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リスクの数値で計算できる―最大損失額について知っておこう

 最大損失額とは、暴落のときに発生する可能性がある額のことです。この最大損失額は、計算できます。

 最悪の場合にどのくらいの損失がでるか、確認しておくことは大切です。最大損失額を確認しておくことで、その損失にあなたが耐えられるかを、はじめるまえに確認できます。


最大損失額とは、資産運用を続ける中で予想される―最悪の損失

 最大損失額とは、資産運用を続ける中で予想される―最悪の損失です。

 最悪の損失が発生したとき(=暴落が起こったときなど)に、あなたがその損失額に耐えられなければ、資産をすべて売却してしまうでしょう。

 そんなことにならないために、投資をはじめる際にはまず、あなたがどのくらいの損失に耐えられるか?を考えます。この「耐えられる損失」を考える―作業を絶対に省略しないでください。

 そして、"あなたが耐えられる損失"を元に、資産の組みあわせを考えます。資産の組みあわせには、株式(日本株式・外国株式)と、日本債券とを使います。日本債券を組み入れるほど最大損失額が小さくなるため、あなたの耐えられる損失に合わせて組み入れる量を調整してください。

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最大損失額は、収益-リスク×2で計算できる

 最大損失額の計算式は、収益-リスク×2です。例えば、あなたが検討している―資産の組みあわせの収益が5%、リスクが20%の場合、最大損失額は、-35%(=5%-20%×2)になります。この「-35%」という最大損失額に耐えられないと感じた場合は、この資産の組みあわせを使ってはいけません。

 なぜ、リスクを2倍するかというと、リスクを2倍にすることで、95%の確率で値動きがその幅に収まるからです。

 そして、1年間の運用で収益が上がりますから、その収益からリスクの2倍を引けば、最大損失額が計算できる―というわけです。

 ただし、リスク×2の計算では、95%の確率でしかその幅に収まりませんから、5%(=100%-95%)の確率で範囲外の値動きをする―ことを覚えておく必要があります。5%の割合は上下に半分ずつですから、2.5%(=5%÷2)の確率で、計算よりも下がります。つまり、2.5%の確率で、計算した―最大損失額よりも下がってしまう可能性があるのです。よって、計算以上の損失がでる可能性も、40年(=1÷2.5%)に1回はあります。


より慎重に最大損失額を見積もりたいなら、リスク×3で計算する方法もある

 リスクを3倍で計算すると、98%の確率で値動きが計算結果内に収まります。つまり、"収益-リスク×3"で計算する―ということです。リスク×3で計算した場合、98%の確率で値動きが計算内に収まるので、計算内に収まらないのは2%(=100%-98%)だけになります。2%の内、下に外れる確率は、2%の半分の1%だけです。下に外れる確率が1%しかないので、計算結果以上の損失がでる可能性は100年(=1÷1%)に1回だけになります。

 ただ、リスクの3倍で計算して、98%まで確率を上げるのはおすすめできません。リスクを2倍→3倍に変えることで上げられる確率は、たったの3%(=98%-95%)です。3%の内、想定の値動きよりも下がる確率は、半分の1.5%しかありません。たった1.5%の確率を上げるために、計算に使うリスクの数値を3倍に上げると、計算結果の最大損失額が大きくなりすぎてしまいます。

 例えば、70%日本債券を組み入れる―資産の組みあわせの場合、収益が年3.59%、リスクが6.59%です。リスクを3倍で計算した場合、日本債券を70%も組み入れる―非常に安全性が高い組みあわせでさえ、-16.18%(=3.59%-6.59%×3)の最大損失額になってしまいます。これでは10%の損失にしか耐えらない方は、投資できないことになってしまいます。

 数十年に1度の大暴落で、値動き幅が下に大きくずれるのを恐れすぎると、投資自体をはじめられなくなってしまいます。個人のリスク感覚によりますが、リスクは2倍で計算するのがいいと思います。計算より下がる確率を、40年に1回にできれば充分です。


どれだけの損失がでる可能性があるのか、知っておくことは非常に重要

 最大損失額をあらかじめ計算しておくのは、"あなたが耐えられる損失以上の損失"がでないようにするために重要です。最大損失額を計算することで、本当にその資産の組みあわせで大丈夫か―を事前に確認できます。

 耐えられる損失以上の損失がでてしまうと、運用を続けるのが困難になり、運用を終了してしまう可能性が高まります。運用を途中で終了してしまうと、目標の金額が貯められなくなってしまいます。

 運用を最後まで継続し続けるため、最大損失額を、"あなたが耐えられる損失"より少ない額にコントロールしてください。








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