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投資信託の強力な複利の力を知っておこう

 投資信託は、銀行預金よりも高い期待リターンがえられます。投資信託の期待リターンは、資産の組みあわせにもよりますが、年3%~5%程度です。

 また、投資信託は複利でふえますから長期投資になれば、銀行預金との差は、さらに大きくなります。なお、分配金を受け取ってしまうと複利効果が弱まってしまいますので、分配金は再投資しましょう。


投資信託に投資すれば、資産の組みあわせによって、年3%~5%の収益が期待できる

 具体的に、どの程度の収益が上げられるかは、日本債券をどの程度組み入れるかで決まります。日本債券を組み入れなかった場合の収益は、以下です。

  • 日本債券0%、株式100%(内訳は、日本株式:10%・外国株式:90%)の場合、年4.98%の収益が期待できます。

日本債券の組み入れ割合ごとの収益は、以下です。

  • 日本債券30%、株式70%(内訳は同上)の場合、年4.39%の収益が期待できます。
  • 日本債券50%、株式50%(内訳は同上)の場合、年3.99%の収益が期待できます。
  • 日本債券70%、株式30%(内訳は同上)の場合、年3.59%の収益が期待できます。

 上記のように、日本債券の組み入れ割合が増えるほど、収益が下がります。ただし、組み入れ割合が増えるほど、暴落に強くなります(=暴落が起こったときの下落幅が小さくなります)。


年5%の収益を得られるなら、10年で50%(=5%×10年)の収益が得られる?

 年5%の収益なら、10年で50%(=5%×10年)の収益が得られる―と考える方もおられるかもしれません。理屈としては、まず、100万円を投資し、5%の収益なら年5万円(=100万円×5%)の収益が得られます。そして、これを10年続けると、50万円(=5万円×10年)の収益が得られます。したがって、50万円÷100万円で、50%の収益が得られる―というわけです。

 確かに、得た収益を―再投資(=同じ投資信託に追加投資すること)しなかった場合、収益率は、上記のように50%になります。

 しかし、投資信託では、上がった収益を"そのまま口座に残しておいたり"、"使ってしまったり"といったことはせず、得た収益を再投資する―という運用が一般的です。


実際の収益は50%より多い

 100万円を、5%の収益の投資信託で10年運用した場合、63%の収益が上げられます。10年で得られる収益を計算すると、100万円×(1.05の10乗)-100万円で、"63万円"となります。100万円の運用で、63万円の収益が上がったわけですから、63%(=63万円÷100万円)の収益が上がったことになります。

 同じ条件で30年運用すると、332%の収益が上げられます。30年で得られる収益を計算すると、100万円×(1.05の30乗)-100万円で、"332万円"となります。100万円の運用で、332万円の収益が上がったわけですから、332%(=332万円÷100万円)の収益が上がったことになります。

 10年→30年に運用期間を伸ばすと、収益が飛躍的に上がった(63%→332%)ことがおわかりになりましたか?

 10年運用した場合、1年あたりの収益は、6.3%(=63%÷10年)に伸びました。長期運用によって、年5%の収益が、5%→6.3%と、1.26倍に増えたことが分かります。

 一方、30年運用した場合、1年あたりの収益が、11%(=332%÷30年)に伸びました。長期運用によって、年5%の収益が、5%→11%と、2.20倍に増えたことが分かります。

 このように、運用期間が長いほど収益が大きく伸びるのは、投資信託の複利効果によるものです。


複利の力は非常に強力

 投資信託が大きな収益を上げられる秘密は、複利運用にあります。複利運用とは、"最初の年で手に入れた収益を再投資"し、また"次の年で手に入れた収益も再投資"する運用のことです。このように運用すると、毎年、運用資産が収益分増えていくことになります。また、2年目におこなう再投資額は、「初期投資額+1年目の再投資額」から得た収益になるため、1年目の再投資額より大きくなります。

 複利運用で得られる収益は、エクセルを使って簡単に計算することができます。計算するには、エクセルに以下の式を入力します。
=初期投資額×((1+収益)^運用年数)-初期投資額
なお、^←の記号は、乗数計算の記号です。1.05^10と入力することで、「1.05の10乗」という意味になります。

 例として、初期投資額:300万円・収益:4%・運用年数:20年―という条件で計算してみましょう。エクセルに、以下のように入力します。
=300*((1+4%)^20)-300
答えは、357.3369429(約357万円)でした。

 エクセルをお持ちでない場合、Google検索窓でも計算できます。上記の計算をしたい場合、
=300*((1+4%)^20)-300
とGoogle検索窓に入力すると、計算することができます。

 なお、複利の効果は、分配金を受け取ってしまうと、なくなって(または、非常に弱まって)しまいますので注意してください。複利の効果を最大限発揮するには、毎年、「全ての収益が、運用資産に組み込まれる」必要があります。したがって、収益を一部でも分配金として受け取ってしまうと、複利効果がなくなってしまいます。

 "分配金を受け取るか"、"分配金を再投資するか"を選ぶ必要がある場合は、必ず「再投資」を選んでください。"分配金を受け取る"を選んでしまうと、投資信託の大きな利点のひとつが失われてしまいます。








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