企業型確定拠出年金は、文字通り、企業が拠出金を拠出する(=支払う)―確定拠出年金です。企業が拠出金を拠出する目的は、従業員の退職後に備えて、積み立てるためです。なぜなら、(1)従業員の退職後は、給与収入がなくなるため、備えが必要ですが、(2)備えるためには、計画的に、積み立てなくてはならないからです。
ただ、企業が拠出金を拠出する年金には、すでに企業年金があります。代表的な企業年金には、以下の種類があります。まず、厚生年金基金です。他に、税制適格退職年金があります。
企業型確定拠出年金は、その"企業年金"に代わり(または、企業年金に追加される形で)、導入され始めています。導入され始めている理由は、従来の企業年金が、企業を圧迫しているからです。企業を圧迫している理由は、(1)多くの従来型の確定給付年金*では、受給者に支払うお金の―積立不足が発生していますが、(2)積立不足分は、企業が埋め合わせなければならないからです。では、企業型確定拠出年金とは何でしょうか?
* 将来の受け取り額が、あらかじめ決まっている年金のこと。
会社が従業員のために準備する―退職金です。具体的には、以下です。
企業型確定拠出年金は、会社が企業型確定拠出年金を導入した場合に、加入できる
企業型確定拠出年金は、会社が従業員のために準備する―退職金だと解説しました。
ただ、企業に勤めていれば、誰でも加入できるわけではありません。では、どうすれば、加入できるのでしょうか?
会社が"企業型確定拠出年金を導入した場合"に加入できます。なぜ、会社が企業型確定拠出年金を導入しなければ加入できないでしょうか?
それは、企業型確定拠出年金は、"会社が従業員の福利厚生のため"に、あくまでも自主的に積み立てるものだからです。なぜかというと、(1)会社が、従業員の福利厚生を考えるのは、あくまでも自主的なものですが、(2)企業型確定拠出年金は、"会社が従業員の福利厚生のため"に、おこなうものだからです。
企業型確定拠出年金は、会社が掛け金を払う
企業型確定拠出年金は、会社が従業員の福利厚生のために、あくまでも自主的に積み立てるものだと解説してきました。
ただ、従業員が、受け取った給料から掛け金を払い込むのでは、福利厚生のためのものとは言えないでしょう。では、だれが掛け金を払い込むのでしょうか?
それは、会社です。払い込むお金は、人件費から拠出されると考えられます。つまり、人件費として、(1)給料として払う(2)年金掛け金として払う の2通りに分けて支出すると考えられます。
- ※追記(2010/2/2)
2010年1月1日に、企業確定拠出年金が改善され、個人のマッチング拠出が可能になりました。したがって、現在は、企業の拠出金に追加して―個人も拠出できます(ただし、"企業の拠出額と同じ額が上限"かつ、"企業の拠出金と合わせて拠出限度額まで"―という制限あり)。
- わき道にそれますが、会社が拠出した掛け金は、3年以上勤務すれば、転職しても移管できます。