NISAの限度額は、多ければ多いほど投資家にとって有利です。NISA口座で投資をすれば、投資の収益(譲渡益・配当・分配金)に課税されませんが、限度額が多いほど、得する額は大きくなるからです。
ただ、NISAは、正式名称:"小額非課税投資制度"の名前の通り、少額しか投資できません。では、いくらまで投資できるのでしょうか? NISAの年間限度額は100万円。最大限度額は500万円になります。
●NISAの年間限度額は100万円
●NISAの最大限度額は500万円
年間限度額:100万円の枠を消費するか紛らわしいもの
NISAの限度額には"年間限度額:100万円"と、"最大限度額:500万円"とがありますが、最大限度額は、年間限度額が積み上がった額に過ぎません。つまり、年間限度額:100万円が毎年追加されていきますが、最大500万円までしか上がりません―という意味です。したがって、限度額の基本は、年間限度額ということになります。
この年間限度額ですが、投資枠を消費するか紛らわしいものがいくつかあります。それは、以下の3つです。
まずは、分配金を再投資した場合、その分は投資枠を消費するのか? という点です。残念ながら、分配金再投資は新規投資になるため、投資枠を消費します。そのため、分配金を支払う投資信託は、NISAでの投資で不利になります(投資枠が毎年余るようなら問題ありません)。NISAで投資を行うなら、分配金を支払わないか、分配金が非常に少ない投資信託にすべきです。
また、分配金再投資によって100万円の枠を上回った場合、分配金は課税口座へ移されます。なお、金融機関によっては、分配金がすべて課税口座に入金される場合もあります。
次に、投資商品を購入する時にかかる―各種手数料は投資枠を消費するのか? は気になるところです。例えば、ETFを購入する場合には、株式手数料が必要になりますし、投資信託を購入する場合には、販売手数料がかかることもあります。ただ、上記の手数料は投資枠を消費しません。つまり、100万円の投資信託を購入しようとした場合に、3万円の販売手数料がかかる(合計103万円)としても、100万円分の投資信託をNISA口座に入れることは可能です(3万円の手数料分は投資額に含まれないため)。
そして、途中売却したら、売却した分の―投資枠は再度使えるようになるのか? という点も紛らわしいです。結論から言うと、途中売却しても、投資枠を再度使うことはできません。このことは、"年間限度額=年間にNISA口座で「投資できる額」"と考えると理解しやすいかもしれません。途中で売却したからと言って、投資したことは取り消せません。そのため、投資枠を再度使うことはできない―ということになります。
図:投資枠の消費の有無
毎年投資枠が増え、最大限度額は500万円
年間限度額は100万円で、投資枠は毎年追加されていきます。ですが、限度額は、最大でも500万円にしかなりません。最大でも500万円にしかならない理由は、以下です。
年間限度額は100万円で、投資枠は毎年追加されていきますが、「NISAの期間」で解説したように、1つの投資枠の非課税期間は5年(=投資した年+4年)です。したがって、投資してから6年後には、最初の投資枠は消えてしまいます。そのため、限度額は最大でも500万円(=100万円×5年)にしかなりません。
図:NISAの最大限度額は500万円
なお、なぜ、わざわざ"最大"限度額と書くかというと、余った投資枠は、翌年以降へ繰り越しできないからです。例えば、今年70万円しか投資できなかったとしても、翌年に残りの30万円分(=100万円-70万円)の―投資枠は繰り越せません。翌年も限度額は100万円になります。
図:余った投資枠の繰り越しはできない
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