知りたい場合は、4% ÷(((1 + 4%)^38) - 1)=0.011631919 と計算できます。また、リターンが1.0%で、投資年数30年の数値が知りたい場合は、1% ÷(((1 + 1%)^30) - 1)=0.028748113 と計算できます。
参考記事: 減債基金係数(ファイナンシャル・プランニング=6つの係数=)(外部サイト)
2.必要な年間積立額を計算
減債基金係数表の数値は"1円"を達成するために必要な年間積立額ですから、表の数値に"あなたの目標額"をかければ、その目標額を貯めるために必要な―年間積立額が計算できます。つまり、あなたの目標額が100万円なら、表の数値を100万倍すれば、必要な年間積立額が計算できることになります。以下で、目標額が100万円の場合の―必要な年間積立額を計算してみましょう。積み立て条件(リターン・投資年数)は、先ほどの例と同じもの(=リターン:3.0%・投資年数:5年)を使用します。上記の条件だと、減債基金係数は0.18835ですから、100万円×0.18835=18.835万円(約月1.6万円) と計算できます。
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